中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

<アナ・ヴィドヴィッチ・ギター・リサイタル>  6月15日(水) 18:30 小美玉市四季文化会館みのーれ


曲目

バッハ : 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調(全4楽章)

武満徹 : 「12の歌」より オーバー・ザ・レインボー、 イエスタディ

タレガ : アルハンブラの想い出

アルベニス : グラナダ、 アストゥリアス


 <二重奏、 ゲスト角圭司>

スカルラッティ : ソナタK9、 K213、 K491
武満徹 : 不良少年


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パガニーニ  : 大ソナタイ長調(全3楽章)

バリオス : 大聖堂、 神の愛のほどこし

モレーノ・トローバ : カスティーリャ組曲

  <アンコール>  バッハ : プレリュード(チェロ組曲第1番)、  ルビラ : 禁じられた遊び




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開演1時間でも間に合う

 演奏会場の 「みのーれ」 は初めて行くところで、カーナビだよりに車を走らせると、水戸市内の私の家から約40分ほどで着きました。 思ったよりだいぶ早く着いてちょっと時間を持て余してしまいました。 これなら開演1時間前に家を出ても間に合う感じです。 



ゆったりとして、落ち着いて聴ける。 音響もよい。

 会場内のイスの間隔も広めにとってあり、また前の人の頭でステージが見えにくくなることもなく、たいへんよい会場です。 ステージはかなり広く、ギターではちょっと音が聴きにくいかなと思ったのですが、実際にヴィドヴィッチが演奏を始めると、音がたいへん良く聴こえ、音響的にもかなり良いところだなと思いました。

 もちろんヴィドヴィッチの音がたいへん堅固な音であることも大きいと思いますが、視覚的な距離に比べ、聴覚的な距離はかなり近く感じます。 かつて、セゴヴィアやブリームを聴いた時のような、はるかかなたでギターを弾いているような感じとは雲泥の差です。



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原曲よりも美しい?

 さて、ヴィドヴィッチはバッハの 「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番」 からリサイタルを始めました。 原曲どおりト短調での演奏です。 プログラムには「バルエコ編」と書いてあります。 ヴィドヴィッチの音は前述のとおり、たいへん質感のある、よく通る、また美しいもので、強弱感もはっきり付いています。 

 音量の変化に比べて、音色の変化はあまり大きくないようですが、特に右手の弾く位置を変えることはあまりしないようです。 音色の変化はすべて指先で行っているようで、また、ジュリアン・ブリームなどがよく使う、硬質な音は全く用いません。

 ヴィドヴィッチの10代の頃の録音の話は以前しましたが、現在のヴィドヴィッチのバッハの演奏は大変素晴らしく、バッハの音楽を十分に堪能でき、音の美しさだけで言うなら、原曲のヴァイオリンよりもずっと美しいのではないかと思います。



スカルラッティは独奏でも二重奏でもギターによく合う

 アメリカ留学時代の友人ということで、角圭司君がゲスト出演し、スカルラッティなどの二重奏を行いました。 ヴィドヴィッチにはギターをやっている兄がいるそうで、その兄とはよく二重奏をやっているそうです。

 スカルラッティのK9とK213はよくギターでも聴く曲で、K9はスリリング、K213はしっとりとした味わいです。 K491は聴いたことはある気がしますが、ギターでは珍しい気がします。 K9とK491は角君の編曲だそうです。



全く別の曲に聴こえる

 後半のパガニーニの大ソナタは先月私も演奏した曲ですが、全く別の曲に聴こえてくる感じです。 まず何といってもテンポが速く、音もクリヤーで明るい感じです。 私が弾いている大ソナタは、もう少し重たい感じがするのではと思います。

 この曲では、左手が8度や10度で目まぐるしくフレット上を移動し、音を外したり、ノイズを発生させずに演奏するのは非常に難しいのですが、ヴィドヴィッチは何事もなく演奏し、もちろん音を外すことも、些細なノイズを発生させtることもありません。 おそらくこの会場にいる人たちには、この曲の難しさなど全くわからなかったのではないかと思います。



すこしは間違えてくれないかなと願っても

 よく、私の教室でのレッスンの際、 「どんな優れたギタリストやピアニストでも必ずミスはするものです」 などと言っているのですが、パヴェル・シュタイドルと、このアナ・ヴィドヴィッチについてはそうしたことは言えないようです。 例の10度でハイポジションに駆け上がるところなど、「少しは外してくれないかな」 などと思っても、その気配さえありません。  困ったものだ・・・・・・・

 私が演奏すると、繰り返しを多少省略しても20分以上はかかるのですが、ヴィドヴィッチの演奏を聴き終えて時計を見ると、だいたい15分くらいで弾き終えています。 会場内には私のリサイタルも聴きに来ていただいた人も見受けますが、もしかしたら同じ曲だと気が付かなかったのでは、そんなことはないと思うが・・・・・・



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ヴィドヴィッチのモレーノ・トローバ作品集 2004年録音


モレーノ・トロバを最後に置いたのは

 リサイタルの最後ははモレーノ・トローバの「カスティーリャ組曲」が演奏されました。 決して派手な曲ではありませんが、やはりこの日演奏された曲の中ではもっとも素晴らしい演奏だったように思います。 ヴィドヴィッチの音色と感性が最も合う曲だと感じました。おそらくそれを本人も意識しているので、リサイタルの最後にこの曲を置いたのではないかと思います。

 

好感度上昇中

 オマケとして、 遠くはあまりよく見えるほうではありませんが、ステージで見るヴィドヴィッチは、写真で見るより、かわいらしく見えます。 演奏の好感度も、ヴィジュアルの好感度もますます上昇の一途というところでしょうか。 
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