中村俊三 ブログ

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中村俊三  イサーク・アルベニス作品集

      

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       2017年9月発売  2000円+税





<収録曲紹介>

④ キューバ



キューバってスペイン?

 「キューバ」 は原曲のスペイン組曲の最後、8曲目で、当初からこの組曲の中の1曲として作曲された曲の一つです。 でもスペイン組曲に 「キューバ」 というのもちょっと変ですが、当時キューバはスペインの植民地で、キューバもスペインの一地方だったのでしょう。



リズムは典型的なスペインのもの

 曲の方は、今現在のキューバ音楽とはあまり関係がなさそうで、当時キューバの音楽といえば、ハバネラ (ハバナ風と言う意味)が有名ですが、ハバネラともあまり関係がなさそうです。

 8分の6拍子で書かれていますが、4分の3拍子と交錯するようになっていて、どちらかと言えば典型的なスペインのリズムと言えます。 明るく美しいメロディの曲ですが、この交錯するリズムが、その美しいメロディをとても引き立てています。




バルエコ以来ギターでも演奏されるようになった

 これまでは、あまりギターで演奏されませんでしたが、1980年代にマヌエル・バルエコがギターにアレンジして演奏して以来、ギターでもある程度弾かれるようになりました(頻度は多くないが)。 




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私のバージョンはニ長調

 原曲は変ホ長調(♭3個)で、バルエコは半音上げて(実際は11度下げているが)、ホ長調に移調しています。 それに従い、一般にはこのホ長調で演奏されることが多いようです。

 私も当初、このホ長調版d弾いてみたのですが、意外と上手くゆかず(技術が足りないだけ?)、 1音下げてニ長調にアレンジしてみました。 つまりバルエコ編は原調の半音上、私のアレンジは半音下という事のなります。

 私のバージョンは1音低い分だけやや渋く聴こえるかも知れませんが、中間部はト短調となって、よりいっそうしみじみした感じは出せると思います。 




クレーマー?

 またまたバルエコ編にクレームを付けるようで、恐縮なのですが、このバルエコ編で弾く愛好家やギタリストが多いので、はやりコメントしておきましょう。 バルエコは、なぜが中間部の後半の繰り返しを省略しています。 8小節ほどなので、CD(あるいはLP)などの収録時間の関係とも思えません。

 中間部が冗長になることを避けるためかも知れませんが、それなら中間部の前半の方の繰り返しを省略すればよいのではと思います。 この中間部の前後半をA、Bとすると、原曲では A A B B  A となっています。 バルエコ編ではそれを A A B  A としている訳ですが、これではAが3回で、Bが1回と言うことになって、バランスが良くないのではと思います。

 基本的には繰り返しを省略すべきでないと思いますが、省略したとしてもバランスを考えるべきではと思います。 他にも気になる個所はあるのですが、ちょっとうるさくなるので、やめておきましょう。  ・・・・・・・もう、十分に ”五月蠅い” ?




原曲をよく知った上でなら

 バルエコ編というと、一般的には ”原曲に忠実” といったイメージがありますが、実際にはそうではないようです。 バルエコ編は、確かにタレガやリョベットなどのアレンジに比べて弾き易い点はあって、かなり実用的なアレンジなのですが、 バルエコ編を用いる時には、かならずオリジナルの譜面と比較する必要があると思います。

 原曲を知った上で、なお且つバルエコの方法に共感を感じるなら、もちろんバルエコ編に忠実に弾くことに何の問題もないでしょう。



かなり苦労はしたが、出来上がってみるとなかなかいい

 またまた話がそれてしまいましたね、このニ長調版でもやはり音の出しにくいところは多々ありますね、結構苦労しました。 確かにテンポなども少し速くすべきだったのですが、こうしてCDとして出来上がった感じでは、結構聴けるというか、「わりといいんじゃないかな」 といった感じもします。






⑤ セビージャ


セゴヴィアはリサイタルの最後にこの曲を演奏していた

 このセビージャはアルベニスの作品の中でもアストゥリアスと並ぶ人曲で、たいへん華やかで軽快な曲です。 同じ華やかさでも、アストゥリアスが ”陰” なら、セビージャのほうは ”陽” ということになるでしょう。 アンドレス・セゴヴィアの愛奏曲の一つで、アストゥリアスとともに、リサイタルの最後などに演奏していました。





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セビージャはアンドレス・セゴヴィアの愛奏曲の一つで、リサイタルの最後に演奏していた




変則チューニングで弾く代表的な曲

 ⑤弦=ソ ⑥弦=レ の変則チューニングの代表的な曲で、このチューニングに曲がピタリとはまります。 もともとがピアノ曲だということを考えると、偶然にしてははまり過ぎですね、まさかそこまで考えてアルベニスが作曲したわけではないと思いますが、このチューニング以外のアレンジは、まず考えられないでしょう。



最後に弾くのは、このチューニングにも関係がある

 この曲はリサイタルの最後に演奏される理由の一つに、この変則チューニングも関係しています。 もちろんプロのギタリストであれば、曲間にチューニングを変えることなど、なんでもないことですが、一度この変則チューニングを行った後、通常のチューニングに戻すと、演奏中にチューニングが不安定になりやすくなります。



CDの場合は関係はないけど

 もちろんそのことも考慮してチューニングを行うのですが、それでも余計な心配が増えることになります。 そうしたことを気にするギタリストもいれば、全く気にしないギタリストもいますが、私自身もこうした変則チューニングの曲は最後に弾きたいと考える方です。    ・・・・・・・・もちろんCDの場合は関係がないので、このCDでは5曲目となっている。





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セビージャで検索すると、どうしてもサッカー・チームが出てきてしまう。 セビージャには昨年清武選手が所属していた。





「セビーリャ」? それとも「セビージャ」?  はたまた「セヴィージャ」?

 このCDでは曲名を 「セビージャ」 としましたが、綴りは 「Sevilla 」 で、これをカタカナで 「セビーリャ」 とするか、 「セビージャ」 とするかは意見の分かれるところです。 おそらくスペイン現地では 「セビージャ」 、他のヨーロッパ諸国では 「セビーリャ」に近いのでしょう。

 どちらいいかということは、いろいろ調べてみてもなんとも言えないところのようですね、どっちでもよいというのが最も正しいのかも知れません。



結局、サッカー・チームが 「セビージャ」と書かれるので

 このCDで 「セビージャ」 の方を採用したのは、最近では、何となくこの表記のほうが多いのかなということと、何と言ってもサッカー・チームが 「セビージャ」 と呼ばれているところからです。 おそらく今では、このサッカー・チームの名でこのセビージャという都市の名前を知ったと言う人も多いでしょう。




「セヴィージャ」 とは表記しないらしい


 もっとも 「ビ」 には V が使われているので、 「セヴィージャ」 となるべきかも知れませんが、スペイン語では 「V」 と 「B」 の発音を区別しないので、 「セージャ」 と表記する方が正しいのだそうです。 確かに 「セヴィージャ」 という表記はあまり見かけませんね。

 

 
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