中村俊三 ブログ

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パルティータロ短調 ~無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番BWV1002
 Ⅰアレマンダ  Ⅱコレンテ  Ⅲサラバンダ  Ⅳテンポ・ディ・ボレア



 前の曲の「アンダンテ」と同じく無伴奏ヴァイオリンのための曲からですが、こちらは「パルティータ」の方で、パルティータは基本的に舞曲が中心となります(例外もあるが)。


イタリア語で曲名表記

 バッハは曲名を、主にイタリア語で表記しますが、時にはフランス語の時もあります。このパルティータ第1番は、上記のようにイタリア語で表記されていますが、普通は、どちらかと言えばフランス語の「アルマンド」、「クーラント」、「サラバンド」、「ブレー」のようにフランス語で表記し、呼ぶことが多いです。また「アルマンデ」、「クーランテ」、「サラバンデ」とドイツ語で呼ぶこともあります。


「コレンテ」と「クーラント」はちょっと違う

 これらは国によって若干綴りや発音が違うだけですから、特に違いはないのですが、ただしバッハの場合、イタリア語の「コレンテ」とフランス語の「クーラント」とは、厳密には別な舞曲と考えているようです。

 「コレンテ」というのは「走る」といった意味の言葉に由来する4分の3拍子の速い曲、「クーラント」のほうは付点音符を多用した8分の6拍子の舞曲で、多くの場合部分的に4分の3拍子となります。

 ギターでよく演奏されるバッハの曲のうち、「コレンテ」に相当するのは、この「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番」のものと、「無伴奏チェロ組曲第3番」などのものがあります。「クーラント」に相当するのは「リュート組曲第1番」などです。


本来はドゥーブル(変奏)が付いているが

 この「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番」は、本来この4つの舞曲の後に、それぞれ「double」と記された変奏が付いています。今回の私の演奏ではそれらは省略して、それぞれの舞曲本体のみを演奏します。ドゥーブルを省略した最も大きな理由は、技術的に難しいからということで、本来オリジナルどおりドゥーブルも付けた形で演奏することのほうがベストであるのは間違いありません。


曲の特徴は出しやすいかも

 あえてドゥーブルを省略することの利点としては、舞曲本体のみを4曲弾くことにより、それぞれの特徴を際立たせることが容易になると思います。また曲としてコンパクトになり、より聴きやすくもなるのではと思います。


バッハにとってはロ短調は特別な調

 この曲はギターではそれほど使われないロ短調という調になっています。バッハにとってはこのロ短調は特別な調と言われ、「ミサ曲ロ短調」、「管弦楽組曲第2番」などの名曲があります。このパルティータにおいても「ロ短調」という調は特別な響きがするように感じます。




まるで序曲のようなアレマンダ

 第1曲目の「アレマンダ」は、通常、中庸で穏やかな舞曲ということになっていますが、ここでは付点音符や三連符を多用し、まるで序曲のような重々しさがあります。まさにロ短調というところでしょう。


走るコレンテ

 第2曲目の「コレンテ」は前述のとおり4分の3拍子で、終止音以外はすべて8分音符で書かれ、無窮動的な速い舞曲となっています。


緊張感漂うサラバンダ

 第3曲目の「サラバンダ」はリョベットやセゴヴィアなどにより、かなり以前からギターでも演奏されていて、ギター弾くバッハの曲としては定番的な曲となっています。ゆっくりとした舞曲ですが、最初の小節の2拍目からすでに転調に向かうなど緊張感のある曲です。今回の演奏では、ドゥーブルを省略した分、繰り返し部分では装飾を加えて演奏する予定です。


なぜ「ブレー」と書かなかったのかは、わからないが

 終曲となる第4曲目は単に「ブレー」ではなく「テンポ・ディ・ボレア」、つまり「ブレーのテンポで」となっています。バッハがなぜこのような表記にしたのかはよくわかりませんが、曲そのものは普通に「ブレー」と言ってよいと思います。通常こうした舞踏組曲の場合の終曲は「ブレー」ではなく「ジグ」となるので、そういったことに関係があるのかも知れません。


ギターとの相性もよい

 この曲も古くからギターでも弾かれ(タレガも編曲している)、やはりギターで弾くバッハの定番となっています。確かにギターとの相性もとてもよい曲です(バッハとしては、ギターで演奏されるなど、全く念頭にはなかったと思いますが)。
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