中村俊三 ブログ

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クラシック・ギター名曲ランキング 


<第2位>  アランブラの想い出 ~フランシスコ・タレガ




第2位はこの曲しかない

 第1位が「禁じられた遊び」ということになれば、第2位はこの「アランブラの想い出」以外にはない。”一般の人も含めた知名度”ということで第1位は譲ることになりましたが、対象をギターをやっている人に限定すれば、むしろこの曲の方がクラシック・ギター名曲ランキング第1位としてよいでしょう。



クラシック・ギターど真ん中

 このランキングは、基本的に曲の内容ではなく知名度および人気度によるものですが、この曲は何といってもクラシック・ギター史の中でも最も重要なギタリスト、フランシスコ・タレガの作品であること、クラシック・ギターの特徴的な奏法であるトレモロ奏法を用いた曲など、”クラシック・ギターど真ん中”の曲で、いろいろな意味でクラシック・ギターを代表する曲といってよいでしょう。生まれも育ちも言うことない!


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「アランブラ」とは「赤い城」という意味で、本来「アランブラ宮殿」という必要はない。水を効果的に用いた庭園が美しいそうだが、残念ながら私は行ったことがない。



名所と名曲の相乗作用

 さらにタイトルの”アランブラ宮殿”もスペインを代表する名所で、この曲の知名度アップにこのタイトルも大いに関係しているでしょう、まさにネーミングの妙と言えます。また逆にこの曲でアランブラ宮殿を知り、それがきっかけで実際にアランブラ宮殿を訪れた人も少なくないのではと思います。名所と名曲の相乗作用といえるでしょうか。


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アランブラはスペイン南部の都市、グラナダにある



1896年頃作曲

 この曲はリウス著の「フランシスコ・タレガ」によれば、1896年頃、現在残されているものとはやや違った形で作曲され、1899年には「即興曲~グラナダへ アラビア賛歌」としてコンチャ夫人に献呈されています。現在演奏される形、および「アランブラの想い出()」として出版されたのはタレガの晩年の1907~1909年頃のようです。



タレガのリサイタルのプログラムには載っていない

 ではこの曲がいつ頃からタレガの代表作、あるいはクラシック・ギターの代表的な名曲となったかということですが、少なくともタレガは「アランブラの想い出」として自らのリサイタルのプログラムには載せなかったようです。タレガのリサイタルは他の作曲家の作品の編曲が中心で、自らの作品は「グラン・ホタ」や「ベニスの謝肉祭」以外はほとんどプログラムには載せていません。



非公式には弾いていたかも

 タレガは曲目など前もって決めずに、気の向くまま自由に弾くのが好きだったようで、おそらくアンコール曲のような形で自らの作品を演奏していた可能性は十分にあり、そうした場でこの曲が演奏されていたことはありうるでしょう。また自宅で弟子や訪問客に聞かせていたことも考えられるでしょう。場合によっては曲名などを告げずに演奏していたことも考えられます。


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この曲名、およびこの譜面で出版されたのは1907~1909年頃。 この曲が有名になったのはこれ以降と考えられる



一般的に演奏されるようになったのは没後と考えられるが

 しかしこの曲が一般の愛好者に演奏されるなど、人気曲となるのは、やはりこの譜面の出版後、つまりタレガの没後ということになるのでしょう。もともとアランブラ宮殿のイメージで曲が書かれていることは間違いないことですが、「Recuerdos de Alhambra」とタイトルがすっきりしたこともこの曲の一般への浸透を助けたのでしょう。



1927年にセゴヴィアが録音

 この曲がタレガの代表作、およびクラシク・ギターの代表曲となるのにそれからあまり時間はかからなかったでしょう。1927年にセゴヴィアが録音していますが、それが世界初録音かどうかはわかりません。少なくともこの時には、この曲が押しも押されもしないクラシック・ギターの名曲中の名曲としての地位を得ていたでしょう。

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