中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

<音階練習の仕方 4>



 前回の音階練習はハ長調の簡単な音階練習、および拍子を刻みながら正確な音価(音符の長さ)を取る練習などについてでした。  今回はハ長調だけでなく、いろいろな調の音階練習や、譜面を読みながら弾く練習などについて話をします。


折り返しなどの付いた音階練習


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譜面を読みながら弾く練習

 上の譜面はカルカッシギター教本からの音階練習ですが(最後の和音を省略)、ストレートに上下するだけでなく、若干”折り返し”が含まれています。 ということは記憶では弾きにくく、楽譜を見ないとなかなか弾けないと思います。 つまり譜面を目で追いながら弾く練習にはたいへんよいものだと思います。


かつてはこれが出来なかった

 実は私が大学のギター部に入った当初、こうしたものを譜面を目で追いながら弾くことが出来ませんでした。 それまでは曲はすべて暗譜して弾くのが当然だと思っていたので、どんな簡単なものでも初見、あるいはよく覚えていない状態で弾くということは想定外で、全く出来ませんでした。 

 特にニ長調(#二つ、下に譜例)などは瞬時に、どの音に#が付くかわからず、結局暗譜して弾いた覚えがあります。 



手当たり次第、何でも弾いていたので

 しかしその当時は、弾けるとか、弾けないとか、ポピュラーだとか、クラシックだとか、合奏、二重奏、練習曲と、何でも構わず楽譜さえあれば手当たり次第に弾いていたので(その結果左手の甲が腫れてしまったが)、だいたい3か月くらいで、簡単なものなら初見で弾けるくらいになりました。

 先輩などからは「そんなにいろいろ同時に練習してはいけない、もっと曲を絞って1曲ずつ丁寧に練習したほうがよい」といったことをアドヴァイスされた記憶もありますが、こういった練習(いわゆる乱読というか)も時には悪くないのでしょう。

 

必ず読める速さで弾く

 話がそれてしまいましたが、上の譜例のようなものは、初級から中級くらいにかけての譜面を読む練習としては最適でしょう。 譜面を読むスピードはかなり個人差がありますが、必ず自分が読める速さ、実際には本当に読める速さよりも少し遅めに弾いてください。

 そのスピードの目安としては一定のテンポで弾けるかどうかということで判断して下さい。 特に同じ音を弾き直したり、前に戻ったりしている場合は自分の読める速さ以上の速さで弾いていることにになりますので、その場合は必ずテンポを落として練習してください。

 くどいかも知れませんが、”読める速さ”で練習しないと譜面を読む練習にはなりません。



出来れば1小節先を読む

 あまり譜面を読むのが得意でない人は、本当に一個、一個の音符を読んで音を一つ弾いてゆく感じになると思いますが、ある程度読める人は、1小節くらい先を読みながら弾くようにして下さい。 こうしたことはギター以外の楽器、特にピアノなどでは普通に行っていることだと思います。

 

ギターでよく使われる調の音階練習を行う

 このカルカッシギター教本の第1部には、ハ長調の他に、ト長調、 ニ長調、 イ長調、 ホ長調、 ヘ長調、 イ短調、 ホ短調、 ニ短調、 の計9個の調の練習があり、それぞれに同様な音階練習があります。 これらの9個の調はギターではよく使われる調なので、必ず練習する必要があるでしょう。



カルカッシギター教本~ニ長調

 このカルカッシ教本についてはおそらくギター愛好者の皆さんには身近なものと思いますので、あえて譜面を載せなくてもよいかも知れませんが、ピンとこない人もいるかも知れませんので、若干譜例を載せておきましょう。


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各調の音階やカデンツァは記憶していなければならない

 上は先ほど話に出たニ長調の音階ですが、1段目のようなもの、つまりニ長調の音階そのものは覚えておかなければなりません。 これは音楽の基礎理論にもつながるので、仮にも上級者を目指すなら必ず覚えておかなければならないでしょう。

 次のカデンツァ(終止法)も和声法の基礎なので、同様に覚えておく必要があるでしょう。 なお、私の教材ではこのカデンツァは若干簡略化して、よく使われる形に直してあります。

 こうした話をすると「音楽理論は苦手なので」 という人も少なくありませんが、最小限、各調の主和音くらいはすぐに言えるようにしたいものです。 これは音楽理論と言った大げさなものではなく、ただの常識と考えて下さい。



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最初のいくつかの音階を練習すれば

 イ長調の場合はポジション移動があるので注意しましょう。 でも上の二長調をしっかり練習すれば、その延長なのでそれほど難しくないでしょう。 

 確かに9個の調の音階をすべて覚えて、その応用練習を譜面を見ながら弾けるようになるのはちょっとたいへんな感じもあるかも知れませんが、 最初のいくつかを練習すれば、後は意外と簡単に出来るようになると思います。 私の記憶でも若干苦労したのは前述のニ長調くらいまでで、その後はあまり苦労した記憶はありません。 



いろいろ違った音階練習をする必要がある

 一般に音階練習というと、たいてい特定のもの(例えばハ長調の音階とか、半音階とか)を何度もも繰り返して練習することが多いようです。 確かに指の基本的なメカニックの練習ということであれば、指の動きの方に集中するために、同じもので練習した方がよいのですが、 しかし音階練習の目的はそれだけではありません。



本当は脳でギターを弾いている

 ギターを弾くには指の動きも大事だが、それ以上に考える能力、つまり能の瞬発性も重要です。 ギターは一見指で弾いているように思われますが、実際はすべて脳でコントロールしていて、”脳で弾いている”といってもよいくらいです。

 ただ同じ音階何回も、あるいは何年も繰り返して練習していたのでは脳の方はほとんど働かなくなります。 そういった意味で、調や運指の違う音階をたくさん練習することは非常に重要なことです。 「音階練習=同じものを何回も弾く」といった練習だけではいけません。
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