中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

ブラジル風バッハ第4番

 この第4番はオーケストラ版とピアノ独奏版と2種類あるようです。このアルバムにはその両方とも入っており、「プレリュード」、「コラール」、「アリア」、「ダンサ」の4つの楽章から出来ています、ここではオーケストラ版についてのコメントを行います。

「プレリュード」は対位法的書法で書かれ、弦楽器群のみでゆっくりと演奏されます。確かに合奏協奏曲の緩叙楽章風です。

 「コラール」も同様に対位法的でゆっくり演奏されますが、管楽器も加わり、「プレリュード」よりは色彩的です。パーカッションが静かに一定のリズムを添えていますが、最後のほうではドラムなどの打楽器群がゆっくりとした歩幅で、力強く打ち叩かれます。

 「アリア」に出てくるメロディはギター曲の「練習曲11番」を思わせるものです。中間部ではテンポも速くなり、オーケストラも色彩的になりますが、同じメロディが使われています。

 「ダンサ」はもちろん舞曲的ですが、前の楽章のメロディが若干変形されながらも使われています。ヴィラ・ロボスの曲ではこのメロディと似たようなものはよく使われているようで、「ヴィラ・ロボス的」なメロディといえるのかも知れません。またこの曲は他の「ダンサ」のようにあまりシンコペーションを用いたブラジル的なリズムは使われておらず、どちらかと言えばバルトーク的な感じがします。



ブラジル風バッハ第5番

 この「第5番」は「アリア」と「ダンサ」からなりますが、ソプラノと、8本のチェロのための曲になっています。8本のチェロを用いたのは第1番同様で、このチェロの使用法はヴィラ・ロボスの代名詞といったところかも知れません。 


 特に「アリア」の方は、ヴィラ・ロボス自身によるソプラノとギターのためのバージョンもあり、私たちギターをやるものにとってはたいへん親しみのある作品です。キャスリーン・バトル(ソプラノ)とクリストファー・パークニング(アメリカのギタリスト)がこのバージョンを録音しています。



ヴィラ・ロボス 002

ソプラノとギターバージョンの「アリア」が録音されているCD。グラナドスの「ゴヤの美女」も収録されている。



 この「アリア」の前半は歌詞のない歌(ボカリーズ)になっていて、特にこの部分が美しく、有名です。中間部は詞が入りますが、ふるさとの夕暮れの美しさを歌っているのでしょうか。「ダンサ」のほうにもソプラノが入りますが、チェロは無窮動的な音形を刻んでいます。




 ブラジル風バッハ第6番

 第6番はフルートとバスーンによる比較的短い曲で、「アリア」と「ファンタジア」の二つの楽章からなります。「アリア」はフルートの細かいパッセージのあと、二つの楽器による対位法的な部分になりますが、バッハ風とか、バロック風といった感じでなさそうです。

 「ファンタジア」は「アリア」よりも動きのある楽章になっていますが、ギターの練習曲集に出てくるようなパッセージなど、いろいろな音形が出てきます。対位法的というより、「掛け合い」といった感じです。ブラジル的的要素も少ないようです。


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