中村俊三 ブログ

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楽譜制作ソフト  5  <Scoremaker> 河合楽器




クラシック・ギターの譜面を書く人の参考になれば

 Scoremaker を購入して10日以上経ちます。 その間、二重奏曲を含め、4曲ほど楽譜を書いてみました。 確かにそれまでよくわからなかったこともわかってきて、意外とやりやすいことがわかった部分もありますが、しかし逆にやりにくいところや、このソフトでは出来ないなどもわかってきました。

 この1カ月ほど楽譜制作ソフトと苦闘してきたのですが、そろそろ、暫定的ではありますが、一応の結論を出しておこうと思います。 ただし、これらのソフトは、特にクラシック・ギターの独奏や合奏などの譜面を書くためのものではなく、ジャンルが違えば、使いやすさも全く違ってくると思いますので、これらのソフトの絶対的な評価ではありません。

 もとより私には絶対的な評価を出すほどの力はありませんが、 多少なりとも、クラシック・ギターの譜面を書く人の参考になればと思います。 もちろんかなり個人的な偏った感想ではあります。




河合楽器 <Scoremaker>  を使ってみて




◎楽譜設定



ギターとして設定するよりも

 楽譜設定とは、楽譜を書き出す前に白紙の5線を出すことですが、その時 <クラシック・ギター>(このソフトではナイロン・ギターとなっている)として設定しても、タブ譜が付いてきます。 消すことも出来ますが、ト音記号の前にカギ括弧が付いてしまい、ちょっと邪魔な感じがします。 

 また、音色がクラシック・ギターというよりアコースティック・ギターに近く、ちょっと言葉が悪いのですが、ペン・ペンというような音に聴こえます。

 したがって、私の場合は楽器の指定のない5線にグランド・ピアノの音を付加して書き始めます。 ピアノの音の方が自然で、私にはギターのイメージに近く感じられます。 こうしたことはMisic Time の場合と同じです。 しかしそのままだと1オクターブ高い音が出てしまいますので、オクターブ低い音が再生されるように設定します。 



アルト・ギターなど移調楽器を含む合奏の譜面も一応書けそう

 まだ本格的に合奏の譜面は書いていませんが、アルト・ギターやバス・ギターなどの移調楽器を含む譜面を設定するのは少々ややっこしいですが、出くなくもありません。




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 アルベニスの「タンゴ」の譜面。 このような曲ではレイアウトなども特に問題はなかった。 しかし運指の番号がかなり小さい、読めないと言う人は多いかも。  また音符の配置は見て分かる通り、4分音符などは数学的に考えれば小節の半分のスペースを占めるはずだが、それよりもかなり狭くなっている。 確かにその必要はあるが、数学的に比例するスペース配分の選択もあってよいのでは。







◎レイアウト


なかなか思い通りのレイアウトが出来ない

 結局、これがどのソフト(Music Time以外)も問題だったわけですが、 この Scoremaker は最初に各段の小節数が指定出来る点、Sibelius や Finale よりはやりやすいようです。 しかし、ページあたりの段数が指定出来ないとか、途中から各段の小節数を設定しなおせないとか、Music Time に比べるとかなり不自由です。

 そうした場合は、各段ごとに改行の操作をしないといけないのですが、これがかなり面倒で、なかなか簡単には行きません。 譜めくりの関係でページが変わる場所を変えようと思ってもなかなか上手くゆかず、結局あきらめました。 Sibelius、Finale などもだいたい同じで、基本的にレイアウトはソフトに従わないと面倒なようです。








◎音符の書き込み



音符の打ち込み自体は問題ない

 音符を書きこむことはどのソフトも特に問題ありません。 間違って打ってしまった音もどのソフトでもマウスで修正出来ますが、Finale は音符の選択がややしにくいところもあります。



画期的な自動声部割なのかも知れないが

 <声部割り> については、Sibelius も Finale も初期設定は4声になっていますが、ギター独奏の譜面の場合はほぼ4声で事足りるでしょう。 

 この Scoremaker は声部分の設定がなく、音符の上下で打ち込みソフトの方で各声部に振り分けると言う、かなり変則的な (開発者的には画期的?)システムになっているのは以前にも言った通りです。 書き手の方がいちいち声部を気にしなくても、ソフトの方で自動的に行うと言ったように出来ています。

 一見便利なようですが、書き手の方は実際に打ちこんでみないとどの声部になっているかわからず、場合によってはあり得ないような声部割りになっていることもあります。



”普通” でもよかった


 確かに打ち込んでから声部を変更したり、あるいは事前に声部を指定して音符を打ちこむことも出来るのですが、このソフトに使い慣れていないとかなり面倒、あるいはややっこしいと思います。 やはり他のソフトのように最初から声部を指定して音符を打ちこむ方が使いやすいのではないかと思います。




音符の左右の位置の調整は重用なことなのだが

 また、以前に書いた通り、Sibelius、Finale では打ちこんだ後の音符を左右に移動させることが出来ないのですが、このソフトは一応出来ます。 これは楽譜を書く方にとってはたいへん重要なことです。 まず多声部の譜面で、場合によっては音符と譜尾(音符の棒や桁)が重なってしまうことがあるので、それを調整しないといけません。

 またほとんどのソフトは16部音符などの短い音符が接近し過ぎてしまわないように数学的な比例配分よりは短い音符を長めに、長い音符を短めにスペーシングが設定されています。 さらにシャープなどの変化記号が付く場合には短い音符でもさらにスペースを取ることになります。




教材の場合は


 すると結果的に短い音符の方が長い音符よりも広くスペースを取ってしまうこともあります。 そうすると、ギターを習っている人の場合、”見た目どおりに” 長い音符を短く、短い音符を長く弾いてしまうこともあり、初中級クラスの教材では問題が生じます。

 教材として使う場合はそうしたことも修正して、なるべく長い音符は長く、短い音符は短く表記しないといけません。 この Scoremaker では限定的にではありますが、一応音符の移動が出来るので、このこともこのソフトにした理由でもあります。 しかしやはりそうしたことが非常に自由に出来た Music Time に比べるとやりにくい、こうした点では Music Time の方がずっと優れていると言えます。

  

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