中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

◎セゴヴィア : アスコーナ(イタリア)リサイタル  1955年4月20日


ヴィラ・ロボス : 練習曲第8番、 前奏曲第3番、 練習曲第1番

マヌエル・ポンセ : ソナタ第3番より第2、第3楽章

カステルヌォーヴォ・テデスコ : タランテラ

イサーク・アルベニス : セヴィーリャ




エジンバラの4ヶ月前、現在入手可能。1回のリサイタルにしては曲目が少ない

 前回のエジンバラのリサイタルと同じ1955年のライヴ録音で、こちらの方が少し早い(エジンバラは8月)。私が持っているCDは、これまで何度か紹介したDocmentsの10枚組ですが、単独でも発売されています。1回のリサイタルとしては曲目が少なめですが、リサイタルの一部分しか録音が残っていなかったのでしょう、単売のほうも同じ曲目のようです(他のスタジオ録音と組み合わされている)。

 単売のほうは現在入手可能と思われますが、10枚組のほうはHMVでは在庫切れで、GGショップなどでは入手出切るようです(ただし価格は4000円前後)。



音質もよく、ノイズ、特に観客によるノイズが少ない

 録音のほうはエジンバラ同様、この年代としてはかなり音質のようものです。さらにこのアスコーナのほうでは非常にノイズが少なくなっています。咳など観客席からのノイズも少なく、限られた、あるいは選ばれた観客の前で演奏しているのかも知れません。演奏のほうもエジンバラ同様、絶頂期の優れた演奏であることは以前にも触れたとおりです。



相変わらず曲目表記などわかりにくい

 最初のヴィラ・ロボスの3曲は、10枚組のほうでは「練習曲第1番」が「Allegro moderato」と表記され、「練習曲第1番」とは書かれていません。「練習曲第8番」のほうはそう書かれているのですから、ちょっとわかりにくいですね。

 またこのヴィラ・ロボスの3曲はトラック分けされておらず一つのトラックとなっています。セゴヴィアがほとんど間を空けずに演奏しているのでそのようにしたのだと思いますが、ちょっと扱いにくいところですね。



ポンセのソナタはやはり名演

 ポンセのソナタ第3番から第2、第3楽章を弾いていますが、セゴヴィアは1955年、つまりこの年に全曲録音しています。前にも言ったとおり、セゴヴィアはポンセのほぼすべてのギターのための作品を録音していますが、同じ南米の作曲家のヴィラ・ロボスのほうは、作品数がそれほど多くないにも関らず、演奏したり、録音したりしているのは一部の曲に限られています。

 セゴヴィアから見た場合の音楽的、あるいは個人的共感度、親密度の違いということになるのでしょうか。やはり演奏を聴いた感じではポンセの曲のほうがずっとすばらしいようです。特にこのソナタ第3番の第2楽章は共感度が高いようで、たいへん深い表現をしています。時折セゴヴィアは南のソナチネ第2楽章にもこの曲を使ったりしますが、特にこの曲への思い入れが強いのでしょう。



観客に拍手?

 テデスコのタランテラは1949年に録音し、またエジンバラのほうでも演奏することになりますが、とても溌剌とした優れた演奏で聴衆を大いに沸かせています。それにしても拍手は大きいのに、演奏中にはほとんど観客席からのノイズがない、観客にも拍手!



最高のセヴィーリャ

 最後のセヴィーリャについては以前にもお話したとおり、たいへん優れた演奏、セゴヴィアの残したいくつかのこの曲の録音の中でも最上位に挙げられるものではないかと思います、まさに乗りに乗った演奏とはこのこと。迫力や指回りが絶好調というだけでなく、セゴヴィア・トーンがいつもにも増してすばらしい(ハウザー1世も絶好調か)。ただ、ト短調の部分ではさすがに気持ちと力が入りすぎ。

 この録音50年以上も前のものですが、全くそんな感じがしない、まるですぐ目の前でセゴヴィアが演奏しているような気がします。確かにマイクの位置はかなり近そうです。この時代のスタジオ録音よりもずっとセゴヴィアの音をよく捉えているように思います。
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