中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

バッハ・シャコンヌ再考 26



重力波検出

 2,3日前、新聞やネットでアメリカのマサチューセッツ工科大学の観測施設 ”LIGO” で重力波が検出されたというニュースが流れました。 確かに重力波なるものがあるということは以前にも聴いたことがあるのですが、非常に微小な現象で、現実には観測されないだろうと言われていました。

 実際に、その現象は陽子の千分の1くらいだそうです。 分子とか、原子ではなく、陽子ということですから、メチャクチャ小さい領域での話で、よくもそのような現象を捉えたなと、本当に驚きます。 話を聴いた時には 「本当かな?」 といった疑問も感じましたが、いろいろ読むと、研究者たちの、まさに血のにじむような努力により、かなり確かな成果を得たようです。 研究者たちに心からの称賛を送りたいと思います。   Congratulation!



突然太陽が消えたら

 当たり前のことかも知れませんが、重力も波動であるなら、光同様 瞬時に伝わるわけではなく、 ”光速” で伝わります。 つまり突然太陽が消えてしまったとしても、しばらくの間(確か8分くらいだったかな?)地球はなくなってしまったはずの太陽の周りを回るということです。

 それから8分ほどしたところで太陽の引力から解き放たれて地球はほぼ直線運動に移るわけです。 しかし光も同じ速さで伝わるわけですから、地球から見れば太陽がなくなるのと、引力から解き放たれるのは同時の現象と感じるでしょう。

 もっとも、突然太陽がなくなるということはありえません。 爆発したとしてもその中心部にはかなりの質量が残るでしょうし、ブラック・ホールになってしまったとしても引力は当然残ります(安心してください、太陽は爆発することはあっても、ブラック・ホールにはなりません)。




さらに微小な現象の観測

 微小な現象の観測と言えば、今現在の宇宙空間は3次元ですが、もともとは10次元、または11次元あって、残りの7~8次元は小さい領域に縮退しているという節があり、 それを証明するために非常に近い距離での重力を測定している人たちもいるんだそうです。

 もしこの宇宙が3次元でなければ、非常に小さな領域では、これまでの物理法則から、ごくわずかな差が生まれるとのことで、それを観測するのだそうです。 それが本当に観測出来たとすると、これまでの物理学は一変するかも知れません。 



いずれは常識に

 しかしこれこそ、本当に微小な、微小な現象なので、どう考えても観測されるはずはないとは思います。 しかし最近の物理学ではいろいろなことが急速に書きかえられ、 「そんなのウソだろ」 と言ったことが2~30年後には常識になっていたりします。

 私の若い頃はブラック・ホールだのビック・バンだのクォークだの、そんなのただの空想の産物だろう、などと思われていました。 いずれは 「この宇宙は11次元で出来ている」 などということは常識になっているかも知れませんね。    ・・・・・・余計なおしゃべりが長くなりました、本題に移りましょう。







バッハ :チャコーナ 第3部 ~ニ短調



同じニ短調でも印象はだいぶ違う

 210小節から再びニ短調となり、第3部となります。 第1部と同じニ短調でも、この第3部はずいぶんと印象が異なります。まず和声的にはたいへん複雑で、どのように考えればよいのかよくわかりませんが、 Ⅳ - Ⅶ - Ⅴ - Ⅵ - Ⅳ - Ⅴ ということなのでしょうか、少なくとも最初の4小節には完全な形ではⅠの和音(主和音)は出てきません。 転調したようにも聴こえますが、そうではないようです。 

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たいへん繊細な味わい

 いずれにしても第1部のような強い緊張感はありませんが、たいへん繊細な表情を感じる部分です。 力強く、緊張感のある第1部、 おおらかでユーモアさえ感じる第2部、 そしてたいへん繊細な味わいの第3部と、それぞれが際立った好対照を成しているといってよいでしょう。 第1部や第2部と違った意味で、ヴァイオリニストやギタリストの腕の見せどころと言えます。




いろいろ紆余曲折があったが、最後にテーマが力強く回帰する

 このページの最後の段から「ラ」、つまり属音の保持音部となりますが、これはバッハのフーガなどのもよく見られ、曲が終わりに近づいていることを示しています。 さらに技巧的な部分を経て、最後に冒頭のテーマが表れます。 久々に再会した人のように、何か、とても懐かしい感じがします。 再開するまでに本当にいろいろあったからなのでしょうか。

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ギターで演奏する場合は

 ちょっと細かい話になりますが、最後から3小節目の16分音符のパッセージは、ヴァイオリンだと、当然旋律として演奏しますが、音をよく見れば ラ、 ド#、 ミ、 ソ、 シ♭、 の属9の和音になっています。

 その中の ド# と ソ の三全音(減5度)が レ と ファ の短3度に解決する形になっているので、 少なくともギターで演奏する場合はド#は次の小節までキープしておかなければならないでしょう。 つまりセゴヴィア編のようにこのパッセージをハイポジションを用いて弾くのはお薦め出来ません。


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セゴヴィア編ではこのような運指になっているが



最後の最後は完全1度で完結

 最後の最後は3和音によるⅠの和音ではなく、1度、つまり同音で終わっています。 この大曲を閉じるのは、やはり最も始原的な音程、つまり完全1度しかないのかも知れません。 確かにこの大曲の最後に鳴らされる1度(ギターでは8度を添える場合が多いが)を聴いた時、たいへん充実した気持ちになります。
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