中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

やはり、やさしいものから

 前回の続きで、 
<2.楽譜は読めて、ギターを弾くことも上手なのだが、簡単なものでも初見では弾けない、特にハイポジションになると覚えてしまわないと弾けない、つまり「ギターのポジション」がわからない、あるいはわかるまでに時間がかかる>  
と言う場合ですが、前述のようにやさしものから順序立てて練習してきた場合、こうしたケース比較的少ないのですが、場合によっては同じようにやっていても、上記のようになってしまうケースがあります。これは意外と熱心に、真面目に学んでいる人、例えばレッスンの課題となっているページや曲はきちんと何度も繰り返して練習し、次のレッスン日までは全然間違えないように弾いてくる、こんなたいへん優等生的な人の中にもいたりします。


ページをめくると

 たいへん真面目で、いつもよく練習してくる生徒さんで、課題となっていた曲はかなり上手に弾けるので、「この曲については、もう言うことありません。では予定にはなっていませんが、次の曲を弾いて見てください」とページをめくってみると、もう別人のように全く弾けなくなる・・・・なんていうこともあります。もちろんまだ練習していない曲ですからあまり弾けなくて当然なのですが、テキストの場合、だいたい同じような難しさの曲がならんでいるので、普通なら前の曲が弾ければ、次の曲はつかえながらでもある程度弾けるものですが、練習した曲と、練習していない曲の差がたいへん極端になる人もいます。


記憶力がよいほど?

 これは「課題となった曲」を「何度も繰り返し」というのが問題のキーポイントで、「同じ曲を何度も繰り返して弾く」ということは当然「覚えて」弾くということになります。といことは「楽譜を読んで弾く」という作業は最初うちだけで、ある程度すれば当然しなくなります。もっともその人の記憶力が悪ければ何度も楽譜見直すことになりますが、その人の記憶力がよければよいほど楽譜を読む回数はそれだけ少なくなります。つまり「覚えて弾く」タイプの人は、速く覚えてしまう人ほど「楽譜を読んで弾く」という作業が少なくなるので、結果的に楽譜を読む力が育たないということになります。また記憶力が良いのに、ギターのポジションは覚えられないという逆説的なこともおきてしまいます(曲の方はたいへん良く覚えるが)。


練習時間の半分は

 こうした練習の仕方をする人はもちろん真面目なタイプの人ですが、「テキストを速く進みたい」という気持ちの方が強い人とか、また課題となっている曲は次の週までに絶対に弾けるようにしなければならないと考える「潔癖症」的な人などです。こうした「熱心な」人は、練習法さえ正しければ、本当に上手になる可能性を十分に持った人たちです。そうした人には、私はよく練習時間の配分について話をします。もしその人が1日1時間練習するなら、課題となっているところに約30分、残りは前の復習とか、やっていない曲の予習(これはあまり弾けなくても全然かまわない)とか、あるいはテキスト以外で自分の好きなものをやるのもよい、などと言います。


遠回りは絶対必要!

 これは一見無駄で、遠回りのようですが、これまで私がギターをやってきた経験ではこの「遠回り」は極めて重要なものと思っています。本題から少しはずれますが、ギターが上手になるための近道はなく、一つの曲をずっと練習していても、その曲が上手く弾けるようにはならない、つまり食べ物の栄養素のように、いろいろな曲を練習し、そこから様々な栄養素を吸収しないと自分の実力向上にはならないと思います。またギターを弾くだけでなく、たくさんの音楽を聴いたり、音楽以外の知識や経験を積むこともたいへん必要なことであるのは言うまでもありません。


ハイポジションになると

 次に、ローポジション(3フレットまで)だったらある程度初見でも弾けるが、ハイポジション(5フレット以上)になるとわからなくなってしまうという人も少なくありません。もちろんこれもその人の「上達の程度に応じて」ですから、ハイポジションの練習に入ったばかりの人はわかるまで時間がかかって当然といえるでしょう、むしろわかるまでよく考えることがたいへん重要です。しかし上級者の場合は、ハイポジションでも瞬時にわかるようになってほしいと思います。


全音と半音の関係

 ハイポジションの覚え方をいくつか紹介しますが、まず各弦それぞれ開放から12フレットまでの音順に弾いて行きます。①弦だったら「ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド、ミ、ファ」となりますが、これを音を読みながら繰り返します。必ず今弾いている音が何の音かを言って下さい、何の音を弾いているのか意識しないで繰り返して弾くとかえって音がわからなくなってしまいます。さらには全音と半音の関係なども意識して下さい(全音=2フレット、 半音=1フレット)。


わかる音から

 これだけでハイポジションを覚えてしまう人もいますが、多くの人はこれだけでは覚えられないので、次に音を探すスピードを付けることが大事になります。例えば②弦の「ラ」だったら1フレットの「ド」から「ド→レ→ミ→ファ→ソ→ラ」と弾いてゆけばよいのです。5フレットの「ミ」が分かれば、そこから「ミ→ファ→ソ→ラ」とたどってもよいでしょう。また12フレットは開放弦と同じ「シ」なので、そこから「シ→ラ」と下がるのもいいでしょう。この時全音と半音の関係も考えて下さい。


覚えた方が速い?

 こんな話をすると、そんなことして探すよりも、「②弦のラ=10フレット」と丸暗記してしまったほうが早いのではないかと思う人もいると思いますが、私のこれまでの経験ではこの「丸暗記」型に人は結果的に楽譜が読める(ハイポジションがわかる)ようになるまで、かえって時間がかかるようです。覚えるのではなく「探す」人の方が音がハイポジションがわかるようになるようです。確かにローポジションの場合は「覚える」のですが、ハイポジションの場合は「たどる」ほうがいいようです。


きれいに響く音

 またこんな方法もあります。「⑥弦の開放」と「⑤弦の7フレット」の音を同時に弾いて見てください、きれいに澄んで聴こえると思います。それもそのはずです、これは1オクターブ違いで同じ音だからです。⑥弦の開放は「ミ」ですからこの「⑤弦の7フレット」も「ミ」ということになります。これを6フレットとか、9フレットとか弾くと濁った音になりますから、適当に弾いても⑤弦の「ミ」はすぐに見つかると思います。さらには7フレットには普通ポジション・マークが付いていますから、さらに探しやすいと思います。同様に「⑤弦の開放」と「④弦の7フレット」同じ音になっていて、どちらも「ラ」です。このようにいくつかの音がすぐにわかれば、他の音も結構わかってきます。


わからない音はそれほどない

 ハイポジションの練習をする人は少なくとも3フレットまでの音はよくわかるはずです(そうでなかったらハイポジションの練習は無理)。とそれば5フレットはその次の音ですから少し考えればわかると思います。また各弦の12フレットは開放弦と同じということですぐにわかります。さらに①弦が12フレットまでわかれば⑥弦も同じなのですぐにわかります。このように考えれば実は分からない音はほんの少ししかありません。また13フレット以上は第1ポジション(ローポジション)と同じなので、覚える必要はありません。


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