中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

 今日(4月17日 日曜日)石岡市のギター文化館で谷島崇徳(ギター)、谷島あかね(ピアノ)さんのミニ・コンサートを聴きました。震災後初めてギター文化館に行きましたが、途中の道路では、時々段差でゴツンとなってしまい、やはり地震の影響は大きい。



 第1部 14:00~

ギター 
・ケルティックテイル  F.ハンド
・アストゥリアス    アルベニス(自編)
・カディス       アルベニス(リョベート編による自編)
・フェリシダージ    A.ジョビン

ピアノ
・グラナダ       アルベニス
・セビリヤ       アルベニス
・8つの演奏会用練習曲より
 プレリュード     カプースチン
 
デュオ
・はかなき幻影     佐藤弘和



 第2部 16:00~

ギター
・ケルティックテイル  F.ハンド
・セビリヤ       アルベニス(リョベート編による自編)
・カディス       アルベニス(リョベート編による自編)
・澄み切った空     シネーシ

ピアノ
・カディス       アルベニス
・アストゥリアス    アルベニス
・8つの演奏会用練習曲より
 トッカティーナ    カプースチン

デュオ
・はかなき幻影     佐藤弘和



 以上のようなプログラムですが、第1部、第2部ともそれぞれ1時間近いもので、たいへん充実した内容のコンサートでした。第1部、第2部とも一見同じような曲目なのですが、特にアルベニスについては、第1部ではギター(谷島崇徳さん)で「アストゥリアス」と「カディス」、ピアノ(谷島あかねさん)で「グラナダ」と「セビーリャ」を演奏したのですが、第2部ではギターで「カディス」と「セビーリャ」、ピアノで「カディス」と「アストゥリアス」と、お互いに曲目を入れ替えて演奏するという、かなり凝ったプログラミングです。


 谷島崇徳さんはもともとジャズやロックなどのポピュラー系の音楽をやっていたそうで、ジョビンなどのポピュラー系、ラテン系の演奏は得意で、またたいへんすばらしいものなのですが、今回アルベニスの演奏を聴いて、こうしたスペイン系(ご夫妻ともアルベニスはロマン派的な作曲家と言っていましたが)の音楽の微妙なニュアンスも表現できるギタリストであることが、あらためてわかりました。


 「アストゥリアス」は自らの編曲ということで、特に中間部は原曲をかなり忠実にトレースしたものになっています。また曲全体の取り組み方も、これまでの大ギタリストたちの演奏法を参考にするというより、直接アルベニスの音楽と向き合い、対峙している様子がうかがわれます。例の16分音符で駆け上がるエンディングが力むことなく優雅に、また美しく演奏しているのがとても印象的でした。


 「カディス」はリョベート編ということで、二長調(原曲は変二長調)での演奏ですが、バルエコ編などのイ長調版よりかなり難しい編曲です(私はこちらの方で演奏しています)。セビーリャは”リョベート編による自編”となっていますが、実質上は谷島さん自身の編曲と言ってよいでしょう。またアルベニスの演奏ではギター文化館所蔵のサントス・エルナンデスを使用していましたが、確かにすばらしい楽器です。


 アルベニスの曲は、もともとピアノ曲ですから、ピアノで聴くのは本来なら当たり前なのですが、実際にはこのように生で聴く機会はあまりないのではないかと思います。確かにCDではよく聴いているのですが、このようにライブで聴いてみるとまた違った印象があります。特に響きの点ではCDではよくわからないことがかなりあり、またギターと比べてみるとその違いもよくわかります。


 あかねさんのピアノで演奏された「グラナダ」と「セビーリャ」とではかなり違った響きに聴こえました。これらにはペダルの使用が大きく関係しているのでしょうが、ペダルを使用することのないギタリストにはよくわからないところでしょう。グラナダでは、音の余韻が長く、また豊かになっているのがうらやましいところですが、一方「アストゥリアス」はピアノでは結構弾きにくいのだそうです。それぞれ得意な分野が違うのでしょう。また楽譜に書かれている強弱記号も、こうしてピアノで聴いてみると確かに納得のゆくところです。ただしそれをそのままギターで再現することは難しいと思いますが。


 第1部、第2部とも最後に佐藤弘和さんのピアノとギターのためのオリジナル作品を演奏しました。ギターとピアノというのは以外と難しい組み合わせだと思いますが、とても自然で、美しいアンサンブルでした。アンコールとして崇徳さんのギター伴奏で、あかねさんの歌が披露されました(曲名は聴き取れず)。


 ミニ・コンサートとは言えないミニ・コンサートでした。
 
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