<バッハ・シャコンヌ再考 28>
アンドルー・ローレンス・キングのハープの演奏
え、 何? 今の、聴き間違い? 最初の和音が2回鳴ったみたいだけど?
バッハのチャコーナの、ちょっと変わった編曲と演奏としては、アンドルー・ローレンス・キングのハープの演奏があります。 ハープ奏者のキングはバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番を全曲編曲して演奏しているのですが、なんと! チャコーナを楽譜にはない ”1拍目” から始めています!
最初の和音が2回なったので、 「ん? 今の何?」 と、トラックを戻して聴き直してみましたが、紛れもなく、最初の和音が2回鳴っています。
それがバッハのチャコーナの正しい姿だということなのでしょうか? あるいは、ただ気まぐれにやって見たということなのでしょうか? でも、それでは数字的な ”つじつま” は合わなくなる。 バッハって、そういうところにこだわる人じゃなかったかな? このハープ奏者の真意はわかりません。

アンドルー・ローレンス・キングのハープの演奏によるCD(ハルモニア・ムンディ)。 ハープの演奏による貴重なCDだが、、なんと、楽譜にはない ”1拍目” からチャコーナを始めている!
旋律も変えられている
その先を聴き進めると、随所に装飾音を加えているという事なのでしょうが、旋律線はあちこちで変えられています。 ブゾーニ編では、少なくとも旋律線は変えられることはありませんでした。
ちょっと高すぎかな
原曲のニ短調をイ短調に移調していますが、オリジナルを4度下げているのではなく、5度上げているようです。 つまり私たち、ギターを弾くものからすれば、オクターブと5度高くなっていると言え、これもさすがに高すぎるように感じます。
驚異のテンポ
テンポもかなりゆっくり目で、CDの表記では、17:33 となっています。 一般的に、このチャコーナは13分前後くらいで演奏され、ることが多く、遅いものでも15分台くらいだろうと思います。
余韻が重なりあう
またハープ演奏については、詳しくないのでよくわかりませんが、発音した音はアルペジオ的なものでも、音階的なものでも、すべて残り、和声に関係ない音まで残り、混じりあってしまいます。 ようするにかなり混沌とした響きとなってしまう訳です。
もっとも、原曲のヴァイオリンの場合はアルペジオとして重なるべき音が単音となってしまい、あとは聴く人の想像力に期待する形になるので、どっちもどっちと言えなくもありませんが、全部響いてしまう方が、いっそうよくわからなく感じです。
面白い1枚だが、現在は入手困難
この演奏は、ともかく個性的な演奏で、面白いといえばあらゆるチャコーナの演奏の中で最も面白い演奏かも知れません。 好奇心のある方にはぜひともお薦めの演奏ですが、 一方、最後まで聴きとおすことが難しい人もいるのではと思います。
このCDには、他に半音階的幻想曲BWV903、 リュート組曲第2番なども収録されていて、賛否両論あるにせよ、オススメの1枚なのですが、現在は入手が難しいようです。
アンドルー・ローレンス・キングのハープの演奏
え、 何? 今の、聴き間違い? 最初の和音が2回鳴ったみたいだけど?
バッハのチャコーナの、ちょっと変わった編曲と演奏としては、アンドルー・ローレンス・キングのハープの演奏があります。 ハープ奏者のキングはバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番を全曲編曲して演奏しているのですが、なんと! チャコーナを楽譜にはない ”1拍目” から始めています!
最初の和音が2回なったので、 「ん? 今の何?」 と、トラックを戻して聴き直してみましたが、紛れもなく、最初の和音が2回鳴っています。
それがバッハのチャコーナの正しい姿だということなのでしょうか? あるいは、ただ気まぐれにやって見たということなのでしょうか? でも、それでは数字的な ”つじつま” は合わなくなる。 バッハって、そういうところにこだわる人じゃなかったかな? このハープ奏者の真意はわかりません。

アンドルー・ローレンス・キングのハープの演奏によるCD(ハルモニア・ムンディ)。 ハープの演奏による貴重なCDだが、、なんと、楽譜にはない ”1拍目” からチャコーナを始めている!
旋律も変えられている
その先を聴き進めると、随所に装飾音を加えているという事なのでしょうが、旋律線はあちこちで変えられています。 ブゾーニ編では、少なくとも旋律線は変えられることはありませんでした。
ちょっと高すぎかな
原曲のニ短調をイ短調に移調していますが、オリジナルを4度下げているのではなく、5度上げているようです。 つまり私たち、ギターを弾くものからすれば、オクターブと5度高くなっていると言え、これもさすがに高すぎるように感じます。
驚異のテンポ
テンポもかなりゆっくり目で、CDの表記では、17:33 となっています。 一般的に、このチャコーナは13分前後くらいで演奏され、ることが多く、遅いものでも15分台くらいだろうと思います。
余韻が重なりあう
またハープ演奏については、詳しくないのでよくわかりませんが、発音した音はアルペジオ的なものでも、音階的なものでも、すべて残り、和声に関係ない音まで残り、混じりあってしまいます。 ようするにかなり混沌とした響きとなってしまう訳です。
もっとも、原曲のヴァイオリンの場合はアルペジオとして重なるべき音が単音となってしまい、あとは聴く人の想像力に期待する形になるので、どっちもどっちと言えなくもありませんが、全部響いてしまう方が、いっそうよくわからなく感じです。
面白い1枚だが、現在は入手困難
この演奏は、ともかく個性的な演奏で、面白いといえばあらゆるチャコーナの演奏の中で最も面白い演奏かも知れません。 好奇心のある方にはぜひともお薦めの演奏ですが、 一方、最後まで聴きとおすことが難しい人もいるのではと思います。
このCDには、他に半音階的幻想曲BWV903、 リュート組曲第2番なども収録されていて、賛否両論あるにせよ、オススメの1枚なのですが、現在は入手が難しいようです。
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