中村俊三 ブログ

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中村俊三   イサーク・アルベニス作品集(CD) 
    


           2017年9月発売   2000円+税



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収録曲紹介    スペイン組曲作品47より   アストゥリアス、 グラナダ、 カディス、 キューバ、 セビージャ




グラナダ  ~オリジナル4の1曲

 前回はアストゥリアスの紹介をしました。 今回は2曲目の「グラナダ」です。 この曲は1886年頃、当初からこのスペイン組曲の中の1曲として、また 「グラナダ~セレナータ」 という曲名もアルベニス自身によって付けられたものです。 つまりスペイン組曲の ”オリジナル4” の一つということになります。

 因みに ”オリジナル4” の他の3曲は 「カタルーニャ」、 「セビージャ」、 「キューバ」 です、「セビージャ」、 「キューバ」 はこのCDに収録しましたが、「カタルーニャ」 は収録していません。 当CDに収録している 「カタルーニャ奇想曲」 とは別の曲です。




スペイン的な曲を書くようになった頃の作品

 1886年頃といえば、アルベニスがスペイン的な音楽を書くようになった初期のものと考えられ、この曲も作曲技法的に見れば、特にスペイン音楽的な技法を用いていると言う訳ではなく、後期のロマン派の延長と言えるでしょう。 しかしメロディなど、その素材の一つ一つは、やはりスペインの香り高いもので、何と言ってもたいへん美しいものです。




何といってもメディが美しい

 中間部のメロディなど、アルベニスが書いたメロディの中でもひときわ美しいものではないかと思います。 アストゥリアスとはちょっと違った感じの曲ですが、ギターのレパートリーとして、たいへん人気のある曲となっているのはうなづけます。




タレガもリサイタルで弾いていた

 アルベニスとは若い頃から親交のあったタレガがギターへの編曲を残しており、またタレガのリサイタルのプログラムにもその曲名が見いだされ、比較的早い時期からギターでも演奏されていたようです。




グラナダはアランブラ宮殿もある有名な都市

 ところで、このグラナダはスペイン南部のアンダルシア地方のネバダ山脈の山あいにあり、なんといっても有名なアランブラ宮殿のある都市として知られています。

 クラシック・ギターなどやっていると、何となくスペインの地名や都市名を覚えてしまうのですが、このCDに収められている12曲中、8曲はスペインに関する地名などが曲名となっています。 



グラナダ2_22434281
曲名になっているグラナダの街 残念ながら、私はまだ行ったことがない




 私の場合、グラナダ、カディス、セビージャといった都市の ”名前” には日常的に接しているのですが、残念ながら、まだ行ったことがありません (マドリードとトレドにはほんのちょっと行ったことがあるが)。




ギターではホ長調で演奏されることが多い


 ギターへのアレンジは私自身のものなのですが、結果的には他のギタリストなどが弾いているアレンジと、あまり大きな差はないでしょう。 原曲はヘ長調で、タレガがこれをホ長調にアレンジして以来、ほとんどのギタリストがこのホ長調で演奏していて、私のアレンジもそれを踏襲しています。   ・・・・女流ギタリストのニコラ・ホールがイ長調で演奏していたが。




最初に戻るところで 「あれ?」 と思うところがあるかも知れないが

 他のギタリストの編曲と聴いた感じ、ちょっと違って聴こえる部分といえば、中間部で、最初に戻る直前とところでしょうか。 ここに原曲ではヘミオラ、つまり部分的に8分の3拍子ではなく、4分の3拍子となっているところがあるのですが (と私は思いますが)、タレガやバルエコはこのヘミオラを無視したアレンジをしています (と私には思えます)。

 ここを私のアレンジでは原曲どおりヘミオラになるようになっているので、一般的なギター・アレンジに馴染んでいる人にとっては、「あれ? ここちょっと変じゃない」 と聴こえるかも知れません。 その場合はピアノの原曲を聴いてみて下さい、一応私が弾いているように聴こえると思います。

 





③カディス 




1890年頃の作品

 このカディスは1890年頃 「セレナータ・エスパニョーラ 作品181」 として作曲された曲ですが、前述のr通りアルベニスの死後このスペイン組曲第4曲「カディス」 に ”中身だけ” 当てはめられました。 




こちらはクレームが付かない?

 こちらの方はアストゥリアスと違い、あまり中身と曲名が食い違わないせいか、あるいは元々の曲名ではあまり知られていなかったせいか、特にクレームはつかないようです。




現在ではイ長調版が主流


 この曲もタレガがギターにアレンジしていて、当時から演奏されていたようです。 タレガのアレンジはニ長調(原曲は変に長調)ですが、このニ長調版は音域が高く、なかなか演奏しにくいので、現在はイ長調で演奏する場合が多くなっています。
 
このイ長調版が一般的になったのはバルエコの影響が大きいと思いますが、20世紀の前半にもイ長調版が出版されていたようです。 私が若い頃、年配のギター愛好家の方に、たくさんのSP盤などとともに、その譜面を見せてもらった記憶があります。 頼りない記憶によれば、アスピアスの編曲だったと思います。

 でも、そのアスピアス版で演奏するギタリストはあまりいなかったようで、当時このカディスを弾く人は、ほとんどタレガのニ長調版を使っていました。 




Cádiz,_harbour
コロンブスもこの港から新大陸に向かって出航したというカディス港




バルエコ版は弾きやすいが

 今日バルエコによるイ長調版が広く用いられるようになったのは、その演奏のすばらしさと、また弾きやすさが理由と思われますが、バルエコ編には若干編曲ミスも散見されるので、この版を使う人は注意が必要でしょう。 因みに私のアレンジもイ長調で、バルエコ編の影響はありますが、基本的には私自身によるものです。





軽快なテンポで弾くのは難しい

 もっとも、どのアレンジを用いても、あまり簡単な曲とは言えず、伴奏の音型をきっちり、弾んだリズムで弾きながら、メロディを美しく柔軟に奏でるは、かなりの技術が必要でしょう。

 またアレグレットという軽快なテンポで弾くのも、なかなか難しく、私の演奏でも、あと少し速いテンポで弾きたかったところはありますが、私の力だとこのくらいが限度でしょう。   ・・・・だいたい4分音符=84くらいで弾いています。
 
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