中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

<カーテン・コールの続き>

マルティン・ディラ (2008年録音 GFA1位)  ~美しい音、大作曲家に因んだ曲を演奏

新進演奏家 006

 スクリャービン、メンデルスゾーン、シューベルトといった大作曲家に因んだ曲とロドリーゴの作品をCDに収めています。ロドリーゴ(フェネラリーフェのほとりで)やタンスマン(スクリャービンの主題による変奏曲)ではたいへん美しい音を聴かせます。メンデルスゾーンの弦楽四重奏の一節が出てくるモウの曲も印象的で、ポンセの「ソナタ・ロマンティカ」では曲の内容が正しく伝わってくる感じです。



ラファエル・アギーレ・ミニャーロ (2008年録音 タレガ国際1位)  ~多彩に作品を弾き分けるスペインのギタリスト

新進演奏家 005

 このミニャーロについては、「スペインの香り漂う美しい音」と本文中では紹介しましたが、ルバートなどを多様したり、「弾き癖」が目立つギタリストではなく、むしろ端正な演奏と言えます。また「ソルとタレガの違いを際立てている」とも書きましたが、あらためて聴き直してみると、これはどの作品についても言え、その作品や作曲家ごとにかなり違ったアプローチをしているようです。CD全体は小品集的ですが、ジャック・イベールのギター独奏曲など珍しい曲も録音しています。



ガブリエル・ビアンコ (2009年録音 GFA1位)  ~広いエリアで勝負するフランスのギタリスト

新進演奏家 004

 楽器はグレッグ・スモールマン使用ですが、音量を押さえて始まる冒頭のメルツの曲では、19世紀の楽器のように聴こえます。他にバッハとコシュキンの曲を弾いていますが、音色や、細かいニュアンスにこだわるというより、音楽を大きく構成するタイプのようです。遅めのテンポのバッハの「プレリュード」など、たいへん息の長いクレシェンドをしています。



イリーナ・クリコヴァ (2009年録音 M.ピッタルーガ1位)  ~豊穣な音、歌心は母親のDNA?

新進演奏家 003

 冒頭のポンセの「ソナタ第3番」から圧倒的な響きの音を聴かせ、他のギタリストとの違いを際立たせています。このギタリストの演奏を聴いていると、この人が幼少時から恵まれた音楽環境の中でで育ってきたことが想像出来ます。フレージングやメロディの歌わせ方などは、チェリストである母親ゆずりなのでしょうか。確かにギター的というより、弦楽器的です。



フローリアン・ラルース (2009年録音 GFA1位)  ~魅力的なギタリスト、ただそれだけ

新進演奏家 001

 ラルースは1988年生まれということで、おそらく今回紹介したギタリストの中で最年少と考えられます。再三再四聴き直してみても上の「ただ魅力的な」という形容は確かに有効と感じました。レゴンディの「序奏とカプリッチョ」はやはり「なまめかしい」。ホセやダンジェロの作品は、このギタリストによってその魅力が最も発揮されるのでは。



オンドラス・チャーキ (2010年録音 M.ピッタルーガ1位)  ~コーノ使用、東京国際1位

新進演奏家

 河野ギターを使用し、2008年に東京国際ギター・コンクールで優勝するなど、日本とは何かと縁のあるギタリストです。バッハやテデスコ、ブリテンなどの難曲を余裕をもって正しく弾きこなす高い技術を持っていますが、同時にいろいろな面で「中庸を得た」演奏とも言えるでしょうか。「あっさりしょう油味」などと例えてしまいましたが、私個人的には、ラーメンはしょう油味です。



アドリアーノ・デル・サル (2010年録音 タレガ国際1位)  ~ストイックなまでに表現にこだわるギタリスト

新進演奏家 015

 何といっても6分もかけて演奏する「アラビア風奇想曲」が特徴的ですが、本当に1フレーズ、1フレーズ、また一音、一音の表現にこだわるような演奏です。タレガの曲の場合、作曲家の意図を表現するというより、自らの感性などを重んじているようです。モレーノ・トロバやロドリーゴの曲もすばらしいが、きめ細かい表現をしたソルの「幻想曲作品7」は出色。
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