中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

今日(12月4日)ギター文化館で角圭司ギター・リサイタルを聴きました。プログラムは以下の通りです。


ソル : モーツアルトの主題による変奏曲
タレガ : アデリータ
    : アランブラの想い出
    : マリエータ
ブローウェル : 11月のある日
   (以上 アントニオ・トーレス 使用)


ヴィラ・ロボス : 前奏曲第5番、第1番
バリオス : 大聖堂
   (以上 マルセル・バルベロ 使用)

   
      ・・・・・休  憩・・・・


バッハ : プレリュード、アレグロ、フーガ
藤井敬吾 : 羽衣伝説
   (以上 田邊雅啓 使用) 


 プログラムの前半は館所蔵の銘器を用いての演奏でした。冒頭に演奏された「モーツアルトの主題による変奏曲」は角君自身でも演奏する機会も多い曲と思われますが、序奏はともすれば音価が乱れがちな部分ですが、もちろんそういった点は全くありません。「主題と変奏」に入ってからは全体に速めのテンポで、あまり癖のないすっきりとした演奏です。

 「アランブラの想い出」もかなり速めのテンポながら、とても粒の揃った美しいトレモロです。一般には難しいとされる「大聖堂」の第3楽章も、角君の演奏ではそのようなところは全く感じさせず、力強さの一方で、軽々とした感じさえする演奏でした。


     ブログ



 でもやはり圧巻は後半のプログラムだったでしょう。ギターで演奏するバッハの曲としては難曲に含まれると思われる「プレリュード、アレグロ、フーガ(BWV998)」も、やはり全体に速めのテンポをとりながらもほとんど形を崩すことなく演奏していました。プレリュードでは和声の変化、フーガではアーティキュレーション、アレグロではバスの流れなどに気を配った演奏と思えました。見事なバッハだと思いました。




 藤井敬吾作曲の「羽衣伝説」についてはなかなか一言では説明しきれませんが、いろいろな意味で”新たなギターの演奏法と音楽を開拓した曲”と言える曲だと思います。まだこの曲を聞いた事のない方は一度聴いてみるか、あるいは”見て”みて下さい。

 沖縄地方の「羽衣伝説」をもとに作曲されたこの曲は、始めから終わりまで特殊奏法の連続といった曲です(チューニングも特殊)。普通ギターは「左手で弦を押さえて、右手で弦を弾く」楽器ということになっていますが、そんな常識はこの曲では通用しないようです。

 右手と左手が全く別なことをし、また別な音を出すという箇所もかなりたくさんあります。例えば右手でハーモニックス奏法を行ないながら、左手は別の弦をハンマーリングで音を出すとか、左右の手で交互にラスゲヤードを行なうなど、これまでのギター演奏の常識を遥かに超えた作品であるのは間違いありません。

 角君自身はいつもは「短縮バージョン」で演奏しているとのことですが、今日は「フル・バージョン」での演奏でした。10数分はかかる曲ですが、今日の演奏ではその長さは全く感じられませんでした。また藤井氏へのリスペクトも感じとれる演奏でした。



 アンコールとして以下の曲が演奏されました。

ハーライン : 星に願いを
ディアンス : タンゴ・アン・スカイ
タレガ : ロシータ
バリオス :クリスマスの歌
スポンサーサイト
コメント
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する