中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

Q : 独学で「アルハンブラの想い出」を練習しています。どのような練習をしたら村治佳織さんのようなトレモロが弾けるのでしょうか。やはり「アルハンブラの想い出」は教室で習わないと弾けるようにはならないんでしょうか? また習った場合、どれくらいで弾けるようになるんでしょうか? 


                                    40代男性
 




A : その2    正しく、美しいトレモロ奏法のためのトレーニング ~アルペジオ練習




前フリと考えていただいて結構

 お待たせいたしました、それでは本題に入りましょう。まず最初は「正統的な」トレモロ奏法のトレーニングからです。これからの話は美しく、クリヤーなトレモロを演奏するためのもので、すでにトレモロ奏法が弾ける人、あるいは今後フィジカル的に向上していゆくであろう、10代、20代の愛好者などが対象です。

 しかし質問者のように、人によってはこれらのトレーニングはたいへん難しいものになるかも知れません。特に30才を過ぎてからギターを始めた場合、スピードに関しては難しいことが多いでしょう。そうした人の場合は今回の記事は単なる「前フリ」程度に考えて、次の次くらいからが本当の内容と思って下さい。

 ただし今回のトレーニングはスピードに関することを別にすれば、ギター演奏のための最も基礎となることなので、ギター演奏全般についてたいへん有用なトレーニングでもあります。トレモロ奏法云々に関らず、日常的に行なってもよいものです。




まずはアルペジオ練習から

 トレモロ奏法は前述のとおり基本的にはアルペジオ奏法と全く異なるものはありません。最初からトレモロ奏法の練習でもよいのですが、アルペジオ奏法の練習の方が1音1音クリヤーに弾くには練習しやすいと思いますので、アルペジオ練習からはじめます。

 下の譜面はアグアードの練習曲ですが、シンプルで開放弦も多いので基礎トレーニングに良い教材だと思います。アルペジョ練習、つまりアルアイレ奏法の話は当ブログでも何度か書いていますが、改めてポイントを書いておきましょう(今回は写真付きで)。

 

譜例1 アグアードのエチュードより(アルペジオ・パターンは原曲と異なる)

ブログ 136



譜例2 逆のパターン 

ブログ 137





爪は、弦を滑らすように斜めに当てる。私の場合は45度よりもさらに平行に近いかも。この方が音色は柔らかくなり、スピードも出る。

   右手




爪の生え際付近で弦をしっかりと捉える。速く弾く場合でも弦をちゃんと掴まなければならない。

    人差し指



 まず、スピードを上げる前に、まず1音1音しっかりと、また美しく発音することを心がけてください。美しい音を出すためには爪は弦に対してある程度の角度を持って触れる必要があります。しいて言えば45度くらいでしょうか。弦を弾く際には指先(爪の生え際付近)でしっかりと弦を掴まえなければなりません。指で弦をちょっと押す感じといってよいでしょう。



右手全体が上下しないように、弦を真上に引き上げない

 弦を真上の方に弾き上げるとギターの場合ノイズが発生しやすいので、弦を斜め上方に弾く感じになります。弦の手のひらの中央部分に引き込むような感じといってよいでしょう。またこの時手のひらや手首部分が動くとはっきり音が出せなくなりますので、弦を弾いている時に手全体が動いてはいけません。



親指は、アポヤンド奏法

 親指は出来るだけアポヤンド奏法で弾いてみてください。ちょっと難しいかも知れませんが、それによってバランスのとれた美しいアルペジオ、およびトレモロになるでしょう。また右手全体も安定するはずです(アポヤンドの際に手全体が動いてはいけない)。さらに低音が重なって響きが濁ることも避けられます。




4分音符=150/mくらいが目安

 以上のことが出来たらいよいよスピード・アップにかかります。10代、20代の人でしたら、最初はあまり速くならなくとも、練習を続けて行けば、だんだん速くなってゆくでしょう。

 目安としては譜例1、譜例2、共にメトロノームで4分音符=150くらいです。因みに私の場合、MAXで譜例1は180、譜例2は240くらいです(私の場合pimaのほうが圧倒的に速い)。




ヴィラ=ロボスの練習曲第1番

ブログ 138


 また、トレーニングとしては上のヴィラ=ロボスの「練習曲第1番」もたいへんよいと思います。「Allegro non troppo」と指示されているので、曲のしてはそれほど速くなく、4分音符=110~130くらいと考えられますが、トレーニングとして考えればもっと幅広く考えてよいと思います。

 この曲、あるいはこのトレーニングの最大のポイントは右手薬指(a指)だと思います。a指は右指の中で最もコントロールしにくい指で、アルペジオ練習の場合、如何にこの指コントロールするかがたいへん重要なことです。

 この曲の場合も最初から速さを追求するのではなく、まず、a指でしっかりと弦を捉えることに集中するべきでしょう。この時、なるべくa指を弦に近づけるような感じで弾くとよいでしょう。



薬指でしっかりと弦を掴まえる

IMGP0010.jpg



いろいろな速さで練習する

 この曲は、遅いテンポで練習してもたいへん効果があります。①4分音符=50~70、 ②4分音符70~100、 ③4分音符100~150 などの3つの段階に分けて練習するとよいのではと思います。
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