中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

<音楽基礎講座 on Blog 1  速度標語>



ブログ上で基礎講座の講義の再現

 今月の13日(日)と19日(土)に私の教室で上記のような音楽基礎講座を行うので、その内容をブログの方でも書いてゆこうと思います。 音楽標語と言うのは、クラシック音楽の譜面の左上に書いてある、「Allegro」 とか 「Andante」 などと書いていある速度指定の言葉です。 クラシック音楽の場合、曲名の代わりになったりもします。



やや話の多いコンサート

 ギターをやっている人たちにとっては聴きなれた言葉だとは思いますが、正しい意味や、実際にどのくらいのテンポで弾くべきか、など、よくわからない人、誤解してしまう人などはたいへん多いのではないかと思います。 演奏をするうえで、その曲をどのようなテンポで弾くかと言うことはたいへん重要なこと、こうした言葉の正しい理解なしにはクラシック・ギターの演奏は出来ません。

 今回の速度標語の講義については、クラシック音楽の名曲のCDなども聴いていただきますが、ギター曲に関しては私の生演奏となります。 曲数の結構あるので、ちょとしたコンサートと言った感じになります。 いつもよりは、やや話の長いコンサートと言った感じです。   ・・・・いつも話は結構長い?



ちょっとマテ

 当ブログの記事は、実際の講座の日程とb前後すると思いますので、講座を受講する方は予習、復習に、また受講出来ない方でも受講した気持ちになれるのではないかと思います。 はそれでは、<音楽基礎講座 on blog 速度標語編> 開講します。 

 ・・・・・・ちょっと待って!  前回、いよいよバッハの「チャコーナ」本体、本丸に迫ると言ってなかったかったかって?  ・・・・・ウン。     ・・・・・難攻不落の城塞を前に尻込みしたじゃないかって?   ・・・・・・まあ、まあ、まあ、  とりあえず、楽しみは後に取っておくと言うことで・・・・・       引っ張るねえ。





Largo(ラルゴ) 

音楽乃友社 新音楽辞典  :   「広い」のイタリア語で、非常にゆっくりとした速度。同時に表情豊かに

小学館 伊和中辞典   :   ①幅広い、横幅のある  ②広い、ゆったりとした、ゆるい  ③多くの、広範囲の  ④気前が良い ⑤(考え方が)幅広い、とらわれない、偏狭でない、理解がある 


<例>  ドボルザーク : SY.9「新世界」 第2楽章「ラルゴ」
      ハイドン : 弦楽四重奏曲作品76-5 第2楽章「ラルゴ・カンタービレ・エ・メスト」
      ヘンデル : 歌曲「オンブラ・マイフ」
      ソル : 幻想曲作品7 第1楽章「ラルゴ・ノン・タント」



Largoは最も遅いクラス

 Largo は速度標語の中でも、最も遅いものに属します。 この後お話するAdagio や、 Grave、 Lento などと同クラスです。 これらの言葉の素体的関係、たとえばLargo と Adagio どどっちが遅いのかといった議論もありますが、 これは解釈する人により、また、時代、ジャンル、作曲家、使っている音符の種類など様々な条件でことなり、はっきりしたことはいえません。

 これらの言葉の違いは絶対的な速度ではなく、その曲の表情やニュアンスの問題と考えるのが正しいでしょう。 Largo というのは普通に使われれるイタリア語ですから、イタリア語がわかる人ならあまり説明がいらないかも知れません。




イタリア語的には「幅広い」と言った意味

 しかし普段イタリア語に接していない私たちの場合ですと、一応この言葉のイタリア語意味を多少は知っておくべきでしょう。 そこで専門的ではありませんが、伊和辞典に乗っていることも記しておきました。

 その訳語からすれば、Largo という言葉は、「幅広い」といった意味のことばのようです。 さらにゆったりと”くつろぐ”と言ったような意味もあり、理解がある、気前が良いといった意味もあるようです。 同じゆっくりでも神経質な感じではなく、のんびりとした感じということになるでしょう。



どんな曲があるか

 もちろん、言葉の意味が解っただけでは Largo がどんなテンポかはわかりません。 やはり何といっても実際にそれらの曲(Largoと書いてある曲)がどのようなテンポで演奏されているかと言うことを検証してみる必要があります。 そこで、まず最も有名な「ラルゴ」として、ドボルザークの交響曲第9番「新世界」の第2楽章を聴いてみましょう。

 
 ≪ ドボルザーク作曲、交響曲第9番「新世界」より、第2楽章『ラルゴ』  ≫   ケルテス指揮、ウィーン・フィル



ひと風呂浴びて一杯

 夕方6時ころになるとよく聞えてくる曲ですね、「家路」という題名で歌詞を付けて歌われたりもします。 仕事を終えて、家に帰り、一風呂浴びて、かわいい奥さんの顔を見ながらビールでもいっぱい・・・・・  といったような、くつろいだ雰囲気がよく出ていますね。  ・・・・・えっ、 独身者なので意味がわからない?  そこんとくる・・・・

 メトロームで測ると、この演奏ではだいたい  4分音符=40  くらいのテンポで演奏しています。 もちろん指揮者などによってテンポはまちまちですが、だいたいはこんなところでしょう。 ラルゴの場合、同じ遅さでも、ゆったりと、リラックスした感じがあります。



こんな曲はハイドン以外に書けない

 他にもう一曲良い例として、 ハイドン作曲、弦楽四重奏曲ニ長調作品76-5 の第2楽章がありますので聴いてみて下さい。 このラルゴは比較的有名で、この弦楽四重奏曲を「ラルゴ「と呼ぶこともあります。 個人的にはたいへん好きな曲で、年に2,3度くらいは聴きたくなる曲です。


 ≪ ハイドン作曲、弦楽四重奏曲ニ長調作品76-5 第2楽章『ラルゴ・カータービレ・エ・メスト」 ≫


 どうですか、肩の荷がすっかり取れるような気がしませんか?  ハイドンはモーツァルトやベートーヴェンに比べるとイマイチ的に言われますが、こんな曲はハイドン以外には書けませんね。 まさに 「ラルゴ」 と言った感じで、 幅広く、 ゆったりとして、 とてもリラックス出来る曲ですね。 何かに行き詰まった時に聴くには、たいへんよい曲だと思います。 因みにこのCDでは、4分音符=50くらいで演奏しています。



「オンブラ・マイフ」も有名だが

 他、ラルゴで有名な曲といえば、先々週アコラで弾いたヘンデルの「オンブラ・マイフ」がありますが、その時聴いていただいた人もいると思いますので、演奏は省略します。 この曲は、私の持っているソプラノのCDでは、 4分音符=64 くらいで演奏しています。 私の演奏では、それより少し遅く 4分音符=60 くらいでした (多分)。 



時代を経るごとに、いっそう遅くなってゆく

 この3曲のテンポで、気付いた人もいるかも知れませんが、バロック⇒古典派⇒ロマン派と時代を経るごとにだんだんテンポが遅くなっていますね。 要するにバロック時代では、遅い曲でもそんなに極端ではなかったのですが、だんだん時代を経るごとに遅い曲はより遅く、逆に速い曲はより速くなってきます。 だんだんにその差が大きくなってくるという傾向があります。




ギター曲では

 さて、次は私のの生演奏でギターの曲を聴いていただきましょう。 ラルゴとして有名なギターの曲としては、まず、ソル作曲 幻想曲作品7より 「ラルゴ・ノン・タント」 でしょう。 「ノン・タント」 というのは 「あまり極端でなく」 と言った意味です。 『たんと』 ではないということですね、 わかりやすいですね。



中途半端な終わり方をする

 たいへん美しい曲で、モーツァルトの名曲、「幻想曲ハ短調」を彷彿させる曲と言ってもよいでしょう。 人気曲の一つですが、半終止という文字通り中途半端な終わり方をし、原曲ではこのあとに主題と変奏が続きます。

 この「主題と変奏」もなかなかよい曲なのですが、ちょっと長めの曲なので、ジュリアン・ブリームなどは、この主題と変奏の代わりに、メヌエットやロンドなどハ長調の別の曲を、この曲の後に弾いたりしています。
 
 私としてはこの曲を、8分音符=78 くらいで演奏する予定ですが(予定通りに行けば)、他のギタリストでは、イェラン・セルシェルなどが84~94、 ブリームが78~88 くらいで演奏しています。 最近のギタリストのほうがやや速めに演奏していることが多いようです。 私のテンポはブリームの影響があるのかも知れませんね。



IMG_20151210093612354.jpg
ソル作曲 幻想曲作品7 「ラルゴ・ノン・タント」 8分の6拍子で、8分音符=80前後くらいで演奏しているギタリストが多い



2週間で13曲練習するのは結構たいへん?

 因みに、なんだかんだと、今日演奏する曲はだいぶ多くなり(13曲)、時間内に収まるかどうか心配な感じです。 先々週までアコラのコンサートがあって、今日演奏する曲の練習はそれが終わってからなので、結構たいへんだったんですよ。  多少易しい曲はあるものの、曲目は全部違い、大序曲などと難しい曲も入っていますから。  ・・・・別に頼んだわけではない? それよりも、プロならそれくらい当然?  ごもっとも。



 ≪ フェルナンド・ソル作曲 幻想曲作品7より 「ラルゴ・ノン・タント」 ≫   ~私の生演奏  演奏時間 約7分
 
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