中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

<第17回水戸ギター・アンサンブル演奏会 5>


曲目解説



<二重奏>
アルビノーニ ~ジャゾット編曲 : アダージョ



バロック名曲として人気の作品

 この曲は、バロック時代のイタリアの作曲家、トマゾ・アルビノーニの作品を、20世紀の音楽学者レモ・ジャゾットが編曲したもので、フルネームとしては 「弦楽とオルガンのためのアダージョト短調」 というものです。

 たいへんロマンティックな旋律で、1960年代からバロック音楽の名曲として親しまれてきました。 ギターでは、伝説のデュオ、プレスティ&ラゴヤのレパートリーでもあり、ギター二重奏でもよく演奏されます。


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イムジチ合奏団のバロック名曲集 アルビノーニのアダージョがタイトルとなっている



でもホンモノではなさそう

 しかし、そのアルビノーニの原曲というのは確認されず、現在ではジャゾットの完全なオリジナル作品と言われています。 確かにこの曲はアルビノーニの本当の作品とはだいぶ趣を異にしています。 全体に非常にロマンティックであるのと、和声的にもバロック時代では考えられないものが含まれます。

 1959年に発表された作品のようですが、20世紀前半には、このように過去の作曲家の名を付して作品を発表することが行われ、ギターではマヌエル・ポンセがバロック時代のリューティストのシルビウス・レオポルド・ヴァイスなどの名でいくつかの作品を書いています。

 もっとも、ジャゾットはアルビノーニの研究者だそうで、アルビノーニの名でこの曲を発表したのも、アルビノーニへの敬意の表れかも知れません。


ホンモノのほうも聴いてみて下さい

 確かに法律には抵触せず、一種の ”遊び” として行っていたものと思いますが、音楽史の研究が進んでいる今現在ではこうしたことはあまりなくなりました(たぶん)。 因みにホンモノのアルビノーニの作品にも、親しみやすいものがたくさんあります。 ヴィヴァルディなどに近い作風ですが、ヴィヴァルディよりメロディの動きが柔軟のように思います。 オーボエ協奏曲などが人気があるようです。






J.S.バッハ : パスピエ(イギリス組曲第5番ホ短調より)



バッハのチェンバロ曲から、速い無窮動の曲

 バッハのチェンバロ曲からですが、ほぼ全曲無窮動の音階で出来ています。 パスピエとはフランス起源の3拍子系の速い舞曲のことなので、曲が始まってから終わるまで(約4分くらい)、速いテンポで休みなく弾き続けなければなりません。



ちょっと間違えたからといって

 もちろん、ちょっと間違えたからといって止まったり、弾き直したりすれば、パートナーとずれてしまいます。 それどころか、ほんの一瞬遅れたり、あるいは早いタイミングで音を出したりするだけで二重奏にならなくなります。 



やはりお互いの意思疎通が

 絶対に間違えられない曲ということになりますが、 「仮に、弾き間違えた時でも、なんとか合わせるのが真の実力」 と日頃生徒さんに言っているので、それを実行しないといけませんね。 でも、そう言う時にはパートナーとの意思疎通、および信頼関係が大事になるでしょう。

  原曲はホ短調ですが、今回の演奏ではギターの音域に合わせてイ短調にしてあります。 それでも1stギターは結構高い音域となります。 第1パスピエはイ短調、第2パスピエはイ長調となり、再び第1パスピエに戻ります。






<7重奏>

モーリス・ラヴェル : 亡き王女のためのパヴァーヌ




昨年全体合奏で演奏したが

 亡き王女のためのパヴァーヌは昨年のひたちなかギター合奏フェスティヴァルで、全体合奏(22名)で行ったものです。 でも大人数の合奏では曲に合わないかなと思い、今回は7重奏で演奏することにしました。 また、タイトルの方で、”小合奏” ではなく、”7重奏” としたのは、7人とも基本的にはそれぞれ違ったパートと言うことになるからです。



メンバー一人ひとりの感性が必要

 確かに、このような曲は技術的には難しい曲ではないでしょうが、音楽的には極めて難しい曲でしょう。 メンバー一人ひとりの感性がとても重要となります。 この7重奏は女性4人、男性3人(私を含め) となっていて、どちらかと言えば女性中心のメンバーですが、その女性たちの繊細な感覚はこの曲によく合っていると思います。



よくご存じの曲と思いますが

 曲の説明はあまり必要ないかなと思いますが、ラヴェルの初期のピアノのための作品で、発表当時から人気のあった曲らしく、差ラヴェル自身によるオーケストラ・バージョンもあり、どちらかと言えばオーケストラ曲として知られています。 他にフルートとピアノのためのバージョンもあります。 またギターの独奏や二重奏などでも演奏されています。







アストル・ピアソラ : リベルタンゴ



ヨー・ヨー・マの演奏でも知られるピアソラの名曲

 チェリストのヨーヨーマの演奏で知られ、タンゴの巨匠、アストル・ピアソラの曲としては最もよく知られた曲ではないかと思います。リベルタンゴとは 「自由なタンゴ」 と言った意味で、原曲では冒頭にジャズ風のピアノ・ソロの部分があり、その後にピアソラらしい伴奏音型に乗せて、メロディを歌わせる部分となります。


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 ヨーヨーマの演奏ではピアノ・ソロの部分は省いて、後半部分のみとなっていますが、今回の演奏もそれにならって後半のみとなります。 私たちの方では、この曲を数年前に演奏していますが、アレンジのほうはその時とほぼ同じで、またメンバーのほとんどがその時に演奏しているので、 今回は練習などは、たいへんスムーズに進みました。



特に言うことはなかった

 練習中もほとんど私のほうから指示や注文を出した記憶がありません。 最初からテンポ、音量、タイミングなど自然に出来てしまったような感じがします。 今回自信をもってお聞かせできるのではと、勝手に思っています。



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