中村俊三 ブログ

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<ジョン・ウィリアムス コロンビア録音全集>  7


John Williams

Ingland Japan Brazil Venezuela argentina&Mexico

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収録曲

日本古謡 ~横尾幸弘  :  さくら
ドッジソン  :  ファンタジー・デビジョンズ
M.ポンセ  :  南のソナチネ
ヴィラ=ロボス  :  ショールス第1番
A.ラウロ  :  ヴェネズエラ風ワルツ第3番
クレスポ  :  ノルティーニャ
V.E.ソホ  :  5つのヴェネズエラのメロディ
A.バリオス  :  パラグアイ風ワルツ

 録音 1973年6月





ジョンが 「さくら」 を弾く?

 このLPの日本での発売は1974~5年頃だったと思いますが、何といってもウィリアムスが日本民謡の 「さくら」 を弾いたということでたいへん話題になりました。 確かに私が子供の頃からギターで 「さくら」 を弾くのは、いわば定番になっていて、いろいろな 「さくら変奏曲」 の譜面が発売されていました。

 私も中学生の頃、その中の一つを弾いていました(クラシック・ギターのレパトリーなどよくわからなかったので)。 最後はトレモロの変奏になっていましたが (当時の「さくら変奏曲」はたいていそうなっていた)、誰の編曲だったか思い出せません。 というよりあまり編曲者など気にしなかったように思いますが、この横尾編でなかったのは確かです。

 確かにギターで 「さくら」 は定番だといっても、それはあくまで日本国内、しかもアマチュア・レヴェルでの話で、外国のギタリスト、しかもウィリアムスのような世界的な超一流ギタリストがこの曲を弾くなどということは、だれも想像しなかったのではないかと思います。 



銀行マン・カット?

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国内盤のLPジャケット。 発売当時は 「ジョンがさくらを弾いた」 ということで話題となった。 ジャケットからもわかるとおり、国内盤ではこの「さくら」全面に出してのリリースだった。 ちょっと気になるのはかなり古い写真を使用していて、発売時にはこんな ”銀行マンスタイル” ではなかった。 他に適当な写真がなかったのだろうか、あるいはこの写真の方が好感度が高いと考えたのだろうか。 ただ、裏面には海外盤でも使われた写真(最初の写真)が載っていた。




クリヤーに、シンプルに演奏している

 ウィリアムスの演奏は、たいへんクリヤーな音で、あまり表情などを付けずにシンプルに演奏しています。 そのことがかえってこの曲の持ち味を出しているようです。 そう言えば確かに、お琴などでは西洋音楽のよううに、フレーズごとにクレシェンドしたり、リタルダンドしたりなど、テンポや音量を変えて、いわゆる ”歌わせる” ということはあまりやらないようですね。 



最も海外で演奏されている邦人ギター作品かも

 因みに、この横尾編の 「さくら」 は新旧2つのバージョンがあって、ウィリアムスは基本的には最初のバージョン(比較的シンプルな方)を用い、新バージョンのほうから一つの変奏のみを演奏しています。 現在ではやや長めになっている新バージョンのほうもよく演奏されるようになりましたが、 多くの海外のギタリストはこの ”ウィリアムス・バージョン” で演奏しています。

 もちろん、この横尾編は、今現在多くの日本人ギタリストによって演奏されるだけでなく、Y.セルシェルやEフェルナンデスなど、多くの著名な海外ギタリストにも演奏されています。 もしかしたら今現在、最も多く海外で演奏されている邦人作品かもしれません。



前回のLPの関係で、スペインもの以外のプログラムとなった

 この「さくら」以外はイギリスのドッジソンと、ポンセ、ラウロ、ソホ、バリオスなど南米の作品となっています。 このLPの前のLPがスペインものだったので、要するにスペイン以外の音楽を集めたLPということなのでしょう。

 ウィリアムスは友人のドッジソンの曲をたいへん積極的に取り上げていますが、現在までは、あまり他のギタリストは彼の作品をあまり演奏しないようですね。 ポンセの 「南のソナチネ」 はセゴヴィア編で、たいへん爽快に演奏しています。 名演の一つではないかと思います。 ヴィラ=ロボスの 「ショールス第1番」 も、個人的に好きな演奏です。



ヴェネズエラ風ワルツ第3番とノルティーニャはウィリアムスの愛奏曲

 ラウロの「ヴェネズエラ風ワルツ」はウィリアムスの好きな曲なのでしょう、この録音以外にも何回か録音しています。 この曲もたいへん爽快な演奏で、譜面に書かれているよる多めに繰り返しを行っていますが、長すぎる感じはしません。

 アルゼンチンの作曲家、ジョージ・ゴメス・クレスポの作品で、セゴヴィア編曲の 「ノルティーニャ」 もこの録音以外にも何度か録音していて、ウィリアムスの愛奏曲の一つと言えます。 ソホの 「5つのベネズエラのメロディ」 は、なかなか親しみやすい曲で、最近では、いろいろなギタリストに演奏されています。



ジョンのパラグアイ舞曲はこのLPのみ

 アウグスティン・バリオスの 「パラグアイ舞曲第1番」 は華やかな曲で人気がありますが、指が拡がらないと弾けない曲です。 かなり左手の負担が大きい曲ですが(右手も結構難しい!)、最近のギタリストにとっては全く問題にならないのでしょうね。 手の小さい私には全く不向きな曲ですが、それでも無理やり弾いています。

 なおあ、ウィリアムスは1977年と1994年にバリオスの作品集を録音し、また他のCDなどのもバリオスの作品を録音していますが、この 「パラグアイ舞曲第1番」 はこの録音が唯一のものと思います。
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