中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

 昨日(10月2日)ひたちなか市文化会館で「イソリスティ・イバラキ第40回演奏会」を聴きました。今回のゲストはNHKのトップランナーでも紹介されたバンドネオン奏者の三浦一馬さん。

 三浦さんは一昨年、史上最年少の18歳でピアソラ国際コンクールで準優勝したとのこと、バンドネオンなど、かつてはごく少数のタンゴ・ファンにしか知られていない楽器と言った感じがありましたが、最近ではこうした若く、優れた奏者もあらわれ、いっそう多くの人に聴かれるようになってゆくのかも知れません。


イソリスティ



 テレビや新聞などでも紹介されたこともあってか、会場はほぼ満席。いつも私たちがコンサートを行う時には100~150人程度なので、見慣れているこの会場もいつもとはちょっと違う感じです。

 そのせいか、前の方の席で曲の合い間にしゃべりだす女性。曲が静かに閉じようとしている時に鳴り出す携帯音。演奏中に携帯の画面を見る人・・・・ やむを得ないとは言え、鳴り止まない咳の音など、ギターのコンサートではあまりないことも起きます。




 今回のイソリスティ・イバラキは弦楽のみの編成となっていますが、メンバー表を見るとこれまでコンサート・マスターをしていた川又さんや飯塚さんが第2ヴァイオリンになって、コンサート・マスターには加藤直子さんとなっています。

 記憶違いでなければ加藤さんは、創が水戸芸術館のオーデションに初めて合格した時に、一緒に合格した人だったのではと思います。その時確かチャイコフスキーの協奏曲を弾いたと思いますが、朗々としたヴァイオリンの音が印象に残っています・・・・10年以上前の話ですが。



 プログラム前半は弦楽合奏で、フェラーリとロッシーニの弦楽のための曲。それぞれ作曲者が17才と12才の時の作品で、今日の若いゲストに合わせた選曲だそうです。

 後半はゲストの三浦一馬さんのバンドネオンとイソリスティの弦楽合奏によるピアソラの作品(オブリヴィオン、タンゴ・センセーション)です。演奏の前に指揮者の田口先生と三浦さんによるバンドネオンに関してのトークがあり、バンドネオンのソロでガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」が演奏されました。



 バンドネオンの演奏はたいへん難しいという話は前から聴いていましたが、ボタンの位置がばらばら並んでいる(音階順ではなく)だけでなく、蛇腹を開く時と閉じる時で、同じボタンを操作しても全く違う音が出て、左右も全然違うなど話を聴いているだけでも難しそうです。そうした高いハードルを乗り越えた人だけが、バンドネオン奏者となることが出来るのでしょう。

 バンドネオンの生演奏など事実上初めてですが、やはりすばらしい音、あるいは演奏でした。今日演奏されたピソラの曲はどちらかと言えばじっくりと歌わせる曲が中心でしたが、バンドネオンの高温域と低音域の音色の違いとかよくわかり、なんといってもリズムを刻むことにも、歌わせることにも、どちらも向いた楽器であることがよくわかりました。



 イソリスティ・イバラキの演奏も、その若いバンドネオン奏者をしっかりとサポートし、特にバイオリン、ヴィオラ、チェロとそれぞれソロで歌うところなど本当に美しく、とても楽しめました。アンコールとしてピアソラの「リベルタンゴ」が演奏されましたが、その後も拍手はなかなか鳴り止みませんでした。

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コメント
ブログ読ませていただきました
ヴァイオリンの加藤直子です。

昨日はイ・ソリスティの演奏会にお運びいただきましてありがとうございました。
ご子息の創さんとは、芸術館のオーディションでご一緒でした!ずいぶん前のことで、懐かしいです。

昨日は野次を飛ばすお客様がいらして、こちらとしても、残念な思いをしましたが、後半は比較的おとなしくなさっていたので、バンドネオンがお気に召したのかしら?と勝手に思っております。

コンマスは、数年ほど前から川又さんと私が交代で務めております。飯塚さんは退団されましたが、時折、お手伝いに来てくださったいます。

また機会がございましたらい・ソリスティの演奏会にお運びいただけますよう、お願い申し上げます。突然失礼致しました。
加藤
2010/10/04(月) 00:10:42 | URL | 加藤直子 #-[ 編集]
Re: ブログ読ませていただきました
 加藤直子(イソリスティ・イバラキのコンサートマスター)さん、コメントありがとうございます。思いもかけずに私のブログを読んでいただいて、さらにコメントもいただいて、とても嬉しいです。また勝手にいろいろ書いてしまいまして申し訳ありません。記憶違いかと思いながらも昔のことを書いてしまいましたが、どうやら記憶違いではなかったようですね。

 オーデションの時の話ですが、私はヴァイオリンの方は素人で、創の関係で、当時何回かオーデションを聴きましたが、さすがにオーデションを受ける人は皆上手で、聴いていても誰が通るにかということなど、ほとんど予想が付きませんでした。

 でもその時の加藤さんのヴァイオリンの音はとても印象に残りました。ヴァイオリンに関して技術的なことは全くわかりませんが、音は他の人と全然違うなと思いました。後で合格したことを知ってちょっと嬉しい気がしました。と言いつつも、その後加藤さんのリサイタルなど行ったことがないので、今度是非伺いたいと思います。

 また創のことも記憶していただいてありがとうございます。創はその後フランスに留学したのですが、残念ながらいろいろありまして、今はギターをやめて、コンピューター・ソフトの開発関係の会社に勤めています。一時期は鬱傾向になり、プロのギタリストになることをやめたということですが、今では若干落ち着いて、休みの日などには昔より楽しんでギターを弾いているそうです。なお現在は福岡県に住んでいます。

 先日のコンサートで、観客に関しては、若干残念なところもありましたが、それだけ、たくさんの人が聴きに来ていたということでしょう。とても楽しめたコンサートでした。田口先生もだいぶ元気になられたようですね。
2010/10/04(月) 21:28:46 | URL | 中村俊三 #-[ 編集]
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