中村俊三 ブログ

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<音楽基礎講座 on Blog>  速度標語  6




アデリータとラグリマのテンポ

 タレガの小品で、「アデリータ」 はLento、 「ラグリマ」 はAndante となっています。 レッスンなどでは、これらの曲のテンポがよく問題になりますので、その話をしましょう。  まず、いろいろなギタリストがこの2曲をどのようなテンポで演奏しているかということから始めましょう。


<アデリータ  Lento>

セゴヴィア(4分音符)=74
デビット・ラッセル=78
マリア・エステル・グスマン=74


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アデリータの初版譜






<ラグリマ Andante>

ラッセル=76
グスマン=70
ベルグストローム=74


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ラグリマの初版譜




レントのアデリータの方が速い?

 ラッセルとグスマンは、レントとなっているアデリータの方が、アンダンテと書かれたラグリマより速く弾いていますね。 これはいったなぜなのでしょうか? これらのギタリストはLentoやAndanteの指示を無視したのでしょうか?

 それも若干考えられなくもないですが、 一つの理由として、アデリータには「マズルカ」という副題が付いいていて、この曲はショパンのマズルカの影響で書かれています。 マズルカは基本的には速い曲ですが、ショパンにもレントのマズルカがあり、レントとはいっても基本はマズルカなので、一般にそれほど遅くは弾かれません。



同じテンポで弾くと、アデリータのほうが遅く聴こえる

 また、マズルカは、ワルツの場合と同じく、4分音符が1拍ではなく、1小節、つまり付点2分音符が1拍的なところもあるのでしょう。 そう言ったことで、ほとんどのギタリストは極端に遅いテンポは取らないようです。 また、もう一つの理由として、アダリータは4分音符中心、ラグリマは8分音符中心に書かれ、この2曲を全く同じテンポで弾くとこのようになります。

≪ アダリータとラグリマのそれぞれの前半を、4分音符=70 で演奏 ≫

 どうですか、アダリータの方が遅く、ラグリマの方が速く聴こえるでしょう? ラグリマのほうは常に8分音符で刻んでいるので、先に進む感じがありますね。 同じテンポで弾いても、アデリータはレント、ラグリマはアンダンテに聴こえるのではないでしょうか。  ・・・・えっ? 詭弁? ゴマカシ?  ・・・・まあまあ。 



私はもう少し遅く弾いている

 でも私は両方とも、もう少し遅く弾きたいと思います。 というのも2曲ともたいへん短い曲です。 速く弾けばそれだけ速く終わり、その印象も薄くなるのではないかと思います。 予定としてはアデリータは64、 ラグリマは66くらいで弾こうと思います。



≪ タレガ作曲 マズルカ「アデリータ」、  ラグリマ ≫




一般には、もう少し遅く弾くべき

 アデリータの方が若干遅めに弾きましたが、アデリータの場合、1小節1拍と取るのは、やはり無理があるように思います。 ラグリマのほうも、プロのギタリストなどは、やや速めのテンポで弾くことが多いですが、技術的に非常に高いレヴェルであれば、多少速いテンポでも曲の持ち味などが出ますが、 一般の愛好者の場合、あまり速いテンポで弾くと、表情や、曲の内容など、どこかに行ってしまいます。

 どちらの曲も、少なくとも60台くらいで演奏すべきでしょう、70以上のテンポはお薦め出来ません。 またやはり、アデリータの方が遅く弾くべきでしょう。 ただし60以下まで落とす必要はないと思います。

  

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