中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

シニア・ギター・コンクール

 5月3~4日  石岡市ギター文化館




IMGP0050.jpg




今日石岡市のギター文化会館でシニア・ギターコンクールのシニア・エイジ部門(60~69歳)とミドル・エイジ部門が行われました。 結果は次の通りです。



 シニア・エイジ部門

第1位   種谷信一(埼玉)    <自由曲>  盗賊の歌(リョベット)、 歌と踊り(ピポー)
第2位   山本英雄(茨城)              プレリュードとアレマンデ(ヴァイス)
第3位   川田隆夫(北海道)            「社交界の小品」より作品33-1
第4位   上原和男(千葉)              魔笛の主題による変奏曲
第5位   熊谷晴功(秋田)              ラグリマ(タレガ)、素朴な歌(佐藤弘和)
第6位   長塚  彰(茨城)              グラン・ソロ(ソル)




 ミドル・エイジ部門

第1位   近藤 勲(千葉)      アリアと変奏(フレスコバルディ)
第2位   松本 聡(東京都)    パヴァーナ(タレガ)、 戦士のハープ(ブローウェル)
第3位   上原 淳(千葉)      前奏曲第2、4番(ヴィラ=ロボス)
第4位   浮海祥治(愛知)     ロンド風ガヴォット(バッハ)、 セビーリャ(アルベニス)
第5位   渡辺 洋(東京)      粉屋の踊り(ファリャ)
第6位   守賀津雄(埼玉)     プレリュード、バルカローレ、ダンサ・ポンポーザ(タンスマン)






シニア・エイジ部門

 以上の結果でしたが、シニア・エイジ 1位の種谷さんは盗賊の歌やピポーの歌の部分など、たいへん美しく演奏していました。 舞曲の冒頭など、若干指が弦を捉えきれなかった点はあるものの、終始軽快なリズムを崩さなかったのがたいへんよかったと思います。

 山本さんのヴァイスは、聴く人の気持ちを十分に捉えるところがありました。 低音もしっかりと深い音を鳴らしていたのですが、若干ばらつきがあり、 ”バス・ライン” というより ”点” に聴こえてしまったところが惜しまれます。 でもたいへん素晴らしい演奏で、審査員の評価も種谷さんと2分されました。

 川田さんはソルの作品の中では、あまり演奏されない曲を演奏しましたが、なかなかよい曲だと思いました。 たいへんしっかりと弾けており、またこういった曲に取り組む姿勢なども評価されるべきだと思いますが、カンタービレの部分とアレグレットの部分がなんとなく同じように進んでしまい、長調に変わっても、あまり変わった感じがしなかったなど、聴衆や審査員としては、何かもう一つ期待するものがあったのではと思います。 




ミドル・エイジ部門

 ミドル・エイジ 1位の近藤さんは予選のソルのエチュードもすばらしく、また本選のアリアと変奏も美しい音で、全く破たんなく演奏していました。 ただ全体に遅めのテンポで、本来速めに演奏されるべき変奏もあまりテンポを上げることなく演奏していたのが、少し気になりました。 この方の力からすれば、もう少しテンポを上げても十分に弾けるように感じました。

 2位の松本さんはブローウェルの曲を正確に弾きこなしていましたが、パヴァーナのほうで、本来あるべき低音が聞こえなかったと言う箇所がいくつかあり、ちょっと気になりました(予選でもその傾向があったかな?)。 戦士のハープのほうも、美しい音で弾けているのですが、表情の変化というか、柔軟性のようなものがちょっと欲しかったかなと思います。 

 3位の上原(淳)さんは前奏曲第2番のほうで音が出し切れなかった部分が若干ありましたが、4番の方の低音は、何か、もの凄い音で、プロ、アマ問わず、このような低音を出す人はあまりいないのではと思いました。 またその響きのヴァリエーションもいろいろあり、独特の世界感で、とても楽しめました。





予選

 予選課題曲は、シニア・エイジではコストの練習曲ニ短調(教材として有名な練習曲)で、26名の方が挑みました。 比較的弾きやすい曲だったのか、あまり大きく破たんする人は少なく、審査員の間でも 「この曲で決めるのは、かえって難しい」 との声もありました。 確かに、メロディをきれいに歌わせている人は多かったと思います。

 ただ、この曲は4弦の解放と、2弦、3弦のハイポジションを同時に弾くことが多く、その際にチューニングの乱れががかなり気になりました。 また、単独で弾く低音はたいへん大きな音で弾くが、メロディと同時に弾く低音は聴こえないなどと言ったこともよくありました。 練習の際には、メロディだけでなく、そう言った点もよく気を配らないと、なかなか予選は通りにくいのかなと思います。



IMG_0002_2017050423180389a.jpg
確かに弾きやすい曲ではあるのですが。


 ミドル・エイジはソルの練習曲ハ長調Op.35-13で、こちらはだいぶ苦戦していた人が多かったようです。 「ほとんどの出場者は、かなり難しい曲を自由曲に選んでくるのだから、この程度の曲は完璧に弾けて当たり前」 という声もありますが、この曲のようにアルペジオを弾きながら、メロディの音を、特に薬指で正確に捉えるのは、決して簡単なことではないでしょう。 

 また、最後の方のやや押さえ方が難しくなった部分を問題なく弾いていた人は非常に少なかったようです。 上手くポジション移動が出来なかったり、またセーハが出来ないなどいったことは、裏側の親指に問題があることが多いようです。



IMG_0001_201705042318354a3.jpg
見た目は簡単そうだが、薬指などで正確に現を捉えるのはなかなか難しい。 終りの方がちゃんと弾けた人も非常に少なかった



リスペクト部門、フーチャー部門

 また3日には70歳以上のリスペクト部門と25歳以下のフーチャー部門がありました。 リスペクト部門は7名、フーチャー部門は1名のエンソリーです。 リスペクト部門では岡部直明(東京都)、関明矩(千葉県)、有我等(茨城県) の三人の方が優秀賞にえらばれました。  来年はこの両部門もよりいっそうエントリー者が増えればと思います。
スポンサーサイト
コメント
コメントする
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する