中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

ドイツ・グラモフォンの3枚のショパン・アルバム

 今回紹介するアルゲリッチのCDは、ショパン・アルバムですが、一般的に、アルゲリッチの演奏のうちで最も人気が高いのは、何といってもショパンの演奏でしょう。1965年のショパン・ピアノコンクールに優勝して一躍世界に名が知れるようになったアルゲリッチとしては、ショパンの演奏はアルゲリッチの代名詞とも言えるものでしょう。

 アルゲリッチがドイツ・グラモフォンに録音したショパンのアルバムは1967年、1974年、1975年に録音した3枚があります。1967年の録音は「ソナタ第3番」と「幻想ポロネーズ」、「英雄ポロネーズ」、「3つのマズルカ作品59」。1974年のものは「ソナタ第2番」、「アンダンテ・スピナートと華麗なるポロネーズ」、「スケルツオ第2番」。1975年は「24の前奏曲」他となっています。


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ソナタ第3番、幻想ポロネーズ作品61、ポロネーズ第6番作品53「英雄」、3つのマズルカ作品59
1967年ミュンヘン録音




ショパン・コンクールの2年後

 アルゲリッチがショパン・コンクールに優勝してから2年後に録音したもので、LP時代からたいへん多くのファンに聴かれた録音だと思います。ショパン・コンクール優勝の勢いさめやらぬ演奏と言えるでしょう。

 ソナタ第3番の第1楽章は両主題の性格の違いが際立つ曲ですが、ほの暗い情熱の第1主題に対して、第2主題は心行くまで歌わせる感じです。走り抜けるような第2、第4楽章とノクターンのような第3楽章とこの曲はアルゲリッチにはよく合っているように思います。


何か、シューベルトに似ている?

 ところでこの第4楽章のテーマは何となくシューベルトの曲を思い起こさせます。このテーマの旋律の動きがシューベルトの曲の中にあたっような気がするのです。そういえばあまり演奏されないショパンの「ソナタ第1番」はもっとシューベルトに似ているような気がします。あまり話としては聴いた事がないのですが、ショパンはシーベルトから強い影響を受けているのでしょうか?

 両ポロネーズ(幻想、英雄)は、定規で測ったようなポリーニの演奏(私自身よく聴いた演奏ですが)から比べれば、柔軟を感じる演奏です。ここでのアルゲリッチは、いつもの情熱的な演奏というより、気持ち距離をおいて演奏しているように感じるのは気のせいでしょうか。



隠れた(?)名演

 「3つのマズルカ」は他の曲に比べるとあまり派手な曲ではありませんが、じっくり聴くと本当に名演奏だと思います。3曲の個性の違いを際立たせているのもさることながら、部分部分の表情やイメージの変化は他のピアニストのものとはだいぶ異なるように思います。

 そういった違いを私にはよく説明できませんが、具体的に言ってもリズムやテンポの柔軟性、ダイナミックの微妙な変化、及び大胆な変化、そういったものは聴けば誰にでもわかることかも知れません。

 録音に関しては、1960年代の録音なので、最新のものと比べれば多少違和感のあるところもありますが、問題というほどでもありません。
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