中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

前回の記事で

 前回の記事で、今年の3月に発売された荘村清志さんのCDに武満徹の「12の歌」全曲が含まれるように書きましたが、実際に購入してみると、収録されているのは12曲ではなくビートルズの4曲のみでした。ちょっと早合点してしまいました。

 この2枚組のCDには、荘村さんのデビュー・アルバムである「テデスコ、ポンセ」と2枚目の「アランブラの想い出」他の2枚のLPの曲全曲と「12の歌」からビートルズの「ヒヤ・ゼア・アンド・エブリウェア」、「ミッシェル」、「ヘイ・ジュード」、「イエスタディ」の4曲が含まれています。


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荘村さんのデビュー45周年記念のCD。どちらかと言えば親しみやすい曲の録音の多い荘村さんだが、デビー・アルバムはテデスコとポンセという硬派なもの。この当時は日本人でこうした大曲を録音する人は少なかった。

 荘村さんの「12の歌」は世界初録音ということになりますから、ぜひとも全曲復刻してほしいものです。



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武満と言えば、この4月にはナクソスから福田進一氏の「ギター独奏作品集」が発売された。価格も1000円とちょっとなので、ぜひお薦め。




クラシック・ギター名曲ランキング

<第20位>  バッハ作品集 (J.S.バッハ)




「Q&A」はどこに?

 このランキングを始めた時にはもっと手短にやるつもりだったのですが、意外と手間どってしまいましたね(いつものこと?)。ところで行ってしまったのだろう?

 と言った訳で、いよいよ最後の20位の発表で、ようやくこのタイトルも無事着地となります。おっと、まだお薦めCDの紹介も約束していましたね、私の教室の生徒さんのためにも、これは忘れずやっておきましょう。



曲名にはなっていないが

 それにしてもこの20位の「バッハの作品」というのはランキングとしては極めて不適切ですね、あまりにも括りが大きすぎて全く「曲名」にはなっていません。「カタルーニャ民謡集」や武満徹の「12の歌」など若干問題のあるランキングもありましたが、一応一つの作品と言えなくもないところもありました。

 しかしバッハのどの曲をランキングに入れるかとなると、本当に困ってしまう。せめて「バッハのリュートのための作品」くらいにしようかとも思いましたが、それも中途半端。こうなったら下手に考えるより、堂々と開き直るしかない!



作曲者別では第1位かも

 バッハ自身ではギターのための曲など1曲も書いていませんが、現在行われているクラシック・ギターのリサイタルのプログラムをみると、その大半のプログラムにバッハの作品が登場しています。バッハの作品のないプログラムのほうが、かえって少数派かも知れません。

 またバッハの作品を弾かないギタリストというのも非常に少ないのではと思います。おそらく現在クラシック・ギターのコンサート、あるいはCDなどの取り上げられる作曲家としてはソル、やタレガなどのギタリストを抑えてナンバー1かも知れません。



演奏にお薦めの曲

 コンサートやCDで鑑賞する上では、バッハの作品はすべてお薦めというところですが、実際にギター演奏するとなると弾きやすい曲とそうでない曲があると思いますので、演奏する上でのお薦めの曲を挙げておきましょう。もちろんバッハの曲を演奏するには、それに足りるだけの基礎力が必要で、演奏だけでなく、基本的な和声法も学ぶ必要があるでしょう。 



 ★サラバンドとドーブル(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番ロ短調)

 添え書きのとおり、この曲は独奏ヴァイオリンのための曲ですが、重音が多く、ヴァイオリンで演奏するのはかなり難しい曲だと思います。 しかしギターで演奏する場合には特に難しいところもなく、むしろ弾きやすい曲と言えます。ギター独奏で始めてバッハを弾く場合、最適の曲でしょう。

 編曲譜も多数出ていると思いますが、原曲のまま手を加えないでも演奏出来ます。しかし和音の配置などはヴァイオリンとギターではやはり異なるので、適切にギターに編曲された譜面を用いるほうが良いでしょう。また若干の音の追加や、トリルなどの装飾音などもあった方がよいでしょう。

 「ドゥーブル」はサラバンドの変奏部分で、原則的にはサラバンドと同じテンポで演奏すべきなのでしょうが、幾分速めのテンポを取った方が流動感が出ると思います。しかしあくまで「サラバンド」の範囲です。

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私のアレンジ。ほんの少し音を加えている。演奏の際には2回目(繰り返し)は装飾を加えている。

 


 ★プレリュード(チェロ組曲第1番)

 アルペジオ風のプレリュードで、一般的にもよく演奏される曲と言えます。原曲はト長調ですが、ギターでは普通ニ長調に移調され、比較的弾きやすい曲と言えます。

 


★アルマンドとブーレ(リュート組曲第1番 BWV996)

 「ブーレ」のほうは完全な2声で書かれた曲で、やはり比較的弾きやい曲と言えます。しかしふたつの旋律、特に低音部を聴き取るのはそれほど簡単ではなく(弾くよりも、聴くほうが難しい)、十分に注意する必要があります。低音部のみを弾いてみたり、二重奏で弾いてみるとよいでしょう。

 また1拍目と3拍目にアクセントが来るのですが、あまり強すぎてもよくないでしょう、強くというより、この1、3拍目の4分音符をやや長くするといったような感じで弾くとよいと思います。

 「アルマンド」もなかなかよい曲ですが、ブーレよりは少し難しくなります。16分音符をレガート、かつ流動的に弾く必要があり、二つの声部の弾き分けも必要です。左手の合理的で滑らかな動きが要求されます。




 ★ガヴォット(チェロ組曲第6番)

 このチェロ組曲は「5弦チェロ」つまり通常の最高音弦「ラ」の上に「ミ」の弦を追加した楽器のために作曲されています。第1弦が「ミ」ということはつまりギターと同じ1弦ということになります。そういった関係からこの曲はたいへんギターに合っています。

 セゴヴィアは原曲ニ長調を1音上げてホ長調に編曲していますが、原曲どおりニ長調で問題ないでしょう。ニ長調の方がかなり弾きやすく、いずれはこの組曲(チェロ組曲第6番)の他の曲も弾くことも考えると、ニ長調でアレンジされた譜面を使うほうがよいでしょう。

 この曲もチェロの譜面をほとんどそのままギターで弾くことが出来ます。もちろん若干音を加えてもよいですが、原曲のままでもほとんど不足は感じられません。私自身では全く音を付け加えないで弾いています  ・・・・・いや、2、3個くらいは足しているかな?




 ★アンダンテ(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番)

 この曲は原曲ハ長調で、協奏曲の第2楽章のように8分音符の低音の上に美しいメロディが流れる曲です。上記の曲などよりもギターで演奏される機会は少ないですが、弾きやすく、美しい曲で、特にお薦めです。

 この曲もヴァイオリンの譜面そのままでも演奏出来ますが、装飾音などを適宜に加えられればさらによいでしょう。バッハ自身がチェンバロのために編曲しているので、私の場合、そちらも参考にして編曲しました。

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あまり音は付け加えていないが、所々低音はオクターブ下げている。なお2回目はチェンバロ版を参考にしている




他に

 ★フーガ(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番)
 ★ガヴォット(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番)
 ★テンポ・デ・ボレア(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番)
 ★ブーレ(無伴奏チェロ組曲第3番)


などがお薦めでしょう、それぞれ上記の曲よりは若干難しくなります。




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