中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

 今日=1月15日(日) ひたちなか市のアコラで北口功ギター・リサイタルを聴きました。プログラムは以下のとおりです。


バッハ : ロンド風ガボット

ソル : グランド・ソナタ第2番作品25

シューベルト~メルツ編 : 「郵便馬車」、「セレナーデ」、「仮の宿」、「影法師」

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ファリャ : ドビュッシーの墓に捧ぐ

アントニオ・ホセ : ソナタより第2、第3楽章

モンポウ : コンポステラ組曲より「ゆりかご」、「レシタテーヴォ」、「カンション」

アルベニス : 「アストゥリアス」、「カタルーニャ奇想曲」、「セビージャ」



前半は松村雅亘の楽器による古典、およびロマン派の作品

 プログラムの前半は松村雅亘、後半はアルカンヘル・フェルナンデスの楽器を使用して演奏されました。オードブル代わりに、バッハの小粋なガボットから始まりましたが、松村氏の楽器はすっきりとした、クリヤーな音がします。

 次のソルのソナタは4楽章からなる充実した作品。北口さん自身も「私のギター・ライフの『課題曲』の一つ」とプログラムに書いています。この曲はソルのもう一つの4楽章形式の作品22のソナタと比べても、いっそう内容の濃い作品だと思いますが、そのハ短調の重厚でやや難解とも言える第1楽章にも、北口さんの演奏では起承転結が付けられています。

 このソナタの中心楽章とも言える第2楽章の「アレグロ・ノン・トロッポ」の展開部ではギター曲としては異例なほど転調を繰り返し、遠い調まで行っていて、もちろん技術的にも難しい曲です。この重厚で内容の濃い冒頭の二つの楽章からすると、終楽章はあっけないほど軽いメヌエットとなっていますが、北口さんは「第3楽章の主題と変奏のコーダ的なものと考えた方がよい」と言っていました。

 次のシューベルトの4つの歌曲はリスト~メルツ編ということで、かなり技術的には難しい編曲です。有名な「セレナード」も対旋律を加えるなど、なかなか一筋縄では行かない編曲となっています。北口さんの演奏では郵便馬車など、明るく弾んだ部分から、一気に暗い心境に変化するなど詞の内容が伝わってくるように感じました。



後半はアルカンヘルにより、スペインの作品

 後半はアルカンヘル・フェルナンデスにより、スペインの作曲家の作品が演奏されましたが、このアルカンヘルは、なかなか深い響きの楽器だと感じました。スペイン的な響きとも言えるでしょうが、とても自然な響きでもあります。

 ホセのソナタは中間の二つの楽章が演奏されました。4つの楽章の中ではどちらかと言えばあまり目立たない楽章ですが、このように聴くと、やはりニュアンスに富んだ曲だと感じます。またこのようにモンポウの曲と続けて聴くと、何か共通したものがあるようにも感じられます。

 最後はアルベニスの3曲ですが、プログラムに書かれている「シューベルトの延長とも言える明晰な詩情」、「血がしたたり落ちるかのような真剣さ」、「『許し』を含んだ底抜けの笑み」というのは、それぞれ「カタルーニャ奇想曲」、「アストゥリアス」、「セビージャ」のことでしょうか。
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