中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

第17回水戸ギター・アンサンブル演奏会 2


曲目紹介


イングランド民謡 : グリーン・スリーブス




イギリスはイングランドではない

 ちょっと前、「イギリスがEU離脱」 といったニュースが話題となりましたね。 さらにその前にはスコットランド独立を問う国民投票といった話もありました。 イギリスはこれからどうなるのでしょうね?

 ところで、日本語の ”イギリス” は”イングランド” の訛りですが、実際上の意味合いとしてはイングランドのことではなく、スコットランド、北アイルランド、ウエールズを含む ”グレートブリテン及び北アイルランド連合王国” のことを意味するようですね。 

 本当は同じ単語なのですが、「イングランド」 と言うとイングランド地方を指し、訛って「イギリス」 というと、国名、つまり 「グレート・ブリテン・・・・・・・・」 の意味になるのですね、 なるほど、素晴らしい! (何が?)



スコットランド人からクレーム?

 この「グリーン・スリーブス」はその北部イングランドとスコットランドの境界あたりの民謡らしく、イングランド民謡か、スコットランド民謡か、と言うことは難しいようです。 イングランド民謡とするとスコットランドの方からクレームが付きそうですが、”イギリス民謡” とすれば、スコットランドも含まれるということで、言い訳出来そうですね。 

 ・・・・・でもうっかり、前回 ”イングランド民謡” としてしまったので、このまま行くしかありませんね、スコットランドの皆様、ゴメンナサイ。 




highlands.jpg
画像の方はスコットランド(写真と曲とは全く関係ない!)。 グリーン・スリーブスはイングランドとスコットランドをまたいだ地域の民謡らしい。 詳しくはウィキペディアで。



メロディがはっきりしないことがよくある

 さて、この曲は古い民謡ですが、こうした民謡などは、よくメロディがはっきりしないことがよくあります。 特に昔はかなり違ったメロディだったようです。 今現在ではほぼ決まったメロディとなっていますが、細かく見ると、以下のような3種類くらいのメロディとなっています。
 


IMG_20160928013231e04.jpg



①は最も普通だが、よく見ると結構変わっている

 ①は1小節目のファと、3,4小節目のソにシャープが付いています。 今現在では、最も標準的なグリーン・スリーブスで、私の教材でもこの形のメロディとなっています。 聴いた感じ、ごく普通に聴こえると思いますが、よく譜面を見ると、このメロディ、ちょっと変わっています。



普通の短調なのか、ドリア調なのか?

 このメロディ譜を漠然と見ると、普通の短調(イ短調)に見えますが、本当のイ短調の場合はファに#は付きません。 ファに#が付く場合は普通の短調ではなく、教会旋法(ドリア調)と考えられます。 しかし正確にドリア調であるなら、3,4小節目のソに#が付かないことになります。

 つまり、このよく聴く①の形のメロディは、短調なんだか、教会旋法なんだかよくわからない、その中間のメロディということになります。



②はすっきりと普通の短調だが、でも違和感がある

 ②の形は、ファに#が付いていないので、これは、すっきりと、イ短調と言うことになります。 確かに譜面上はすっきりしていて、この形のメロディも実際に聴くことはありますが、なんとなく違和感があります。



③は、よりドリア調的

 ③のメロディは、特に3,4小節目のソに#が付かないので、より一層、教会旋法(ドリア調)的になります。 ドリア調の詳しい説明をすると長くなりますので、やめておきますが(どうしても気になる方はウィキペディアで)、要するに、この形は短調でも、長調でもない、別の音階、また音楽と言うことになります。

 一般に、クラシック音楽やヨーロッパの民謡などは長調か短調となる訳ですが、そうしたものとは若干違い、浮揚感とか、エキゾティックな感じなどがすると思います。 



シャープ付け忘れが気になって要件が頭に入らない

 最初にこの形のグリーン・スリーブスを聴いたのは、たしか電話のオルゴールだったと思います。 呼び出してもらっている間、このオルゴールを聴きながら、 「あれ、このグリーン・スリーブス、音間違っているんじゃないの」 と思い、要件を話している間も、ずっとこの#の付け忘れ(?)がずっと気になって仕方がありませんでした。

 しかし最近ではテレビCMなど、むしろこの形のほうが多くなりました、一つの ”はやり” なのかも知れません。 最近では私の耳も、このメロディに馴染んでしまい、むしろこのほうがしっくりくる感じがします。 なんとなく郷愁を誘う感じでいいですね。




今回のアレンジは


 因みに、それぞれの最後の方、つまり7小節目はすべて同じようにソとファに#が付いていますね、さすがに、この7小節目のソとファの#をとってしまうと終わった感じがしなくなる。

 と言ったわけで、今回の合奏のアレンジは③の形のメロディを採用しています。

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