中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

アコラ10周年記念コンサート  6月29日(日)16:00~18:00  ひたちなか市アコラ

  演奏 :  デゥオ・フェリーチェ   中村俊三   宮下祥子






<中村俊三  演奏曲目の紹介>


  ◎グラナドス : スペイン舞曲第2番「オリエンタル」

 29日、アコラでのコンサートで私が演奏する曲目の解説です。 5月25日ギター文化館での谷島さんとのコンサートでグラナドスの「詩的ワルツ集」を演奏しましたが、今回はグラナドスの作品の中では最もよく知られている「12のスペイン舞曲」から「第2番 オリエンタル」、「第5番 アンダルーサ」の2曲を演奏します。



ギター二重奏の定番曲、独奏ではやや難しい

 このスペイン舞曲第2番「オリエンタル」は、舞曲と言っても静かに歌われるタイプの曲で、ギターではこれまで二重奏で演奏されることが多かった曲です。最近では独奏でもよく演奏されるようになりましたが、独奏の場合、伴奏のアルペジオを原曲通りに演奏するのはなかなか難しいものになります。

 したがって、独奏の場合、伴奏形のある程度の変更はやむを得ないところですが、今回の演奏では変更は最小限度にとどめました。  原曲はハ短調ですが、ギター独奏ではホ短調にすることが多く、今回の私の演奏でもホ短調となっています。 他の調も試してみたのですが、このホ短調以外ではいっそう演奏が難しくなってしまいます。






  ◎グラナドス : スペイン舞曲第5番「アンダルーサ」


何位だったかな?

 スペイン舞曲集12曲中で最も有名で、ギターや原曲のピアノはもちろん、ヴァイオリン、チェロ、ハープなどでもよく演奏されます。 当ブログの「クラシック・ギター名曲ランキング」でも紹介しましたね。 そういえば第何位だったかな? 10位くらいかな? 自分で付けたランキングだがはっきり覚えていない・・・・ 困ったもんだ。  ・・・・・・前の記事見ればよい?



ギターの場合、ほとんどリョベット編で演奏される

 ミゲル・リョベットによる編曲が有名で、ほとんどのギタリストはこのリョベット編、あるいはリョベットの編曲に若干手を加えた形で演奏しています。 これまでリョベット編と全く別の譜面や、演奏は聴いたことがありません(仮に別のギタリストのアレンジと表記されていたとしても)。 それだけリョベットの編曲が優れているということでしょうか。

 そう言った訳で、今回私が演奏するのも、基本的にこのリョベットの編曲で、それをほんの少し変更しています。それら変更も運指上や演奏を容易にするためのもので、実質の内容、および聴いた感じは完全にリョベット編といってよいでしょう。

 原曲はギターではたいへん弾き易いホ短調なので、リョベットのアレンジも原曲のままホ短調となっています。 そういった意味でも、この曲は最初からギターによく合うように出来ています。






  ◎アルベニス : マラゲーニャ  (組曲「スペイン」より)


「組曲スペイン」 と 「スペイン組曲」 とは全く別の曲? ややこしや

 アルベニスのことは、当ブログを読んでいる人だったら説明はいらないでしょう、当ブログには何度も登場しています。
この「マラゲーニャ」は「組曲スペイン」の第3曲となっています。 ところで、この「組曲スペイン」は、「グラナダ」、「セビージャ」、「カディス」などを含む有名な「スペイン組曲作品47」とは全く別の作品です。

 他の訳語で表記されることもあるかもしれませんが、権威ある国内の大手音楽出版社の譜面のタイトルでも、またウィキペディアでも、「組曲スペイン」と日本語表記されています。



何も 「組曲スペイン」 にしなくても

 この作品の原題名は「ESPANA Seis hojas album」となっていて、意味合いとしては「エスパーニャ ~6つのアルバム・リーフ」というところでしょうか。ヨーロッパでは短い作品のことを「葉」と呼ぶことがあり、シューマンなどにもそういった作品があります。 「曲」というより「葉」という方が詩的なのでしょう。

 おそらく出版社の担当者が、このタイトルを一刀両断に「組曲スペイン」と訳したわけですが、もっと他に適切な訳がなかったのでしょうか。 例えば「スペイン風6つの小品」とか 「エスパーニャ ~6葉のアルバム」とか、 「6枚のスペインの風景」とか。  

 訳語を考えるのが面倒なら単に「エスパーニャ」だけでもよかったのでは?  何も、「組曲『スペイン』」 にする必要はないんじゃないか?


 
イチャモンはこれくらいで

 とりあえず、タイトルへのイチャモンはこれくらいにしましょう。 この「組曲スペイン」は1890年頃、つまりアルベニスが作風をスペイン民族音楽的な方向に舵を切ってからのもので、特にこの「マラゲーニャ」はスペイン民族音楽、つまりフラメンコ的な要素の強いものです。



右も左もト音記号

 原曲(ピアノ)では左手でマラゲーニャのリズム・パターンを刻み、右手でメロディを歌わせるといったものですが、普通ヘ音記号で書かれる左手部分も、右手同様、ト音記号で書かれ、ピアノ曲としてはかなり音域の狭い曲となっています。



ピアノだとちょっと物足りない?

 ということはギターにアレンジした場合、全体を1オクターブ(とちょっと)下げるだけで、ほぼ完全に原曲通りに演奏することが出来ます。この曲も最初からギターを意識した作品と言えるのかも知れませんが、しかし日頃ショパンやリストなどに親しんでいるピアニストだと相当物足りない感じがするでしょうね。



#1個はト長調? それともホ短調?

 原曲はホ短調ですが、ギターの場合、1オクターブと1音下げてニ短調で演奏することが多く、私のアレンジでもニ短調となっています。 ・・・・・おっと、この表現間違っていますね、この曲は長調でも短調でもないので、こういった表現は出来ません。原曲の譜面には#が1個なので仮にホ短調、 編曲譜では♭が1個なのでニ短調と、外見上ではそう見えます。

 この曲はフラメンコでよく用いられる「フリギア調」という教会旋法を用いていて、正確には原曲は「シ」を主音としたフリギア調、 編曲は「ラ」を主音としたフリギア調と言うべきでしょうか。  ・・・・まあ、ともかくギター譜では♭1個です。



ギターで弾くと結構面白い

 またまた外見上の話になってしまいましたが、ピアノで弾くとかなりシンプルなのですが、ギターで弾くと伴奏部分と主旋律部分がそれぞれ独立していて、結構面白く聴こえます。 ・・・・やはりギターぽい曲です。

 技術的には易しいとまでは言いませんが、難曲と言うほどでもなく、また音楽的にもシンプルで、アルベニスの曲としては結構弾き易い曲だと思います。 アマチュアの方などにもっと演奏されてもいい曲でしょう。 ・・・・・・希望の方には楽譜差し上げます。

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