中村俊三 ブログ

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タレガ自身の幻の録音が、ついにCDとなって発売された!


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セゴヴィアの同時代のギタリストたち vol.14  リョベット、プジョール、ダニエル・フォルテア、ロブレド、レヒーノ・デラ・マーサ、ローデスなどの他、タレガ自身の演奏(蝋管による録音)も収められている。


現代ギター誌より一足早く!

 待望ともいえる以前話をしたことのある、タレガ自身の幻の録音が発売されました。おそらく現代キギター誌でも紹介されると思いますが、一足早く、当ブログで紹介してしまいましょう。

 以前現代ギター誌にタレガ自身の録音が残されていると言うことが記事になっていましたが、そんなもの本当にあるんだろうかと思っていたら、ついに発売となったようです。



SP録音ではなく、ワックス・シリンダー

 録音といってもいわゆるSP録音ではなく、蝋管(wax cylinder)によるもので、曲はマリーア(ガヴォット)です。録音データは1899年、あるいは1908年のグラナダで、Mariano Gomez Montejano と言う人のコレクションだそうです。

 本当にタレガ自身の演奏なのかどうかといった疑問はあるかも知れませんが、状況的にはタレガ自身のものである可能性は高いのではないでしょうか。

 演奏の前に、「Gavota para guitarra por Don Francisco Tarrega」 とアナウンスされていますが、私には「Guitarra」と「Tarrega」しか聞き取れません。因みにタレガ自身の声ではないそうです。



聴けるはずのないタレガ自身の演奏が聴ける! 思わず合掌!

 音質云々というより脱落している部分が多く、飛び飛びに「マリーア」が聴こえてく感じで、特に後半はほとんど抜け落ちています。かろうじてエンディングは聴くことが出来ます。

 しかし、どういった録音であれ、断片的であれ、実際に聴くことはありえないと思っていたタレガの録音ですから、その”ありがたみ”は格別なものです。心の中で合掌をしながらでないと聴けない録音でしょう。



演奏の特徴はつかみにくいが、あまり違和感のない演奏

 ともかく途切れ、途切れに聴こえてくる感じなので、演奏の特徴をつかむのは難しいのですが、まずテンポは中庸といったところで、特に速くも遅くもないといった感じです。ルバートなども比較的自然であまり違和感はありません。音色などは全くわかりませんが、ポルタメントはよく聴き取れ、ややゆっくりめにかけているようです。



その演奏スタイルは正しく継承されてきた

 演奏全体としても、これまで描いていたこの曲のイメージと特に変った点はありませんから、おそらくセゴヴィアなどのスペイン系のギタリストの演奏と比較的近いのだろうと思います。つまりタレガ以後のギタリストたちは、ある意味正しくその演奏スタイルを継承してきたということなのでしょう。

 タレガ自身の録音はこの「マリーア」1曲のみですが、他にタレガの”内弟子”ともいえるホセフィーナ・ロブレドや、コンサートでタレガの二重奏の相手もしていたダニエル・フォルテアの演奏も入っていて、タレガの演奏スタイルを知る上では、これらのギタリストの貴重な演奏を聴くのはたいへん有用なことと言えます。


このCDの裏テーマは「タレガ」

 このCDは、「セゴヴィアと同時代のギタリスト」というタイトルになっていますが、実質はタレガとその弟子、およびタレガに強く影響を受けたギタリストによる演奏といったものが”裏テーマ”となっているようです。

 仮にもタレガの曲を演奏しようと思っている人は、”絶対に”聴かなければならないCDであるのは間違いありません。このたいへん貴重な音源のCD化に尽力された方々に深く感謝いたします。関係者にも合掌!

 その貴重なロブレド(プライヴェートな録音)、フォルテアなどの演奏についてもコメントしたいと思いますが、それはまた次回に。
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