中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

<音楽基礎講座 on Blog>  速度標語  10


Presto(プレスト)

音楽辞典  :  きわめて速くの意。アレグロよりさらに速い速度を言う

伊和辞典  :  ①すぐに、間もなく   ②急いで   ③容易に、たやすく   ④朝早く


<例>
バッハ : 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 第4楽章
モーツァルト : フィガロの結婚序曲




 プレストはアレグロよりも速いということですが、特に固定したイメージもなく ”ただただ速い” とい言ったことのようです。 アレグロよりも速い速度標語としては、他にヴィヴァーチェもあります。






Vivace(ヴィヴァーチェ)

音楽辞典  :  はやく、生き生きと 
伊和辞典  :  ①活発な、元気の良い、快活な、すばしこい   ②(頭などの)回転が速い、鋭い   ③生き生きとした、活気ある  ④鮮明な 他 


<例> 
ベートーヴェン :  交響曲第.9番ニ短調  第2楽章「モルトー・ヴィヴァーチェ」
モーツァルト : 交響曲第41番 「ジュピター」 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」
ジュリアーニ : アレグロ・ヴィヴァーチェ


 ヴィヴァーチェは上記のとおり、速いだけでなく、活発で、生き生き、 と言った意味があります。 つまりプレストは、かなり速いが特に固定したイエージがない。 それに比べ、ヴィヴァーチェは”エネルギッシュ” といったことなのでしょう。




疾走する感じのPresto

 この違いを二つの曲で感じてほしいと思いますが、 まず、プレストの例としてモーツァルトのフィガロの結婚序曲を聴いていただきましょう。 


≪ モーツァルト作曲 フィガロの結婚序曲 ≫


 速いけれども、サーと駆け抜けてしまう感じですね、まさに 「快速」 と言った感じです。  では、ヴィヴァーチェのほうも聴いてもらいましょう。 例としては、ベートーヴェンの「交響曲第9番」の第2楽章です。




超高速のブルトーザー


≪ ベートーヴェン作曲 交響曲第9番ニ短調 第2楽章≫

 なんか、凄いですね、根こそぎ持ってゆく感じで、 超高速で走る戦車かブルトーザーみたいですね。  もちろん作曲家も違うので、当然と言えば当然かも知れませんが、「フィガロの結婚序曲」とだいぶ違いますね。




もちろん絶対的な速度の差ではない

 この 「プレスト」 も 「ヴィヴァーチェ」 もアレグロより速い速度ということですが、どちらの方が速いか、遅いかといった問題ではないことは皆さんもお分かりですね。 もちろん両者の違いは、絶対的な速度の違いではなく、その質の問題です。

 そのことはラルゴとアダージョなどとの関係と同じですが、 プレストとヴィヴァーチェには使われ方に特に ”クセ” はありません。 古典派からロマン派初期の作曲家であれば、どの作曲家もだいたい同じように使っています。




アレグロ・プレストはない

 また、「アレグロ・ヴィヴァーチェ」といった言葉はありますが、「アレグロ・プレスト」という言葉はないようです。 プレストの場合、「プレスト・アッサイ」 とか 「モルトー・プレスト」 と言った表現になるようです。 確かに「モルトー」という言葉はこのように使われるみたいですね。





ジュリアーニの 「アレグロ・ヴィヴァーチェ」

 さて、ギターの方ではジュリアーニの 「アレグロ・ヴィヴァーチェ」 を聴いていただきましょう。 基本的にこの曲は中級者を対象として書かれ、確かにそれほど難しい曲ではありませんが、 速いテンポで弾くとなると、それほど簡単ではないでしょう。 ジュリアーニとしては、どれくらいのテンポを想定していたのでしょうか。




 ≪ジュリアーニ作曲 アレグロ・ヴィヴァーチェ ≫


IMG_0008_20151220211214784.jpg
ジュリアーニとしては、どれくらいのテンポを想定していたのか? 4分音符=100以上で演奏するのはたいへん難しい



現実には60~70かも知れないが

 私の教室の生徒さんで言えば、かなり練習しても、だいたい4分音符=60~70 と言ったところでしょうか。  80以上で弾ける人はほとんどいません。 60というとかなり遅いようですが、ほとんどの音譜が16分音符なので、60でもかなり速く感じます。

 でも、おそらく”速弾き” だったと考えられるジュリアーニですから、本人は少なくとも 4分音符=100 以上だったのではと思われます。 私もそんなテンポで弾きたいと思いますが、でも真ん中くらいのところはどうしても追いつかないので、結局は90台だと思います。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





以上で <音楽基礎講座、速度標語編> 終了です

 以上で今回の速度標語についての基礎講座は終了です。 皆さん、私の極めて明解で、理路整然とした話、および演奏で、速度標語については完璧に理解出来たと思います。 

  ・・・・・・余計にわからなくなった? 全然明快でない。 同じ速度標語でも、曲によってかなり違うということしか、わからなかった?  もっと上手くギター弾け?  

 一切のクレームは受け付けません!  苦情があるなるベートーヴェンやモーツァルト、 あるいは音楽之友社の方に言ってください!  




修了試験を行います。 何を見ても構いません

 それでは皆さん、私の話を完璧に理解していただいたと思いますので、 ・・・・まあ、一部の人を除けば。  これから修了試験行います。

 当然のことながら、皆さんすべてが100点満点となると思いますが、 ハードルは思いっきり下げて、合格点は60点としましょう。 ありえないとは思いますが、60点未満の方は単位を差し上げられません。 勉強しなおして、次の機会にもう一度受講して下さい。

 では問題用紙を配ります。 なお資料等、何を見ても構いませんが、 隣の人の解答を見るようなことは厳禁です。 


スポンサーサイト
コメント
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する