中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

Q : 

 僕は小学生の頃からギターを習っていて、今高校2年生になります。 特に最近ではギターってすごく面白いなと思い始めました。 先生(ギターの)からは 「最近、君、だいぶギターが上手くなっているし、今度コンクールに出てみない? 入賞の可能性は十分にあると思うよ。 君くらいの歳でコンクールに優賞したり、入賞したりしている子はたくさんいるし」 と言われています。 

 ただ、僕自身はコンクールのような競い合いが、どうも苦手です。 プロのギタロストになるにはそうしたコンクールで賞を取らないとだめなようですが、僕はどちらかと言えば僕の先生のような、ギター教室の先生になりたいと思っています。 いろいろな人にギターの楽しさを教えることの出来る仕事って、とても素晴らしいなって思います。 

 どうしたらギター教室の先生になれるんでしょうか? 音楽大学などを卒業する必要はあるんでしょうか? またギター教室をやるためには、何か資格が必要なのでしょうか?

                                                   16歳 高校生
 




A :


そもそも若い人が

 こんな質問よくありそうなのですが、意外と最近ではほとんどありません。 確かに20年くらい前だと、そういったことをたまに相談されたるすることもあったのですが、最近はそういったことはなくなりました。 そもそも、若い人でギターを習う人が非常に少なくなってしまったという現実があります、ちょっと寂しいですね。



本当に相談されると困るが

 しかし、本当に相談されると結構困ってしまう話で、一流のプロ・ギタリストになれるのは、人並み外れた才能を持つ、ごく限られた人だけでしょう。 またギター教室の先生となれば、世界を股にかけて活躍するプロ・ギタリストよりは確かにハードルは低くなるのでしょうが、この仕事は決して安定した収入が保証されるものでもありません。 実際に相談されれば、結局のところ否定的な答となってしまうでしょう。 



周囲の反対を押し切る人だけが

 強いて言えば、周囲の人たちから強く反対されつつも、絶対その道に進みたいという、たいへん強い意志のある人だけがこの道に進むべきなのでしょう。

 もちろんこの質問はバーチャルなもので、この高校生も架空の存在です。 普通こうした若い人がギターをやりたいと言った場合、まずはギタリスト=演奏家を目指すでしょうが、ここではあえて「ギター教師を目指す」ということに限定しました。 



願望と懺悔の意を込めて

 この質問者のように、最初からギター教室の先生を目指す若者が、実際にはどれくらいいるのかはわかりませんが、ギター教室の先生になるのなら、やはり最初からギター教室の先生を目指して、いろいろと勉強してほしいという願望と、さらにはそうではなかった私自身へ懺悔の気持ちも込めて、この質問の答えを書いてゆこうと思います。

  



私の場合は

 何はともあれ、私は今現在ギター教室の先生をやっている訳ですが、私がギター教室の先生になったいきさつなどは、このブログを始めた頃の2008年に、「私のギター修行」というテーマで詳しく書きました。 若干繰り返しになりますが、私の場合少なくとも高校生の頃までギタリストになりたいとか、ギター教室の先生になろうなどと言うことは一度たりとも脳裏をよぎったことはありません。



理科系の割には機械いじりが好きでない

 私の二人の兄は技術系の仕事に就いていて、私も中学生の頃まで工業高校か、大学の工学部に行って何か、技術系の仕事に就くんだろうなと漠然と考えていました。 でもだんだんと自分は理科系の科目が得意な割には、機械いじりや、ものを作ったりと言うことがあまり好きでないことに気が付き、同じ理科系でも物理学などがの方向に進むのがいいんじゃないかと思いようになりました。



なんとなくカッコいい感じ

 高校では比較的早い時点から志望学科を理学部物理学科に絞って準備をしましたが、実際に物理学がどういった学問で、物理学を学んだ人がどういった仕事に就くかなど、そういった知識は全くありませんでした。 ただ中学や高校で数学や英語の成績よりも、物理のほうが若干点数が良く、また何といっても物理学ってなんとなくカッコよく、ニュートンとか、アインシュタインとか、物理学者って、学者の中の学者みたいな感じ・・・・・ ただそんな雰囲気でしか物理学を捉えていなかったと思います。



そんなチャライ気持では

 そんなチャライ感じで大学の物理学科に進学したために、当然のごとく3年生の時には全く授業についてゆけず、完全に行き詰ってしまいました。 もっとも大学に入学してすぐにギターにのめり込み、文字通り朝から晩までギターづくめになっていたのでその点の方が大きかったかも知れません。



他の選択肢がなくなっていた

 そうなると私の手元にはギターしかなくなり、ギターをやるしか選択肢はなくなっていました。 自分がその職業に向いているかとか、またその能力が足りているか、生活のために必要な収入が得られるのかなどを考える余地などなくなっていました。



結果的には、その後40年余り

 そんな時、大学在学中から私のギターの師である荻津先生からギター教室の仕事をいただくようになり、大学を卒業する頃(6年かかったが)には、なんとか生活できるくらいの収入を得られるようになりました。 その後約40年この延長で今日まで至り、たぶん今後他の職業に就くこともなく、私は自分の生涯を終えるでしょう。 結果的にいえばギター教師というのが私のほぼ全人生をかけた唯一の職業となるのでしょうか。



次回から ”正しいギター教室の先生のなり方”

 私の場合、十分なギターの演奏能力や、また教えるための技術なども持たないまま、また、ギター教師としての自覚も希薄なまま、”なりゆき” のようなものででギター教室の先生になってしまったところは否めません。 今後は私のような(?)ギター教師を出さないためにも、次回より ”正しいギター教室の先生のなりかた” について話してゆきます。 
  


ちなみに

 ちなみに、ギター教室の先生ではなく、一流のプロ・ギタリストになる方法は非常に簡単です。 ただギターが上手ければよい、ただそれだけです。 よく芸術家は非常に才能があっても世間に認められず、人知れず埋もれてゆくなんてケースもあるなどと言われますが、 ギタリストに限っては、その実力さえあれば必ず認められるといってよいでしょう。



実力さえあれば世界各地のコンクールで認められる

 その才能を認めてもらう場としては、現在ではなんといってもコンクールがあります。 現在GFA(アメリカ)、ミケーレ・ピッタルーガ(イタリア)、タレガ国際(スペイン)、東京国際などの国際ギター・コンクールに優勝すれば世界的なギタリストとしての活動はほぼ保証されます。 もっとも最近では前述のとおり、東京国際をの除いて、日本人ではこれらの国際ギター・コンクールで優勝した人は、残念ながらほとんどいません。 

 またクラシカル・ギターコンクールやスペイン・ギターコンクールなどの国内級のギター・コンクールで入賞すれば国内でのギタリストとしての活動の場が開けます。 



方法は簡単(?)

 こうしたコンクールでは、多少そのコンクールによって評価の傾向はあるとしても、その実力は正当に評価されるといってよいでしょう。 実力さえあればだいたいは賞に入れると思います。 優れた能力を持ちながらも審査員に正しく評価されなかったり、主催者側の都合や、コネ、やお金などにより評価が変わったりと言ったことはあまりないでしょう。

 簡単ですね、一流ギタリストになる方法は、実力だけあればよい!  ・・・・それが最も難しい?
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