中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

                  

<一音一音の余韻>

 今回は具体的な話になりますが、ギターという楽器は音が出た瞬間だけでなく、その「余韻」を聴くのがたいへん大事になります。「ギターとは余韻の楽器である」といったギタリストは誰だったか忘れましたが、確かにその通りではないかと思います。


次の音が鳴る瞬間まで聴く

 最も基本的な話から始めますが、まずハ長調のローポジションの音階、つまり「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」をなるべくゆっくり弾いてみて下さい。ドからレに行くとき、ドの音がレを弾く瞬間まで鳴っているかどうか聴いて見て下さい。レが鳴る瞬間までドの音が聴き取れていれば、第1段階OKということになりますが、意識を集中しないとなかなか聴き取れないと思います。仮に少し間が開いたとしても、聴き取れてさえいれば大丈夫です。このようにして次の音が出る瞬間までしっかりと音を聴きながらゆっくりと音階練習をします。そうすれば余韻を聴く力がつき、また音階をレガートに弾く力もつくでしょう。


親指のアポヤンド奏法の場合

 親指のアポヤンド奏法で、⑤弦のド-4弦のレと弾く時、ドを押さえた左指を押さえたままレを弾くとドとレが同時に鳴ってしまい、音が濁ってしまいます。この場合レを弾くタイミングで指を離すわけですが、これもしっかりと余韻を聴きながらやって下さい。音が切れても、重なり過ぎてもいけません。ただしほんの少し重ねたほうが滑らかに聴こえるでしょう。


音階が速くなってしまう人

 よく音階などを弾くと、どんどん速くなってしまう人がいます。こういった傾向を持つ人はかなり多いのではないかと思います。こういう人の場合他にも原因はありますが、一音一音の余韻を聴けていないことも原因の一つです。このように音階の一音一音の余韻を聴くように練習すると、テンポが安定することもあります。また音色も悪くないのだが、どうもメロディがきれいに弾けないという人もぜひやってみて下さい。



<二つ以上の音>

同時に二人の人から話しかけられたら困る

 普通、特に音楽的能力が優れていなくても、一つの音は聴き取れると思いますが、やはり問題なのは複数の音を弾く場合でしょう。複数の音を弾くのはもちろん単音より難しいのですが、それはもしかしたら指の問題よりも「聴き取り」の問題なのかも知れません。例えば二人の人から同時に話しかけられたら、話の内容を聴きとるのはなかなかたいへんになってしまいます。さらに3人、4人などとなったらまず一人一人の言っていることは理解出来なくなるでしょう(出来る人もいるかも知れませんが)。というわけで2つ以上の音を弾く場合は弾き方もありますが、「聴き方」も練習しなければなりません。


伴奏の付いたメロディ

 どんな曲でもよいのですが、メロディに比較的簡単な和音や低音がついているもので考えてみましょう。
まずなんといってもメロディが聴き取れているかどうかということですが、最初にメロディだけを単音で弾いてみて下さい、もちろんメロディなので出来る限りレガートにです。先ほどの余韻がちゃんと繋がっているかどうかもよく聴いて下さい。それが出来たら楽譜どおりに伴奏もいれた形で弾いてみます。さきほどのメロディだけを単音で弾いたものと同じように聴こえればよいと思います。メロディの間に伴奏の音がある場合、それをあまり大きく弾くと余韻が聴こえなくなりますから、音の大きさにも注意して下さい。また何かの理由で(押さえている指を離してしまっている、何かの指が弦に触れているなど)余韻が消えてしまっていることもありますから、ちゃんと聴こえているかどうか十分注意して下さい。これらが出来ればメロディと伴奏の大きさのバランス、さらにはよりメロディを「歌わせる」ことが出来るようになるでしょう。


低音

 次に低音ですが、やはり低い音は聴き取りにくいですからいっそう気を付けなければなりません。とくに高音と同時に弾いた場合の低音は聴き取りにくいでしょう。さきほどの曲で言えば、一応メロディのほうが聴き取れたら、今度は低音だけを聴いて見て下さい。低音は普通前後で繋がっていることが多いですから、一個一個の音を聴くというより、メロディのようなつもりで聴いてみて下さい。なかなか聴き取れなかったら、ちょっと乱暴な言い方ですが、メロディの方は聴かないで、ひたすら低音だけに集中します。つまり2人の人に話しかけられたら、たいていの人は、とりあえず片方の人の話は聴かないで、もう一人の人の話だけを聴くと思います。そしてその人の話が終わったら、もう一人の人の話を聴くのではないかと思います。そうすれば聖徳太子でなくても2人以上の人の話を聴けると思います。


開放弦には特に注意

 低音の付いたメロディなどを弾く時、押さえている音はあまり間違えないが、開放弦をよく間違える人がいます。ちょっと厳しい言い方をすれば開放弦を弾き間違える人で、ギターが上手になった人はいません。なぜかと言うと、開放弦を弾き間違える人は自分の音を聴いていない人、あるいは聴けない人ということになるからです。

そういう人の場合、

  開放弦=押さえなくてよい=簡単=あまり気を使わなくて良い=どうでもよい=弾かなくても良い

などとちょっと大袈裟かも知れませんが、そのようになってしまう傾向のある人もいます。さらには開放弦を間違える人は自分の間違いに気が付かない人がたいへん多いです。多少なりともそういった傾向のある人は開放弦は特に注意して練習して下さい。


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