中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

<フィリップ・トーンドゥル オーボエ・リサイタル>

 8月11日(火)19:00   水戸芸術館ATMホール




    <プログラム>

シューマン : アダージョとアレグロ Op70

ラヴェル : ソナチネ

ボンキエッリ : カプリッチョ

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プーランク : オーボエ・ソナタ

ニールセン : 2つの幻想的小品

ケクラン : 11のモノディより「ティテュロスの休息」 ~オーボエ・ダモーレ・ソロ

パスクッリ : ドニゼッティの歌劇「ラ・ファヴォリータ」の主題による協奏曲

  *アンコール曲  シューマン : 幻想小曲集より、    ドラティ : 蝉と蟻、子守唄 

ピアノ : 加藤洋之  




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フランスが生んだ若きヴィルトーゾ、 水戸室内管弦楽団のメンバー

 水戸芸術館でコンサートを聴くのは久々となりますが、ちょうど教室の方もお盆休み中だったので、聴きに行きました。 このオーボエ奏者の名前は初めて聴きますが、水戸室内管弦楽団のメンバーの一人だそうです。

 パンフレットによればトーンドゥル氏はフランス生まれで、15歳でパリ・コンセルバトワール入学、18歳でシュトゥットガルト放送交響楽団首席、20歳で小澤征爾氏に請われ、水戸室内管弦楽団に加わったそうで、その経歴を読む限りでは、まさに早熟の天才オーボエ奏者で、若きヴィルトーゾと言えるでしょう。



やや地味だが歴史は古い

 オーボエと言う楽器はオーケストラにはなくてはならない楽器ですが、しかし木管の中では、フルートやクラリネットなどに比べてやや地味な印象があります。 しかし、その起源は古く、ギリシャ時代にも遡るのだそうで、また、18世紀にオーケストラが誕生した際にも、フルートやクラリネットに先駆けて取り入れられていました。 
 


硬派な木管

 オーケストラの中でも、オーボエはクラリネットやフルートのように音楽に彩を添えると言うより、管楽器群を”締める”、硬派な役割があるように思います。 硬派な音楽を書いたベートーヴェンには「運命」や「英雄」などでオーボエがたいへん重要な役割を果しますが、 モーツアルトの曲ではどちらかといえばクラリネットの方が印象的に使われます。



そう言えば

 リサイタルが始まってから、ふと、10年くらい前に宮本文昭さんの演奏を聴いたのを思い出しました。 その時のコンサートはリサイタルではなく、水戸室内管弦楽団の定期演奏会のソリストとして、モーツァルトの協奏曲を演奏したと思います。

 他にもモーツァルトの管楽器のための協奏曲が演奏されましたが、宮本さんのオーボエ協奏曲は特に記憶に残っています。 オーボエと言う楽器がこれほど表情豊かなものかと、改めて驚きました。 

 宮本さんはこのコンサートの後、演奏家としての活動を終えることになる、特別なコンサートだったようですが、その後指揮者として活動を再開したらしいです。
 


率直な表現

 話がそれてしまいましたが、 今日のコンサートのトーンドゥルさんの演奏は、この会場いっぱいにオーボエの音をたいへん美しく響かせ、満席の観客を、十二分に、有り余るほど魅了していました。 トーンドゥルさんの表現は、たいへん率直なもので、作曲家の書いた音楽を、ストレートに観客に届けるといった感じもしました。 



飽き足らない?

 プログラムを見ると、前半は本来オーボエ以外の楽器のために書かれた作品、後半がオーボエのためのオリジナル作品となっています。 「オーボエには数多くのレパートリーがあるので」とトーンドゥルさんは言っていますが、そのオーボエのための作品だけでは飽き足らない、貪欲な音楽家なのでしょう。 こういった点でも共感が持てます。



日本でのファンも増えそう

 プログラム全体にほぼ初めて聴く曲が多く、また20世紀の作品も多いわりには、聴いてすぐ馴染める曲も多く、親近感を持ちやすいものとなっています。 まだ25歳だそうですが、妙に力が入り過ぎたりすることもなく、自らの力量をアピールすることよりも、観客とともに音楽を楽しむといった姿勢が感じられるリサイタルでした。 彼のファンは、我が国でもいっそう増えてゆくことでしょう。
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