中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

                    
中、上級以上の場合

 前回は運指の基本的な話をしましたが、中、上級になれば当然曲も難しくなってきて、そう簡単に弾けないところも出てきます。またいかにメロディを美しく弾くかとか、なめらかに和音に移るか、あるいは出来るだけミスを少なくするかなど、いろいろ工夫が必要になってくるでしょう。指使いの違いにより、その部分がかなり弾きやすくなったり、使う弦の違いによりニュアンスがいろいろ変わってきたりもします。

 また練習では問題なく弾けるが、ステージでは弾けなくなりやすい指使いというのもあります(どちらかと言えば右手の方に多いのですが)。また手の大きさや柔軟性など、人によって弾きやすい運指も異なってきます。運指は常に一つではなく複数あり、その中から最良のものを選択するということも学ばないといけません。使う指、つまり左指の番号だけでなく、実際の指の動かし方などにも工夫は必要です。たとえば、次の指の準備の仕方などによってもかなり押さえやすさが変わるでしょう。



ハイポジションの使用や、複雑な運指が必ずしもよいわけではない

 ローポジションでも弾けるところでもハイポジションを多用したり、かなり複雑で、凝った運指で弾く人、またそのような運指が付けられている譜面もありますが、ハイポジションが必ずしもローポジションよりよいわけではありませんし、いかにも上級者的で複雑な運指が高度なものというわけではありません。シンプル・イズ・ベストで、指が動かしやすいというだけでなく、頭でも理解しやすい運指のほうが実用的です(運指が複雑だと、いざという時に混乱しやすい)。また、ハイポジションは音色が柔らかく、ヴィヴラートもかかりやすい、ポジション移動が少なくて済むなどのという長所もありますが、逆に、音がクリヤーでないとか、音程が狂いやすい(技術しだいでかえってコントロールしやすい点もありますが)などの欠点もあります。やはりいろいろな諸条件を考慮した上で決めないといけません。



開放弦を有効に活用

 開放弦は音が汚いといって、開放弦の使用を避ける人、あるいはそうした運指が付いている譜面もよくありますが、これもまた場合によってだと思います。開放弦の使用によってレガートな演奏が出来たり、ポジション移動が楽にできたりもします。また開放弦の使用は左手をリラックスさせる利点もあります。開放弦がきれいに出ないのは別の問題と考えたほうがよいでしょう。ただし開放弦を使用した時の音色や音量のギャップには十分注意する必要はあります。



運指を決めるのは耳

 その運指が弾きやすいかどうかということは、単純に指が動かしやすいかどうかではなく、音楽的なイメージと大いに関係があります。その部分のイメージがうまく自分のイメージにはまらない時、「この運指は弾きにくい」と感じます。例えばその人がその方法ではどうしても音が切れてしまうような運指で弾いているとします。その人が「何か変だな、あ、音が切れてしまっている」と気が付けば、「この運指よくないな」と思うはずです。しかし音が切れていることに気が付かなかったり、気が付いても別に変だと思わなかったりすれば、「この運指よくない」とも、また運指を変更しようとも思わないはずです。というわけで当然の結論と言えるかも知れませんが、一番大事なのは「自分の音を聴く」ということに尽きるでしょう。最終的には運指は「指」で決めるのではなく「耳」で決めるものだと思います。


 



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