中村俊三 ブログ

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クラシック・ギタ名曲ランキング


<第4位>

アランフェス協奏曲   ホアキン・ロドリーゴ作曲




ギター協奏曲としては格段の知名度と人気

 一般のクラシック・音楽ファンにとっては、やはりこの曲が最も身近な曲でしょう。各レコード会社から出ている「クラシック名曲100選」といった企画には必ず含まれる曲です。ギター協奏曲としては他の曲に比べ、格段の知名度と人気を誇る曲で、他の楽器も含めた協奏曲の名曲でもあります。

 したがって、LPやCDなども非常にたくさん出ていて、私自身でも、特に集めているわけではありませんが、いつのまにか少なくとも10数種類の演奏がCD棚に収まっています。



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アランフェス協奏曲のCDいろいろ。私のコレクションの一部。順にウィリアムス、パークニング、村治佳織、セルシェル、ぺぺ・ロメロ。いつの間にかたくさんたまってしまった。中でもウィリアムス、イエペス、ブリームなどは3種類ずつある。たぶん⒑数種類以上はあると思う。




 しかし一方で、独奏曲ではなく、また愛好者が弾くには難しすぎるので、熱心に練習に励む一部のギター・ファンの中
には、あまり知らないとか、興味がないといった人も意外といます。
 


フィギャー・スケートにも登場

 かつてはジャズ奏者とかフラメンコ奏者なども演奏していましたが、最近ではあまり聴かなくなりましたが、最近ではフィギャー・スケートで時折この曲を聴くようになりました。選手は忘れましたが、この前のテレビ放映で誰が使っていましたね。

 最近ではフィギャー・スケートがきっかけでクラシック音楽に興味を持ち始める人も最近多くなったのではと思います。トリノ・オリンピックの時に荒川静香さん使用した「トゥランドット」などその一例ですね。フィギャー・スケートをやる人はきっと音楽にも詳しいのでしょうね。



当初はセゴヴィアに献呈する予定だったが

 この曲は1940年、つまり第2次世界大戦中にレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサにより初演されています。当初はアンドレス・セゴヴィアを演奏者に予定していたのですが、セゴヴィアが戦禍を避けて南米にいたので、代わりにセゴヴィアと並んで当時著名なギタリストだったデ・ラ・マーサに依頼したようです。



結局セゴヴィアはこの曲を弾かなかった

 状況的にはやむを得なかったことと思われますが、セゴヴィアとしては当然自分が初演するはずだった曲が、ライバル関係にあったデ・ラ・マーサが演奏することになり、その後この曲を一度も弾いていません。ロドリーゴもそのことを気遣ってセゴヴィアに「ある貴紳のための幻想曲」を作曲しています。
 


メロディの美しい第二楽章が中心

 この曲が最も有名なギター協奏曲になったのは、何といってもたいへん美しい第2楽章によるものです。ふつう協奏曲というのは第1楽章が中心で、第2楽章は”箸休め”的な感じがあります。しかしこの曲に関しては明らかに第2楽章が中心となっています。



ロドリーゴにしては美しすぎる?

 長さ的も第2楽章が10分ほどあるのに対して、両端楽章は5分となっていて、作曲者も第2楽章にウエイトを置いていたことがわかります。ある辛口の批評家によれば、この第2楽章の旋律は「ロドリーゴが作曲したにしては美しすぎる」のだそうですが、過去の教会音楽などからの引用しているとも言われています。

 この第二楽章「アダージョ」が有名過ぎるので、影が薄くなってしまった第1、第3楽章ですが、こちらもなかなかの素晴らしい曲で、リズムと華麗なオーケストレーション、決して第2楽章にひけは取らないのではと思います。



協奏曲のコンサートではアランフェスに集中しすぎ

 ただ、若干残念に思うのは、コンサートでギター協奏曲を演奏する場合、ほぼ100パーセント、このアランフェス協奏曲になってしまうことでしょうか。独奏のコンサート場合、いくら有名だからと言ってもいつも「禁じられた遊び」や「アランブラの想い出」を演奏するわけではありません。むしろそういった曲を避ける傾向さえあります。


興行的理由が優先

 協奏曲を演奏するには、当然オーケストラが必要となり、独奏とは比べ物にならないくらい費用がかかります。とすれば少しでも観客が入るプログラムということで、どうしてもこの名曲に頼ることに」なってしまうのでしょう。興行的に冒険は出来ないということでしょうか。それというのも、結局この曲が有名過ぎるということでしょう。



他にもよいギター協奏曲はたくさんあるのだけど

 アランフェス協奏曲以外にも優れた、美しい、あるいは面白いギター協奏曲はたくさんあり(ヴィラ・ロボス、ポンセ、テデスコ、ジュリアーニ、アーノルド、ブローウェルなど)、別の機会にでも、そういった曲を紹介したと思います。

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