中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

バッハ : シャコンヌ 3




今日はたいへんありがとうございました

 今日ギター文化館でミニ・コンサートを行いました。 季節外れに暑い日でしたが、いつもながらにわざわざ聴きに来ていただいた方々、本当にありがとうございました。

 今日はこの「シャコンヌ」を20数年ぶりに弾いたので、いつになく汗をかいてしまいました。 「無事」といってよいのかどうか一応弾き終えて今は少しほっとしています。 もう少し「ちゃんと」弾きたかった部分もありましたが、相変わらず楽器(ハウザーⅢ)はよく鳴ってくれたと思います、会場の要因が大きいのでしょうが。

 また29日にアコラで弾きますが、少しずつ前進してゆければと思います。

 ではまた「シャコンヌ」の話に戻ります。




各変奏が有機的に結びついている

 一般的に変奏曲というのは変奏の順などはそれ程重要でないことが多いようです。もちろん似たような変奏は続けないとか、最後はなるべく華やかにとかはありますが、場合によっては変奏の順序を変えて演奏してもそれ程内容が変わらないものもあります。

 実際に変奏の順を入れ替えたり、省略したり、また新たに付け加えて演奏することもあったようです。 しかしこのシャコンヌの場合、そうしたことは全く考えられません。

 この曲では、各変奏が曲全体の構成に有機的に結びついており、その一部分でも入れ替えたり、省略は不可能と言えます。



一つの生命体

 前回、この曲は 「8小節のテーマと30の変奏」 と言いましたが、確かに形としては8小節の主題なのですが、和声進行的には4小節単位で出来ており、バッハとしては4小節単位で考えていることが多いようです。

 この4小節がこの曲の最小の単位となっていて、この曲を細かく見てみると、多少大袈裟かも知れませんが、最も連想させられるのは人間などの生命体ではないかと思います。

 その基本的に同じ低音を持つ(例外もありますが)4小節が生命体の場合の「細胞」にあたり、その細胞がいくつか集り「組織」を成し、「組織」がさらに集って「器官」となり、そして一つの生命体となる、そんな感じがします。 またその「細胞」が用途に応じていろいろと変化してゆくことも生命体によく似ています。



パッサカリアやサラバンドに似ている

 音楽辞典などにはシャコンヌとは「スペイン起源の3拍子のゆるやかな舞曲で、バロック時代ではしばしばバス(低音部)に主題を持つ変奏曲として作曲された」と書いてあります。

 ついでに「スペイン起源の3拍子のゆるやかな舞曲」と言えば、パッサカリアにも同じような説明があり、「スペイン起源の3拍子のゆるやかな舞曲」であるサラバンドにもよく変奏が付きますから、これらは大雑把に言えば大体同じものと考えられます(厳密には違う点もあるもでしょうが)。



ゆるやかな舞曲 = 変奏曲

 これは私の勝手な推測ですが、「ゆるやかな舞曲」は、なぜ「変奏曲」になってしまうかと言うと、「舞曲」であるからには一定の時間演奏していなければなりませんから、どうしても曲を繰り返す必要が出てきます。

 その時ずっと同じものを繰り返すのでは演奏者も踊り手も退屈になってしまいます。その曲が「ゆっくり」である場合は特にそうなので、演奏者は普通繰り返しの時、いろいろ装飾を加えてゆきます。

 その時、あまり勝手にいろいろやったのでは音楽にならなくなってしまいますから、とりあえず「低音」だけは同じにしておき(低音が決まるということは和声進行が決まるということになります)、その低音に合う音をいろいろ付け加えていったのではないかと思います。

 それらの即興で行っていたものをあらためて譜面に書いたものが、結果的に「変奏曲」になったものと考えられます。  そうしたことから、結局 「ゆるやかな舞曲」 は 「変奏曲」 にならざるを得なかったと考えられるでしょう。

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