中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

似ている曲でも「月光」ではアポヤンド奏法は使わない

 前回アルペジオに乗せて歌わせるタイプの「愛のロマンス」では、私の場合薬指と、親指はほとんどアポヤンド奏法で弾いているということを言いました。しかし似たタイプの曲「月光」ではアポヤンド奏法は使いません。その理由として、この曲ではメロディは薬指ではなく、主に中指で弾くということで、中指については私でもステージで不安定になることはあまりありません。また時折出てくる薬指もアル・アイレ奏法で弾いています。

 また音量的にも中指は大きな音の出せる指なので、バランス上も問題ありません。またソルの時代にはアポヤンド奏法は使われなかったということもあります。 ・・・・と言いつつも結構反則を犯していますが。


弦を押し付けるようにして

 また音楽の内容からして、「愛のロマンス」のようにメロディにウエイトが偏ってなく、ハーモニーが重要と言うことも出来ます。。因みにアル・アイレ奏法で大きく、膨らみのある音を出すには、指先を表面版方向に弦を押し付けるようにして爪に深くかけ、手のひらの中心部に弦を”握り込む”ようにして弾きます。



速いアルペジオの曲

 再びアポヤンド奏法の使用例になりますが、今度はかなり速いアルペジオの例です。曲はメルツの「吟遊詩人の調べ作品13」の中から「フィンガルの洞窟」のアルペジオ部分です。速いアルペジオにより、轟々という洞窟に響き渡る波の音を表しているのでしょう。


ブログ 001


 「Allegro」と指定された6連符のアルペジオですが、おそらく1拍をメトロノームで100~120/mくらいの速度を想定しているのではと思います。このスピードは16分音符に換算すれば150~180/mとなりますからかなりの速さです。前回同様に、私の場合は○印の付いた音、つまり親指と薬指はほぼアポヤンド奏法で弾いています。



”見た目”では判らない

 この速度ですとアポヤンド奏法の使用はかなり難しいのですが、私の場合は結果的にこのほうがようようです。アポヤンド奏法といってもフォーム的にはアル・アイレ奏法とほとんど変りません。特に親指は見た目ではどちらで弾いているか区別は付きません。自分でも指先の”感触”でわかるだけで、”目”では判別出来ません。要する弾いた後、に次の弦触れるか、触れないかだけです。



アル・アイレ奏法が上手くない理由?

 薬指のほうもあまり違いはありませんが、よく見るとアポヤンドのほうが動きが小さく、アル・アイレの方がやや(特にフォロー・スイングが)大き目のようです。もしかしたらそのことと、私がアル・アイレ奏法があまり上手くないのと関係があるかも知れません。 



アルペジオの響きの中から主旋律を浮き上がらせるために

 この曲は大雑把に言えば、ppで始まり、ffで終わると言った感じの曲で、その音量の違いがあるほど迫力ある曲になるといった感じの曲です。譜例の挙げたのはその出だしのppの部分で、確かにすべてアル・アイレ奏法でもよいのですが、すべてアル・アイレ奏法だとなかなか主旋律とアルペジオとの音量や音色の差が付けにくい感じがします。

 主旋律(1弦の)にアポヤンド奏法を用いることにより、逆にアルペジオ部分の音を抑えることも出来、そのアルペジオの響きの中から主旋律を浮き上がらせることが出来ると思います。また低音にもアポヤンド奏法を使うことにより響きに”おもし”を付けることが出来、響き上の安定感も出ます。



後半はさらに速くなるが、親指のみアポヤンド奏法

 譜面はありませんが、この曲は後半からは高音よりも低音の方が主となり、1弦の音も主旋律ではなく単なるアルペジオの音の一つとなる場合が多くなります。したがって、曲の後半からはアポヤンド奏法は親指のみとなります。

 さらに終わり近くではアルペジオが6連符ではなく、32分音符となり、アポヤンド奏法は難しくなりますが、それでも私の場合親指はアポヤンド奏法で弾いています。この曲のエンディングではぜひとも音量はほしいところです。親指をアポヤンド奏法にすることにより、前述のとおり響きが安定するだけでなく、右手自体も安定して(右手の上下動などが少なくなる)音抜けなども少なくなります。



 ****「親指はアポヤンド奏法で弾いたほうが安定する」 というのはかなり個人差があって、アポヤンド奏法を使うといっそう上下動が激しくなってしまう人も少なくありません。私の場合、親指の付け根の間接が内側に入り込んで、人差し指に対して90度くらいの角度にすることが出来ます。

 指の骨の形や付き方などにに関係があるのでしょうが、左手ではそれほど上手くできませんからある程度は訓練のたわものでしょう。また親指はこの付け根の間接だけで(他の部分を全く動かさずに)自由に動かすことが出来、その動きだけでアポヤンド、アルアイレの使い分けや、消音などを行なっています。また必要があれば先端の方の間接を動かすことも出来ます(和音を弾く時、低音の響きを重厚にしたい場合に使う=軽くしたい場合には使わない)



大聖堂の終楽章 

 次はおなじみ「大聖堂」の第3楽章です。この曲(この楽章)もほぼアルペジオで出来ています。難曲の一つと言われ、技巧的で華やかな曲というイメージがありますが、意外と”華やかに”弾くのは難しい曲で、一つ間違えればそれこそ”すべって”しまいます。この曲を華やかな曲、あるいは迫力ある曲に聴こえるように弾くには、かなりの技術が必要でしょう。


ブログ

 基本的にはほとんどアルアイレ奏法で弾く曲でしょうが、譜例のとおり、私の場合はアポヤンド奏法を適度に混ぜながら弾いています。それにより右手の安定、さらには曲全体の安定を図っています。私の技術では、アル・アイレ奏法で、すべての音を期待通りの音量や音質で弾くことはかなり難しいことです。



絶対に外せない音がある!

 譜例の後続の部分でも各所でアポヤンド奏法を使っていますが、時にエンディングは絶対に音を外したくないので(そう思ってもよく外れてしまいますが)、アルペジオの最初の音など、かなりアポヤンド奏法を使っています。もちろん私のこうした方法は誰にでも薦められるものではありません。当然それぞれの人に合った方法があるでしょう。



 
スポンサーサイト
コメント
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する