中村俊三 ブログ

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異次元の世界から聴こえてくる音楽?

 エイトール・ヴィラ・ロボスと言えば、私たちギターをやっている者にとってはとても馴染みの深い作曲家。プロのギタリストからアマチュアの愛好家まで多くの人に親しまれています。私自身もかつて、ヴィラ・ロボスのギター曲は、アルベニスやタレガの作品と並んで、ギターの世界にはまり込むきっかけとなったものでした。初めてヴィラ・ロボスの前奏曲を聴いた時には、何か異次元の世界から聴こえてくる音楽のように感じて、少なからず衝撃を覚えた記憶があります(それまでほとんどギターの曲もクラシック音楽も聴いたことがなかったこともありますが)。



効率的な作曲?

 ヴィラ・ロボスのギターの作品は、独奏曲としては「5つの前奏曲集」、「12の練習曲集」、「ブラジル民謡組曲~5曲」、「ショールス第1番」。他に「ギター協奏曲」、および若干のギターを含む作品となっています。ギター独奏曲だけに限定すれば、ちょうどCD1枚に収まってしまいます。

 しかしその「CD1枚分」のギターの作品はどの曲もたいへんよく演奏され、ほとんど演奏されない曲というのはありません。同時代の作曲家のテデスコや、モレーノ・トロバ、ポンセなどもギターの作品をかなり作曲していいて、よく演奏される曲もたくさんありますが、その一方でほとんど演奏されない”可哀想な”曲も結構あります。そういった点ではヴィラ・ロボスの場合は”無駄”がほとんどなく、とても効率的な作曲と言えるかもしれません。
 


意外かも知れませんが

 ヴィラ・ロボスはギターの作品だけ作曲していたわけではなく、オーケストラ曲や室内楽、ピアノ曲なども作曲していたということは皆さんもご存知と思います。しかし美しいアリアで有名な「ブラジル風バッハ第5番」などを除けば、そうしたヴィラ・ロボスのギター曲以外の曲をよく聴くとか、聴いたことがあると言う人はそう多くはないでしょう。

 Wikipediaによれば、「ヴィラ・ロボスには1000曲近くに及ぶ作品があり、その全貌を捉えることは容易なことではない」と記されています。交響曲が12曲、弦楽四重奏曲が17曲と、それらだけでも数の上ではベートーヴェンを上回っています。私たちには意外とピンとこない話ですが、ヴィラ・ロボスはかなりの多作家だったようです。



最近取り寄せたCD

 ちょっと前まではそうしたヴィラ・ロボスの交響曲とか弦楽四重奏曲などはあまり市場には出されていなかったのではないかと思いますが(私が知らなかっただけ?)、最近ではインターネットなどでかなりのCDが入手可能になっています。そこで最近以下の写真のように目に付いたものを取り寄せて見ました。


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上段 交響曲全集 第1番~第12番(第5番を除く)  7枚

中段左 ヴァイオリン・ソナタ集 第1~3番   1枚

中段中 フルートのための作品   1枚

中段右 ピアノ協奏曲集 第1~5番   2枚

下段左 ショールス集(1~12番)、ブラジル風バッハ(1~9番)、ギター独奏曲集   7枚

下段右 弦楽四重奏曲集 1~17番    6枚


 もちろんこれでもまだまだヴィラ・ロボスの全作品の一部と思いますが、これだけでも聴くには結構な量です。ピアノのための作品もかなりあると思いますが、今のところ単売のものしかないようで、いずれ全集が出てから取り寄せようと思っています。またヴィラ・ロボスの自演のCD(ショールス集、ブラジル風バッハ集)もあるようですが。

 

ヴィラ・ロボスの生涯については

 ヴィラ・ロボスについての詳しいことはWikipediaなどで調べていただければと思いますが、一応簡単にまとめておきましょう。ヴィラ・ロボスは1887年、ブラジルのリオデジャネイロの生まれで、幼少時より父や叔母などからピアノ、クラリネット、チェロなどを学びました。1923年~1930年はパリに留学していました。1959年に亡くなっています。

 現在残されている主な作品は1912年頃から作曲されたようで、初期の作品はメロデッィクで、長調、短調のはっきりしたロマン派的、あるいは古典的な作風ですが、次第にブラジルの民族的要素を意識したものになってきます。

 上記のとおりヴィラ・ロボスは複数の楽器が演奏できたようで、かなり器用な性格だったのでしょう。因みにギターに関しては独学のようですが、「前奏曲第1番」など低音弦を歌わせる曲が多いのはチェロを演奏していたことと関係が深いのかも知れません。



「ロボス」と呼んではいけない

 因みに、ヴィラ・ロボスのファースト・ネームは「エイトール」でセカンド・ネームが「ヴィラ・ロボス」です。決してファースト・ネームが「ヴィラ」でセカンドが「ロボス」ではありません。ヴィラ・ロボスのことを「ロボス」と呼ぶ人もいますが、これはあまりよくないようです。私のことを「ムラ」と呼ぶようなものかも知れません。


 次回からそれぞれのCDを紹介してゆきますが、今回はここまでにしておきましょう。
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