ショパンどころでは・・・・
「この季節はショパンが・・・・」などと言っていたら、その後台風が来たり、また猛暑が戻ったり、雨が続いたりと、爽やかな季節とはほど遠い感じになってしまいました。ブログの更新のほうもやや滞り気味になりましたが、今度の17日と29日のコンサートの練習に追われています。
前にちょっと触れたとおり、これからこの「バッハのシャコンヌ」について書いてゆきます。アストゥリアス同様、長くなってしまうかもしれませんが、この曲を弾いてみようと思ってる人や、実際に練習している人にはなんらかの役に立つものとは思いますので、ぜひ読んで見て下さい。また特に興味のない人も「ギターで弾く」名曲の一つとして、最初の方だけでも読んでみて下さい。
3拍子
本来演奏家というのは、言葉で語るのではなく、当然演奏することによってその音楽の内容を聴き手に理解させられなければなりません。ですから私の場合も「今度のコンサートに来ていただければ、シャコンヌのすべてがわかります」と言いたいところなのですが、残念ながら私の演奏ではどうがんばっても「すべて」をわかっていただけるはずもないので、邪道とは知りつつ言葉で語ってしまいます。
このバッハのシャコンヌはクラシック・ギターをやる人にとっては人気曲の一つであるのは間違いなく、アストゥリアスのところでも触れましたが、かつて私の教室でやった「ギター名曲ベスト10」では、この曲は元々ギター曲ではないにもかかわらず、第9位に入っていました。しかし一方で、特にこの曲が好きでない人にとっては「長い、難しい、退屈」と3拍子揃っていて、もっとも聴きたくない曲のひとつかも知れません。もちろんシャコンヌは「3拍子」の舞曲です。
生返事
私が最初にこの曲を聴いたのは、大学に入ってすぐの時で、親しくなったばかりのギター部の仲間に誘われてピアノのリサイタルを聴きに行った時です(日本人の男性ピアニストでしたがその名前は思い出せません)。コンサートの内容はほとんど覚えていませんが、プログラムにバッハのシャコンヌ(ブゾーニによるピアノへの編曲)でがあったのは確かで、その友達に「シャコンヌやるから行かないか」というように誘われた記憶があります。他にショパンの曲などもあったと思いますが、これも皆初めて聴く曲ばかりでした。
私にとってはコンサートを聴きに行くなどということは、この時が初めての体験で、あまり聴きに行きたいとは思わなかったのですが、ギターをやっている以上、聴きに行かないとまずのかなといった気持ちで付いて行った気がします。本格的なピアノの演奏も初めて聴き、その音がやたら大きく聴こえたのを覚えています。曲の方などは、どれがどの曲なのかさっぱりわからず、シャコンヌがどんな曲だったかも全く記憶に残りませんでした。ただショパンの曲だけは美しいと感じた記憶があります。コンサートが終わってからその友達に「どう、シャコンヌはすげえ曲だろう」と言われて、とりあえず「うん、うん」と生返事するのが精一杯でした。
その後もギター部内でシャコンヌという曲名を時々耳にするようになり、レコードを買ったり(アルトゥール・グリュミオーのヴァイオリン)、イエペスのレコードを部員から借りたりして聴き始めました。私がこの曲に興味を持ち出したのはまさに「長い、難しい、退屈」ゆえにということになるでしょう、なぜこんな曲が名曲とされているのか、また人気があるのか、その理由が知りたい、というのが最大の理由だと思います、ちょっと不純な理由ですが。動機はなんであれ聴いているうちに少しずつこの曲の魅力なども感じとれるようになり、いつしか自分でも弾くようになりました。

