中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

アンダンテ ~無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番より


バッハ壮年期の作品

 最初の曲は「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番イ短調BWV1003」の第3楽章の「アンダンテ」です。バッハの無伴奏ヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティータは、遅くとも1720年までには、つまりバッハ35歳までには作曲されたようです。

 あえて「無伴奏」としているのは、当時のヴァイオリン・ソナタは、通常チェンバロ、及びチェロなどによる通奏低音を伴うからです。1台のヴァイオリンで通奏低音の分も弾いてしまおうという訳ですから、当然演奏も、また作曲も難しくなる訳です。


誰がこの難曲を弾いた?

 もちろん、これらの難曲を当時のヴァイオリニストが誰でも演奏出来たわけではないでしょう。そこで誰が演奏するためにこの曲が作曲されたかということですが、バッハ自身が演奏するためと言う説が有力のようです。オルガンやチェンバロの名手として知られていたバッハですが、ヴァイオリンの腕も普通ではなかったようです。


バッハ自身の編曲によるチェンバロ版もある

 この「ソナタ第2番」はバッハ自身のチェンバロのための編曲(二短調)もありますが、この編曲はバッハ自身のものではないという説もあるようです。しかしバッハはこれらの無伴奏ヴァイオリン・ソナタなどをチェンバロでも演奏していたという証言は残されているようです。


ブログ 086
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番のチェンバロ版の冒頭部分 =旧バッハ全集より。
新バッハ全集ではBWV964とされている。



第2楽章「アンダンテ」は協奏曲の第2楽章のようなメロディックな曲

 プレリュード、フーガ、アンダンテ、アレゴロの4つの楽章からなる曲ですが、この第3楽章「アンダンテ」はハ長調で、8分音符で刻まれる低音の上にメロディが載るという、協奏曲の第2楽章のようなメロディの美しい曲になっています。

 ギターへの編曲は、古くはアンドレス・セゴヴィアのものなどがあり、最近ではいろいろなギタリストがこの「ソナタ第2番」全曲をギターにアレンジして演奏しています。今回演奏するのは私自身の編曲で、ヴァイオリンの譜面を全くそのままでもギターで演奏可能ですが、所々低音をオクターブ下げ、装飾音等を若干添えています。


1曲目にふさわしい、美しく、落ち着いた曲

 特に繰り返しの2回目ではチェンバロの譜面のほうを参考にし、ヴァイオリン版とチェンバロ版の両方が味わえるようにしてあります。とても心落ち着く美しい曲で、バッハのコンサートの開始を飾るのに、とてもふさわしい曲と思います。なお、調は原調のハ長調です。
スポンサーサイト
コメント
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する