中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

祝! 日本代表、ブラジル・ワールド・カップ出場決定

 6月1日の県立図書館でのギター・ワールド・カップは盛況(?)のうちに幕を閉じましたが、先日のオートストラリア戦は予言どおり(?)1-1の引き分け! ついに5度目のワールド・カップ出場が決まりました。苦しい試合になることは試合前から十分に予測されたこと。どういう形であれ、引き分けに持ち込めたのは選手たちの健闘と幸運の賜物。まずはめでたし! 

 

ギター愛好者のギモンに答える「ギター上達バーチャルQ&A] スタート

 当ブログでは先月、1年以上に亘った「20世紀の巨匠たち」が終わり、さらにギター・ワールド・カップも終了、日本代表ワールド・カップ出場決定ということで、また新たなテーマで更新してゆこうと思います。

 おそらくギターの愛好者の皆さんや、ギターを習っている方、ギターに興味を持ち始めた人などには、ギターに関して、いろいろな疑問があると思います。そこで、これまで私が生徒さんや、入学希望者から問い合わせの際、実際に受けた質問などを基に架空の質問を設定し、バーチャルなQ&A形式の記事を書いてゆこうと思います。



やらせ企画?

 上記のとおり私自身が質問を設定して、それを私自身が答えるという、いわゆる”自作自演”というか”やらせ”というか、そんな記事にはなってしまいますが、ゆくゆくは皆さんからの”リアル”な質問などもいただいて本当のQ&Aになればとも思っています。それでは「ギター上達バーチャルQ&A」スタートしましょう。






Q : 60代男性 ギター暦約30年(長期中断あり) 1967年河野使用

 最近「アコースティック・ギター」と言う言葉をよく聴きます。かつてはギターは「クラシック・ギター」、「エレキ・ギター」、「フォーク・ギター」の3種類だったと思います。まあ、だいたいの意味はわかるのですが、「アコースティック・ギター」という言葉の正確な意味を教えてください
 



A :

 いや、最近というより結構前からこの言葉は使われていると思いますが・・・・  それにしても1967年の河野とはシブイですね。確かに私たちの世代、over60だと「アコースティック・ギター」というのはあまりピンとこないかも知れませんね。

 また若い人でも、これからギターを始める場合、「アコースティック・ギターとクラシック・ギターはどう違うの?」、「どっちのギターを買ったほうがいい?」、などいろいろ迷うところだと思います。お任せ下さい。アコースティック・ギター、特にクラシック・ギターとの違いを責任を持ってご説明しましょう。


最近の英和辞書には「An acoustic guitar」と載っている

 英語の「Acoustic」を辞書で調べると、[①音の、音響の、聴覚の ②(楽器が)アコースティックの、An acoustic guitar=アコースティック・ギター](アドバンスト・フェイバリット) となっています。 

 ②ではかえって意味がわかりませんが、「An acoustic guitar」と言う言葉が英語辞典に載っているということはこの「アコースティック・ギター」というのが日本で作られたカタカナ英語ではなく、正しい英語、つまり英米でも使われている英語であるようです。因みに1960年代の英語辞典にはこの言葉は載っていませんから、比較的新しい英語のようです。



This hall is very acoustic

 20年くらい前にパリ国際ギター・コンクールで優勝したドイツの女流ギタリスト、ケルスティン・アイゼンバートさんのリサイタルを主催した時に、彼女がひたちなか市文化会館のことを「This hall is very acoustic」と言っていました。正確にこのように言ったかどうかは保証できませんが、彼女が「アコースティック」という言葉を用いたのは間違いありません。

 同席していた英語と音楽のわかる人が「このホールはとても響きが良いと言っています」と通訳してくれましたので、英語的には「アコースティック」という言葉は「響きのよい」といった意味に用いられていると言ってよいようです。そしてその言葉をほとんど英語のわからない私に向けて使ったわけなので、英語としてはごく一般的なものと考えてよいようです。

 因みに私たち東関東のギター愛好者にとっては馴染みの深い、ひたちなか市の「アコラ」の正式名称「Acousutic life」も、この「響きのよい」といった意味合いで使われているのでしょう。アコースティック・ギターの愛好会といった意味ではないと思いますし、まして「生の生活」といった意味ではないでしょう。



実際に使われている言葉の意味はそうではない

 といったように言葉上では「アコースティック・ギター」とは「響きの良いギター」といった意味になりますが、もちろん現在、少なくともこの日本で「アコースティック・ギター」として使われている言葉そのような意味では使っていないのは明らかです。

 基本的に国語の苦手な私が言うのもなんですが、言葉というのはどんどん変化してゆくものです。語源はともかくとして、やはりこの言葉が現在どのように用いられているかを検討してゆかなければならないでしょう。



<アコースティック・ギター> = <スティール弦を張ったギターで、エレキ・ギターでないもの>

 結論を先に言ってしまえば。現在多くの人が使っている言葉に意味としては、「アコースティック・ギター」 = 「スティール弦を張ったギターで、エレキ・ギターでないもの」、となるでしょう。語源や言葉上の意味合いとは別に、そのような意味で多くの人がこの言葉を用いているのは確かで、特にアコースティック・ギターを弾いている人がそのような認識をしているのも確かでしょう。


 想像ではありますが、20世紀中頃のポピュラー音楽界で、エレキ・ギターが主流となった時期に、単に「ギター」と言うとほとんどの人がエレキ・ギターを思い浮かべてしまうので、エレキ・ギターでない楽器のことを、「アンプを通さなくても”よく響く”ギター」、さらに短くなって「よく響くギター」、つまり「アコースティック・ギター」と呼ぶようになったのでしょう。


アコギフィンガー
現在アコースティック・ギターと呼ばれている楽器。スチール製の弦を使用する。フィンガー・ピッキング(指弾き)用。


言葉上ではクラシック・ギターもアコースティック・ギターだが

 エレキ・ギターでないギターと言えば、ナイロン弦を張るクラシック・ギターも言葉上ではアコースティック・ギターとなり、確かにそう呼ぶこともありますが。しかしクラシック・ギターをやる人にとってはアンプを通してギターを演奏することは基本的にないので、あえて「アンプを通さなくてもよく響くギター」、つまり「アコースティック・ギター」と呼ぶ必要がないわけです。したがって、エレキ・ギターと区別する必要もなく、単に「ギター」、あるいは「クラシック・ギター」と呼んでいます。

  逆にポピュラー系の音楽をやっている人たちにとっては、逆にナイロン弦を張ったギターを弾くことは少ないので(なくはないが)、アコースティイク・ギターというと、やはりスチール弦の楽器ということになります。ポピュラー系の人がナイロン弦の楽器を呼ぶときにはクラシック・ギター、あるいはガット・ギター(昔はガット弦(羊腸弦)を張っていた)と呼ぶようです。

 ガット・ギターという言葉もクラシック・ギターをやっている人たちにはあまり使われません。


クラシック・ギター縮
ナイロン弦を張ったクラシック・ギター。言葉上ではクラシック・ギターもアコースティック・ギターに含まれる。ガット・ギターとも呼ばれるが、クラシック・ギターをやっている人たちはそう呼ばない。



フォーク・ギターは死語?

 かつては下のようなスチール弦を張った楽器のことを「フォーク・ギター」と呼んでいました。しかし1980年代に入って、フォーク・ソングそのものがあまり歌われなくなり、フォーク・ギターと呼ぶのが不自然となって、その代わりに使われるようになったのがこの「アコースティック・ギター」という言葉と考えられます。私自身もアコースティック・ギターという言葉を聴くようになったのは1980年代になってからだと思います。


アコギフォーク
ピック・ガード(黒い部分)の付いたアコースティック・ギター。かつてはフォーク・ギターと呼ばれていた。このタイプの楽器は基本的にストラップを使用して立って弾くように出来ていて、座って弾く場合には安定しにくい。


 従って、アコースティック・ギターとはフォーク・ギターの呼び名が変わったものと解釈してもよいとは思いますが、言葉が変わると、やはり内容も変わってゆく。フォーク・ギターと呼ばれていた時代では、この楽器は主に弾き語りなどの伴奏、つまりコードを弾くための楽器として用いられ、あまりソロを弾く事はありませんでした。その際にはストロークにせよ、アルペジョにせよ、指で弾くよりはピックを使うことが主流でした。



最近は「叩き系」が主流

 今現在アコースティック・ギターというと、どちらかと言えば指弾きのソロが主流で、ピックはあまり使われません。ある意味クラシック・ギターと近くなっているともいえますが、いわゆる「叩き系」と呼ばれる、弦、ボディ、指版などを叩く奏法多用する傾向になっています。

               
          ・・・・・・・・・次回に続きます
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