中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

 セゴヴィアのLPを最後の一枚まで紹介することになっているのですが、とりあえず今回は最近買った、ギター以外のCDの話をしましょう。


ブログ 090
ストラヴィンスキー:春の祭典初演100年記念ボックス

35種類のオーケストラによる演奏と3種類のピアノ二重奏、計38種類の「春の祭典」が収められたボックス。春の祭典が終わると、また春の祭典が始まる。



何と「春の祭典」が38種類!

 このボックスはなんと、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のみを38種類収めたという、驚きの企画ものです。内訳としては、オーケストラ35種類、ピアノ二重奏3種類があり、一枚のCDに二つの演奏が収録されています。昨年は春の祭典初演100年ということで、それに因んだ企画のようです。

 音楽マニアの中には、特定の曲だけのCDやLPを収拾するという人もいるようですが、おそらくこの春の祭典だけを手に入る限り集めているマニアも結構いるのではないかと思います。


マニア泣かせの企画

 そういったマニアは長年にわたり、いろいろ苦労しながら収拾しているのではないかと思いますが、このボックスを買うだけで”春の祭典初心者”が一躍”春の祭典マニア”に昇格というたいへん便利なシロモノです。

 言い換えればマニア泣かせの企画ともいえるでしょう。こんなボックスが簡単にしかも安価で誰にでも入手可能ということになれば、今までの苦労は、いったい何だったのか・・・・・



差し支えないのでは

 私自身でもこれまで「春の祭典」は12種類ほど持っており、そのうち6種類がこのボックスと重複し、6種類が重複していません。結果的に私のCD棚には44種類の「春の祭典」が鎮座していることになります。私のことも”春の祭典マニア”と呼んでいただいて差し支えないのでは・・・・・

 その44種類を書き出したところですが、それだけでも大変なのでやめておきます。もちろん全部は聴いていませんが、一部分だけならひと通りプレーヤーにかけてみました(プレヤーにかけることと、聴くことは別だが)。



ベイヌム=コンセルトヘボウ1947年 ~LP最初期の録音

 印象的だったものだけ少しコメントしようかと思いますが、このボックスは録音年代の古い順に並んでいて、最初のCDは1947年録音のエドアルト・ベイヌム=コンセルトヘボウ、および1950年のアンセルメ=スイス・ロマンドが収められています。

 春の祭典の世界初録音ではないかも知れませんが、ベイヌムのものはモノラルLPとしては最初期のものと考えられます。この録音は確かにノイズなどはありますが、意外とよい録音で、録音の古さはそれほど気になりません。これも”意外と”などと言っては失礼なのでしょうが、なかなかよい演奏です。中庸なテンポで、各楽器のフレーズにも表情を感じます。部分的には混濁を感じるところもありますが、録音の問題でしょう。


アンセルメ ~フランス音楽の第一人者

 アンセルメは、この時代のフランス音楽の第一人者といったとこだと思いますが、ベイヌムの演奏よりや遅めで、かなり冷静、かつ客観的な演奏に感じます。ブーレーズの先取りといったところでしょうか。1950年の録音ですが、年代からすればかなりよい録音だと思います。



ドラティ ~ストラヴィンスキーのスペシャリスト

 アンタル・ドラティはストラヴィンスキーのスペシャリストと言われているらしく、このボックスには1953年、1959年、1981年と3種類の演奏が収められています。1981年盤は以前から聴いていましたが、他の二つは初めて聴きました。この二つの演奏はこのボックスの中では最もテンポが速く、聴いてもかなり前のめりに聴こえ、さらに録音の関係か”寸詰まり”にも聴こえます。

 1981年盤は私の愛聴盤の一つですが、やはり前の二つよりも円熟した感じで、録音の関係もあってか、音の拡がりもあります。音色も華麗で、クリヤー、リズムのキレもよくなかなか気持ちよく聴ける演奏です。



ズビン・メータ=ロス・フル ~最近はずいぶんと落ち着いてしまったが

 ズビン・メータ=ロサンゼルス・フィル1969年はLPの発売当時、4チャンネルのマルチ・システムという最新録音方式で話題となったものですが、その後あまり話題にはならなくなったものです。一般的にはあまり高い評価は与えられていないようですが、改めて聴くと、結構面白い。

 後のメータはどちらかと言えば穏やかな指揮者と言った感じになりますが、この演奏ではやや速めのテンポでオーケストラをこれでもかとばかりに鳴らす野生児といった感じです。おそらくLP制作側の意図もあってこのような演奏、あるいは録音になったと思われますが、こういった方向性も悪くはなかったのではと思います。文字通り力強く、華麗で、バーバリズムも十分に感じ取れます。



カラヤンの場合は

 カラヤン、バーンスタイン、ショルティなどどちらかと言えばロマン派の作品に重点を置いている指揮者の場合はこうした曲はやや不利かもしれませんが、カラヤンの場合は1963年と1975年と2種類の演奏がこのボックスに収められています。

 アクセントなどやや控えめに感じられるのは先入観のせいかも知れませんが、何となくしっくりとこない感じは否めません。よく聴くと、常にどこかのパート、あるいは楽器が表に出るようになっている感じです。複雑な音楽でも主従関係をはっきりさせようという意図があるのかも知れません。また各部分のテンポの違いなども際立たせているようです。

 ・・・・・・なかなか終わらないので2,3日後にまた続編を書きます。
スポンサーサイト
コメント
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する