中村俊三 ブログ

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バッハ:シャコンヌ再考 7  ~いろいろなシャコンヌ 6



<トマソ・ヴィターリのシャコンヌ>



バッハの次に有名なシャコンヌは

 一般にバッハのシャコンヌの次に有名なシャコンヌとしては、ヴィターリ(Tomaso Vitali 1665~?)のト短調のシャコンヌが知られています。 たいへんロマンティックな曲で、バッハのシャコンヌよりも好きだという人もいます。

 この曲が一般に知られるようになったのは、19世紀に、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の初演で知られているフェルナンド・ダヴィードのヴァイオリン曲集に収められていたことによります。



偽作?  あまりにもロマンティックなので

 曲の感じはあまりにもロマンティックなので、一時期、ダヴィード自身がバロック時代の作風を模して作曲したのではないかという疑惑も持たれていました。 しかし現在ではその疑いも晴れたようで、バロック時代の作曲家、トマーソ・ヴィータリのオリジナルに間違いないとされています。


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 曲はヴァイオリンと数字付の通奏低音の形で書かれています。 掲載した譜面は出どころ不明で、実筆譜なのか、写譜なのかわかりませんが、見た感じではオリジナルに準じたものではないかと思います。 ト短調の曲ですが、当時の習慣に従って、♭1個で書かれています(現在の書き方では、♭2個)。

 私のCDコレクションでは、イタリア出身の名ヴァイオリスト、ジノ・フランチェスカッティのものがあります。 この演奏では、フランチェスカッティ自身により独奏ヴァイオリンとオーケストラのために編曲されていて、ヴァイオリン協奏曲のような形になっています。


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クセになりそうな

 ヴァイオリン・ソロのパートは上の譜面通りですが、聴いた感じではバロック音楽とは聴こえず、ヴィニャフスキーとブルッフなどのロマン派のヴァイオリン作品のように聴こえます。 何回か聴くと、ちょっとクセになりそうな曲でね、ウワサでは元首相の小泉純一郎氏も好きだとか・・・・・

 フランチェスカッティは、私自身好きなヴァイオリストの一人で、大変ロマンティックに演奏したこのCDもなかなか面白いのですが、比較的原曲に忠実な演奏も聴いてみたいところです。 ただCDなどはあまりは出ていないようですね。




<ヘンリー・パーセルのシャコンヌ>



しっとりとした曲

 イギリスの作曲家ヘンリー・パーセル(Henry Purcell 1678~1741)のシャコンヌト短調も、やや知名度は下がるかもしれませんが、バロック名曲の一つとされています。

 しっとりとした情緒を感じる、なかなか魅力的な曲で、この曲が好きな人も少なくないでしょう。 7分ほどの曲で、ほぼ定まった低音主題のもとに作曲されていますが、特に中間部ではその低音主題が変質したり、またバス以外の声部に移ったりしています。


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ヴァイオリン3声部と通奏低音

 <4声のシャコンヌ>ということですが、オリジナルでも譜面のように通奏低音と3つのヴァイオリンのための曲だったのかどうかは、はっきりわかりません。 第3ヴァイオリンは、ヴァイオリンにしては音域がちょっと低すぎるような気もしますが、ヴァイオリンの最低音は「ソ」なので、オリジナルどおりなのかも知れません。





小胎編のシャコンヌは?

 因みに、ドレミ出版の「ギター名曲170選」の中に小胎剛氏編曲の「パーセルのシャコンヌ」が収められています。 音型や音価などはこの「4声のシャコンヌト短調」とよく似ているのですが、全く別の曲です(短調ではなく、長調)。 こちらの原曲についてはよくわかりません。

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