中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

再開

 しばらくこの「中村俊三のギター上達法」をお休みしていましたが、また再開します。再開第1回目は「読譜力」についてですが、これは本文でも述べているとおり、ギターを弾くことにとっては最も重要なことではなく、また難しいということでもないと思いますが、これからギターを始める人の中には「楽譜が読めるかどうか心配」と思う人もいると思いますし、楽譜を読む力が不足しているため上達がはかどらない人、またそれが原因で挫折する人なども現実にはいるので、このことについてお話することにしました。



リストの神業

 ショパンと並ぶピアノの名手で、作曲家でもあったフランツ・リストはオーケストラのスコアを初見でピアノで弾いたそうです。オーケストラのスコアというのは普通、10数段あって、なお且つヘ音記号や、ハ音記号はもちろん、クラリネットやホルンなど移調楽器もたくさんあります(B♭のクラリネットだったら、「ド」は「シ♭」に、「レ」は「ド」となる)。これらの何段もの譜面を瞬時に移調し、また瞬時に必要な音を選択し(全部の音は弾けないから)、瞬時に指に命令を出して音にする・・・・・・・などまさに人間技とは思えません(人間以外では出来ないでしょうが)。世の中にはとんでもない能力を持った人もいたものです。もちろん私のこれからの話はこのような神業的な初見能力についてではなく、もっと現実的に必要な読譜力についてです。


二つのパターン

 上手にギターを弾くためにはいろいろなことが要求されますが、その中で「楽譜を読む」ということは特に難しい問題ではないと私は思います。実際に私が教えている大半の人は、少なくとも楽譜を読むということに関しては特に問題ないようです。しかし同時に楽譜がなかなか読めるようにならない人とか、ギターを弾くのはかなり上手で、いろいろ難しい曲も弾いているのに、初見、あるいはそれに近い状態では簡単なものでも弾けない人もいるのも事実です。「楽譜が読めない」あるいは「楽譜を読むのが遅い」と言うのを大別すれば、以下の2つになると思います。


1.楽譜に書いてある音が何の音かわからない、文字通り「楽譜が読めない」。

2.楽譜は読めて、ギターを弾くことも上手なのだが、簡単なものでも初見では弾けない、特にハイポジションになると覚えてしまわないと弾けない、つまり「ギターのポジション」がわからない、あるいはわかるまでに時間がかかる。

他に楽譜を見ただけでは音の長さが取れないとか、上級者となれば、作曲者の意図を読むというのも楽譜を読むことの一つと思いますが、そのことについてはここでは触れないことにしておきます。


ドは赤い色で

 1.の場合は小さい子などに多いのですが、小さい子の場合、最初は「ドを赤い色でぬりましょう」というように同じ音を探して、色を塗ることからはじめます。まず5線上の同じ位置を認識することから始めるわけですが、中には音符をみてもその形だとか、横方向の位置だとか、音符を読むのに関係ないところに目がいってしまう子もいます。音が「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」の順で並んでいて、「5線上の位置」で音が決まることがわかればだいたい読めるようになります。読めるようになるまで少し時間のかかる子はいますが、最後まで読めるようにならない子はいません。また少し読めるようになると、その後はたいてい順調に読めるようになってゆきます、ちょっとたいへんなのは最初の段階だけです。


やさしいものからやれば問題ない

 大人の人の場合は、私の教室では音の読み方や、音の弾く場所を覚えるのを、本当に少しずつ、ゆっくり覚えてゆくので、多少高齢な方でも「楽譜を読んで、その音を弾く」ということに関しては、あまり問題にはなっていません。これまで音楽をやってこなかった人の場合でも、最初から速く弾いたり、急に難しい曲をやったりせず、やさしいものから順序よく練習していけば、たいてい問題なく次第に楽譜が読めるようになってゆくと思います。


初心にもどって

 具体的には、特に最初は、1音ずつ「読んだら、弾く」というようにし、まとめて読んだり、覚えてから弾いたりしないのが大切です。最初は曲にならなくていいから本当に「1音」ずつ楽譜を見て弾くのが重要です。最初はどんなに時間がかかってもいいですから、それを繰り返してゆくうちに読むスピードも、弾くスピードも次第についてきます。またある程度弾けたら音の長さを取るのもたいへん大事なことでしょう。独学などで、長く楽譜を読まずにギターを弾いてきた人などの場合は、少し時間がかかる場合がありますが、その場合でも初心に戻って単音などの易しいものからやって行けば必ず読めるようになると思います。
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