中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

昨日(10月19日)横浜市鶴見サルビア・ホールで松田晃演ギター・リサイタルを聴きました。プログラムは以下のとおりです。


L.S.ヴァイス : ロジー伯の墓に
F.ソル : 練習曲作品31-19、 作品35-22、 アンダンティーノ二短調
ポンセ=バッハ : 前奏曲二長調
M.M.ポンセ : 小さなワルツ、 南のソナチネ


スペイン民謡 : 聖母の御子、 プラニー、 レオネーサ
F.M.トロバ : アルバータ
M.C.テデスコ : つばめ、 夕べの鐘~「プラテーロと私」より
F.タレガ : アデリータ、 メヌエット、 パバーナ、 アラビア風奇想曲
I.アルベニス : サンブラ・グラナディーナ、 セビーリャ

 *アンコール曲 ラグリマ(タレガ)、 前奏曲(バッハ~チェロ組曲第3番)


ブログ 081


もうすぐ80歳

 松田先生のリサイタルは、これまで1973年、1980年に聴いていて、今回32年ぶり3回目となります。プロフィル等に先生の生年月日が出ていないので、はっきりとはわかりませんが、先生からのメールによれば、もうすぐ80歳になるのだそうです。


IMGP0145.jpg

横浜市鶴見サルビア・ホール  演奏中は撮影出来ないので休憩中にステージだけを撮影


足取りも軽く、情熱的な演奏

 しかしステージ上での軽やかな足取りからはほとんど年齢は感じられません。最初の曲はバロック・リュートの名手、レオポルド・シルビウス・ヴァイスが書いた知人の死を悼む曲ですが、松田先生の演奏はこの冒頭の曲から力強く、情熱的な演奏です。

 この最初の曲からして、見事に予想を裏切られました。先生の年齢からして、また曲の内容からして静かな、落ち着いた演奏を勝手に想像していたのですが、30数年ぶりに聴く松田先生の演奏は、とても熱く、また表情豊かで、音色の変化に富む演奏でした。


右手のポジションを12フレット付近からブリッジまで変えて音色の変化を出す

 特に、音色の変化などはかなり大胆に行なっていて、右手は12フレット付近からブリッジまでかなりの範囲を行ったり来たりしています。またかなり力を込めて発する音も目立ちます。時には多少のトラブルもものともせず、音に気持ちを込めているようにも思えます。



ポンセのすばらしさはセゴヴィア譲り

 今日のプログラムにはポンセの曲が3曲入っていますが、やはりポンセの演奏にはすばらしいものがあります。まさにセゴヴィア譲りと言うべきでしょうか。因みに「南のソナチネ」の第2楽章は本来の第2楽章です(ソナタ第3番の第2楽章ではなく)。


かつてレッスンの合間にに弾いていたアルバータが記憶に残っている

 トロバの「アルバータ=特性的組曲より」を聴くと、東京の目黒でレッスンを受けていた時、松田先生がレッスンの合間に冒頭の部分を弾いていたのを思い出します。とても切れのよい演奏です。「プラテーロと私」はやはり名曲、特に「夕べの鐘」はとても美しく演奏されていました。


アントニオ・トーレス使用

 楽器はトーレスを使用していますが、同じトーレスでもギター文化館のトーレスとはだいぶ違う感じで、特に低音など重厚な響きがします。私がレッスンを受けていた時は、先生はホセ・ラミレスⅢ世を使っていて、その後ハウザーⅡ世になり、現在はアントニオ・トーレスということで、私自身ではこの3つの楽器とも先生のリサイタルで聴いたことになります。

 この中ではやはり最初に聴いたというか、レッスンでも使われていたラミレスⅢ世が一番印象的でした。最初にレッスンを受けたとき、単なる開放弦がとても美しい音で鳴らされ、とても驚きました。当時は開放弦は汚い音に決まっていると思っていました。


相変わらず強い表現意欲、まだまだご活躍

 こうして30数年ぶりに松田先生の演奏を聴いてみると、若い頃感じた印象とちょっと違った点も感じましたが、先生のとても元気な姿、そして相変わらず強い表現意欲を改めて感じました。まだまだご活躍なされることと思います。




スポンサーサイト
コメント
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する