中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

アンドレス・セゴヴィア リサイタル  1972年10月27日 ボローニャ


ヴァイス : アダージョ、 アレグレット
ソル : ロンドハ長調
タンスマン : 子守歌、 舞曲
ポンセ : ソナタ・メヒカーナ(Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ楽章)
アルベニス : サンブラ・グラナディーナ、 朱色の塔
ソル : メヌエットイ長調
ヴィラ・ロボス : 練習曲第1番



10枚組に収録されている

 これもドキュメント・レーヴェルの10枚組に収録されているものです。1972年のイタリア、ボローニャでの録音ということですが、マイクの位置が遠いのか、サーという録音上のノイズや、咳などの客席からのノイズ多く、また音質もよいとはいえません。非公式の録音なのでしょうか、単売はされていないようです。

 曲数からすると、リサイタル演奏された曲の全部ではなく、抜粋のようで、最後ののソルのメヌエットとヴィラロボスの練習曲はアンコール曲と思われます。



録音には問題があるが、80歳を目前にしたセゴヴィアの健在ぶりを示す

 以上のように音質などはあまりよいものではありませんが、演奏のほうはなかなかよく、80歳を目前にしたセゴヴィアの健在ぶりを感じさせるものです(セゴヴィア79歳)。前回紹介した68年のロカルノの演奏よりもむしろ若さを感じさせます。



いつものことだが

 ヴァイスの「アダージョ」は一般には「ロジー伯のトンボー」とされる曲で、その名のとおり悲しみに満ちた演奏となっており、次の明るい「アレグレット」とくっきりとした明暗つけています。その「アレグレット」は、実際にはポンセ作曲の「前奏曲ホ長調」で、この曲はご存知のとおり、セゴヴィアは常にヴァイス作曲として演奏しています。

 つまり本物のヴァイスの曲と、偽ヴァイスの曲を並べて演奏しているのですが、このことについては当ブログを読んでいる皆さんには特に驚くことでもないでしょう。セゴヴィアは常にこうした「ヴァイス作」として発表したポンセの作品も、また本物のヴァイスの作品も同じように扱っています。

 ソルの「ロンド」は大ソナタハ長調作品22の終楽章で、セゴヴィアは溌剌と、軽快なテンポで演奏しています。冒頭の付点音符を同価の音符(8分音符)に置き換えて演奏しているのはいつものとおりです。常に同じ音価で弾いているのでかなり意図的な変更なのでしょう。



今回もタンスマンの曲を演奏している

 タンスマンの「子守歌」は「東方の子守歌」とされる曲で、1965年に録音したポーランド組曲の第5曲「コリサンカⅠ」とも同じ曲です。舞曲のほうは「ダンサ・ポンポーザ(華麗なる舞曲)」です。

 セゴヴィアがポンセの作品をよく演奏するのは周知のとおりと思いますが、このタンスマンの作品も負けず劣らず、ほとんどのリサイタルで取り上げているようです。



本当は全曲演奏?

 ポンセの「ソナタ・メヒカーナ」は、このCDには第3楽章を除いた3つの楽章が収録されていますが、実際には全曲演奏していた可能性もあるでしょう。咳の音が頻繁に入りますが、これもなかなか優れた演奏で、良い状態の録音であればさぞ、よかったろうと思います。



若さ溢れる演奏

 アルベニスの2曲や、アンコールの2曲も勢いのある、文字通り若々しい演奏で、技術的な衰えなど全く感じられないものです。またリサイタル終盤になっても集中力が途切れることがなく、たいへん充実したリサイタルであったのでしょう。 




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ずいぶん長くなりましたが

 このテーマもずいぶんと長くなりましたが、これで、私の知る限りのすべてのセゴヴィアの録音を紹介したことになります。それの中には多数の誤記や事実と違う記述があったとは思いますが、当ブログは、あくまで趣味的なものですので、ご了承下さい。

 最初の頃はこんなに長く、また一枚一枚紹介するつもりなどなかったのですが、やりかけた以上は・・・ということで、このようなことになりました。もちろん私の知らない録音などもいくつか存在するでしょうし、またライブ録音ということになれば、これからいろいろなものがリリースされてゆくのではないかと思います。これも隠れセゴヴィア・ファン(何も隠れる必要はないが)としては大きな楽しみの一つです。



ちょっと待った!

 これでこのテーマも終わりと行きたいところですが、ちょっと待った! ここまでやった以上は「勝手に選ぶベスト10」をやらなければならない!

 といったわけで次回は「勝手に選ぶセゴヴィア名演奏ベスト10」を行ないたいと思います。もっとも「ベスト10」か、「ベスト8」か、「ベスト12」かはやってみないとわかりません。
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