中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

Q : 最近友達がギターを習い始め、私もやってみようかと思っています。でも私に向いているかどうか心配です。本当に始めてみないとわからないとは思いますが、やり始めたものを途中でやめるのはちょっと抵抗があります。どんな人がギターに向いているのでしょうか? 

                            会社員女性


A :  その2   答え合わせ1
  


 前回お話したとおり。これらの設問は、私がこれまで出合った優れたギタリストやレヴェルの高いギター愛好者、上達の早かった生徒さんなどの、だいたいの特徴といったところです。もちろんあまり根拠などはありませんが、以下にこれらの項目を挙げた理由なども説明してゆきましょう。





1.仕事の時と、プライベートの時とでは、声のテンションが結構変る。


人間は日常生活でも演じている

 仕事とプライヴェートでガラリと変る人は、二重人格的であまり印象が良いとは言えませんが、人間はいろいろな状況に応じて、いろいろな自分を演じているともいえます。仕事では真面目な中間管理職だが、家に帰れば甘えん坊の夫であり、子供たちには友達のような父親、居酒屋では毒舌の飲み友達・・・・・ など、など。

 「演奏」の演は「演技」の演と同じ字で、音楽の場合も何かを演じているのは間違いありません。今日はすごくいいことがあって、うきうき気分であっても、演奏となればこの世の終わりのような悲しい表情を作らなければならなかったりもします。必要に応じて自分を変えることが出来る能力というのも音楽には必要なことでしょう。





2.興味のない話や、自分の考えと多少違うことでも、適切に相槌を打ち、相手に気分よく話させることが出来る。


こんな人と二重奏をするのはとても楽しい

 演奏とは決して一人で行なうものではなく、共演者や、聴衆がいて初めて成り立つものです。音楽を通しての一つのコミュニケーションともいえるでしょう。特に二重奏やアンサンブルにおいては、自分の考えで演奏するだけでなく、共演者の考えや気持ちにもアンテナを張っていなければなりません。

 時にはパートナーの考えや感じ方が自分のものと異なることもありますが、そうしたことを上手く調整し、パートナーには気分よく演奏させながらも、自分の考えにある程度添った演奏にすることも必要なことでしょう。実際にそうしたことの出来る人と二重奏を行なうのはとても楽しいことです。まさに二重奏の醍醐味といったところでしょう。





3.小学生の頃、漢字の書き取りや暗記科目よりも、算数の応用問題の方が得意だった。


ギターを上手に弾くには、自在な発想力が必要

 理科系の人がギターに向いているということは、よく言われるます。ギターを弾くということは譜面を見て8本の指の動きを頭の中で組み立てなければなりませんが、幾何学などと合い通じるものがあるのでしょう。

 また、理科系でも、公式に当てはめて計算するなど、ある程度マニアル化されている中学や高校などの数学より、より自由な発想が必要となる小学校の「算数」が得意な人が、特にギターに向いているのではないかと思います。

 さらに、教科書の例題とは違ったパターンの問題や、同じ問題でも例題の解き方とは違った解き方が出来る人はたいへんギター向きと言えます。ギターはいろいろな楽器の中でも、特に自由な発想や独自のアイデアが必要となる楽器だと思います。

 


4.ここだけの話、実は妄想癖がある。


そもそも音楽は妄想で成り立っている

 「妄想癖」などというのもあまり印象の良くないことかも知れませんが、音楽とは、音を用いた一種の妄想に他なりません。妄想空間がより広い人のほうが、より豊かな音楽を作り出すことが出来るのではないかと思います。

 またギターを弾くということは、確かに指で弾くわけですが、その指はすべて脳でコントロールされていなければなりません。ギターは一見指で弾いているようですが、実際には脳で弾いているわけです。脳の中にも膝の上のギターとは別に、もう1台バーチャルなギターが入っていなけれなりません。





5.禁煙、禁酒、ダイエット、健康法など、自分で決めたことは、ほぼ実行する。


長期に亘って自分をコントロールする必要がある

 ギターが上手くなるには当然意志の強さが必要です。しかも瞬間的な意志の強さではなく、長期間に亘っての持続的な意志の強さが必要でしょう。従って、禁煙やダイエットなど長期に亘って自分をコントロールする必要があることを実行出来る人は、ギターが上手になりやすいでしょう。

 しかし”ほぼ”と添えたのは闇雲に最初に決めたことを実行するだけでなく、状況が変れば考え方も変える柔軟性も必要かも知れません。


禁煙を破ってしまった夢をよく見る

 余談になりますが、私も20年くらい前に禁煙しました。私の場合入院をきっかけに、何となくタバコを吸う本数が減り、いつのまにかにタバコを吸うのを止めていました。自分では決心したり、がんばって禁煙したつもりなど全くありませんでした。
 
 しかしタバコをやめてから、時々タバコを吸う夢を見ます(最近でも)。その夢の中で「しまった、タバコを吸ってしまった」と、とても後悔したりします。目が覚めて、それが夢だとわかると、とてもほっとします。 

 自分では決心してタバコをやめたつもりはなかったのですが、深層心理の中ではかなり強い意志でタバコをやめたのかも知れません。現実の世界では禁煙してから全くタバコは吸っていません。




6.料理の時、いつもは調味料など目分量だが、必要があればレシピに書かれているとおりに作ることも出来る。



マニアルどおりのことも、マニアルにないことも

 料理の上手な人はは、やはりギターも上手になりやすいと思いますが、料理も、ギターもセンスが大事なので、調味料などを目分量でもおいしい料理が作れる人は、やはりギターに向いているのではと思います。

 しかし特にクラシック・ギターとなると、センスだけではダメで、伝統を学び、その技法を身に付けなければなりません。直感力だけでおいしい料理を作るだけでなく、時にはレシピや伝統的な調理法に従った料理も作れなくてはならないでしょう。

 クラシック・ギターには、正しく伝統を学ぶことと、自由で豊かな感性が必要なわけですが、さらに几帳面さとアバウトさも状況に応じて使い分けなければなりません。楽譜なども非常に細かく書かれていて、すべて楽譜の指示通りに演奏しなければならないものから、メモ程度のかなり大雑把なものまであり、そうしたものに柔軟に対応してゆかなければなりません。
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