中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

クラシック・ギター

エレキ・バンド

 ビートルズが活動始めたのは1961年頃だそうですが、私が中学に入学した頃(1963年)から日本での人気が高まり、テレビからは日本人の歌手などがビートルズの曲を歌っているのが、よく聞こえていました。またその頃エレキ・ギターによるバンドのベンチャーズなども人気が高まり、いわゆる「エレキ・ブーム」が到来と言うことになります。しばらくしてタイガースやブルー・コメッツなど日本人によるバンドも登場し、「GSブーム」に移行して行きました。


言葉の上だけ

 私の方は、エレキ・ギターにはどうも馴染めず、自分のやっているギターはそれとは全然違うものだと感じるようになりました。エレキ・ギターが流行ったことで、自分がやろうとしているものはそれとは別で、「クラシック・ギター」と呼ばれるものだと認識するようになりました。当時言葉の上では「クラシック・ギター」ということは認識出来ても、実際上はクラシック・ギターについてほとんど知識がなく、どんな曲があるのかさえもわかっていませんでした。実際にはそれまで映画音楽や、日本の歌しか弾いていなかったわけですから。


サッカーと受験勉強

 1966年に栃木高校に入学しました。この高校は県内でも有数の進学校で、中学まではほとんど家で勉強などしませんでしたが、さすが高校に入学してからは家で毎日3時間くらいは勉強するようになりました。それでも成績の方は良くも悪くもない程度でした。高校ではサッカーをやっていた話は前にしましたが、練習が終わって家に帰ると7時は過ぎていて、それから食事をして3時間ほど勉強するとほとんど時間は残りません。したがって高校に入ってからはギターを弾く時間はだいぶ少なくなり、どちらかと言えば前に覚えた曲を弾くだけで、新たに曲を覚えることはあまりありませんでした。


多少時間が出来て

 3年生の夏くらいまでは毎日のようにサッカーの練習に出ていましたが、その頃からは受験勉強などの関係で「引退」ということになり、練習には毎日は出なくなりました。もっとも他の同学年の部員はずっと前にやめていました。それにより確かに家での勉強時間は増えましたが、それでも時間が出来るので、ギターの方もただ今まで弾いていた曲を弾くだけでなく、本格的なクラシック・ギターの曲を弾いてみようと思いました。


知らないことがかえってイメージを膨らます

 とは言っても、当時の私にはクラシック・ギターの知識や情報など全くありませんでした。楽譜は多少あったようなのですが(後からわかったことですが)、クラシック・ギターのレコードなどは全くなく、せいぜいテレビのギター教室から断片的聞こえてくる程度でした。私の周囲にクラシック・ギターをやっている人もいなく、クラシック音楽そのものに興味のある人もいませんでした。私の中では「クラシック・ギター」という言葉だけが先行していて、その内容については全くわからないままでしたが、それがかえってイメージを膨らませて、クラシック・ギターとは、これまで経験したことのない、とてもすばらしいものではないかと感じていました。


曲名と譜面(ふづら)で

 当時クラシック・ギターについて、唯一の情報としては、楽譜の裏面にある曲目のリストだけでした。そのリストを眺めながら、いかにもクラシックらしい名前の曲を何曲か目をつけ、さらに楽器屋さんでその譜面の模様を眺めて、特に難しそうに見えるものを選んで買いました。その曲がソルの「アンダンテ・ラルゴ作品5-5」で、確かに作曲者名も、曲名もいかにもクラシックっぽい名前で、楽譜のほうも細かい音符が多く、譜面(ふずら)はかなり難しそうに見えました。楽譜の裏に作品や作曲者の解説があり、「フェルナンド・ソル」が古典派時代の有名なギターの作曲家だということを知ったのはこの時です。実際にその曲がどんな曲だか全くわからないのですが、その曲名と譜面、あるいは解説などからすると、何かとても凄そうな曲に感じました。


相当ひどかった?

 確かになかなか難しい曲でした。速い曲ではないので、技術的に難曲とは言えないかも知れませんが、和音や細かい音符(16分音符や32分音符)が多く、当時の私の読譜力からすると難し過ぎたと思います。どのように弾いていたのかは詳しくは覚えていませんが、相当めちゃくちゃだったのは確かでしょう。その後しばらくその曲を弾いていませんでしたが、一昨年30数年ぶりに弾いてみました。渋くてなかなかよい曲ですが、今弾いても易しい曲ではありません。


名曲中の名曲「アルハンブラ宮殿の思い出」

 それから少しして、サッカー部の仲間と話している時、
「○○はすげーよな、アルハンブラの想い出弾けるんだってよ、なんといってもアルハンブラの想い出はクラシック・ギターの名曲中の名曲で、すごく難しい曲だっていうじゃん」

 当時の私はこのあまりにも有名過ぎるギターの名曲も知らなかったのです。自分が知らなかったことにも、特にギターをやっているわけではない同級生が知っていることにも、なんといっても他の高校生が弾けるということにも大きな衝撃を感じました。もちろんすぐに楽譜を買いに行き(実は家に楽譜がすでにあった!)、練習を始めました。トレモロは前にやったことがあるので、あまり問題はなく、またその前にやったアンダンテ・ラルゴが難しすぎたせいか、楽譜を読むことについては、あまり難しさは感じませんでした。かなりむきになって練習したので、一週間とはかからず覚えたと思いますが、ただ曲の感じがいまいちピンときません。一度ラジオの深夜放送でイエペスの演奏を聴いたのですが、あまりいい曲とは感じませんでした。その曲の感じやよさがわかるようになるには、それから半年くらいかかりました。


サッカー2


栃木高校サッカー部時代の私(下)。 FW、公式戦約10試合で、2得点、1アシスト
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