バッハ:平均律クラヴィア曲集 24
第2巻
第1番ハ長調フーガ

テーマは第1巻の第1番同様にシンプルだが、リズムに特徴
第1番ハ長調のフーガのテーマは、第1巻のフーガ同様、比較的シンプルなものですが、 リズムは活き活きとしています。 プレリュードの場合もそうですが、この第2巻のフーガのテーマは、あまり型にこだわらず、比較的自由で、多彩に選択している感じがします。 またリズムもかなり多様になっています。
第5番ニ長調フーガ

トン、トン、トン
バッハのフーガには、この曲のように同じ音を3回鳴らすものがいくつかあります。この平均律曲集第2巻では、他に第8番変ト長調、第12番へ短調などがあります。

第8番変ト長調のフーガ

第12番ヘ短調のフーガ
一個多いが
私たちになじみの深い、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番のフーガ (リュートのためのフーガBWV1000) も、この音型ですね。 ・・・・・・おっと、これは4個だった! まあ、だいたい近いと言うことで・・・・・・

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番フーガ(ギター版)。 3個でなく、4個だが、音型的には似ている
オモテから始まるか、ウラから始まるか
この音型はバッハの好みのものなのでしょう。 同じ音が3個続くと言っても、第5番、第8番、BVW1000 の3曲は3個の音の前に休符があって、ウラ拍から始まりますが、第12番はオモテ拍から始まります。
ウラから始まるか、オモテから始まるかで、もちろんアクセントの位置がかわりますね、それを書くとこんな感じでしょうか。

ウラから始まる場合

オモテから始まる場合
減5度の跳躍が神秘的な感じを
大雑把に言えば、ウラから始まると、軽くなり、オモテから始まると重たい感じになるでしょうか。 そのやや重たいリズムの方の第12番のテーマは、ちょっと変わった感じで、印象的ですね、リズミカルだが、神秘的な感じもします。
このテーマには 《シ♭ ↓ ミ(ナチュラル) 》 で減5度の跳躍が出てきますが、この不協和音程の跳躍が不思議な感じを出しています。

何か不思議な感じのするテーマだが、その原因はこの減5度で下がってくることにあるようだ。 バッハはこうした不協和音程を非常に巧みに用いる。
前にも言いました通り、和声法、あるいは対位法的には、こういった不協和音程では跳躍出来ないことになっています。 しかしバッハの場合には、こういった跳躍を頻繁に、また効果的に用いています。 もちろん音程とリズムは密接な関係を持っています。
そう言えば、「運命」も
そう、そう、 この同じ音が3個鳴らされる曲と言えば、ベートーヴェンの「運命」がありますね。 運命の第1楽章はほとんどこの音型で出来ていると言ってもいいようです。

ベートーヴェンの運命も同じ音型だが、印象はだいぶ違う
この「 トン、トン、トン 」 、ベートヴェン的には 「ガ・ガ・ガ」 かも知れませんが、この同じ音を3回鳴らすと言う音型はベートーヴェン以外の作曲家も使っていて、決して特別な音型ではないのですが、ベートーヴェンはこの音型に特別なものを感じたのでしょう。 いわゆる ”目の付け所” というやつですね、天才というのは、そういったものを感じる嗅覚みたいなものを持っているのでしょう。

第2巻
第1番ハ長調フーガ

テーマは第1巻の第1番同様にシンプルだが、リズムに特徴
第1番ハ長調のフーガのテーマは、第1巻のフーガ同様、比較的シンプルなものですが、 リズムは活き活きとしています。 プレリュードの場合もそうですが、この第2巻のフーガのテーマは、あまり型にこだわらず、比較的自由で、多彩に選択している感じがします。 またリズムもかなり多様になっています。
第5番ニ長調フーガ

トン、トン、トン
バッハのフーガには、この曲のように同じ音を3回鳴らすものがいくつかあります。この平均律曲集第2巻では、他に第8番変ト長調、第12番へ短調などがあります。

第8番変ト長調のフーガ

第12番ヘ短調のフーガ
一個多いが
私たちになじみの深い、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番のフーガ (リュートのためのフーガBWV1000) も、この音型ですね。 ・・・・・・おっと、これは4個だった! まあ、だいたい近いと言うことで・・・・・・

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番フーガ(ギター版)。 3個でなく、4個だが、音型的には似ている
オモテから始まるか、ウラから始まるか
この音型はバッハの好みのものなのでしょう。 同じ音が3個続くと言っても、第5番、第8番、BVW1000 の3曲は3個の音の前に休符があって、ウラ拍から始まりますが、第12番はオモテ拍から始まります。
ウラから始まるか、オモテから始まるかで、もちろんアクセントの位置がかわりますね、それを書くとこんな感じでしょうか。

ウラから始まる場合

オモテから始まる場合
減5度の跳躍が神秘的な感じを
大雑把に言えば、ウラから始まると、軽くなり、オモテから始まると重たい感じになるでしょうか。 そのやや重たいリズムの方の第12番のテーマは、ちょっと変わった感じで、印象的ですね、リズミカルだが、神秘的な感じもします。
このテーマには 《シ♭ ↓ ミ(ナチュラル) 》 で減5度の跳躍が出てきますが、この不協和音程の跳躍が不思議な感じを出しています。

何か不思議な感じのするテーマだが、その原因はこの減5度で下がってくることにあるようだ。 バッハはこうした不協和音程を非常に巧みに用いる。
前にも言いました通り、和声法、あるいは対位法的には、こういった不協和音程では跳躍出来ないことになっています。 しかしバッハの場合には、こういった跳躍を頻繁に、また効果的に用いています。 もちろん音程とリズムは密接な関係を持っています。
そう言えば、「運命」も
そう、そう、 この同じ音が3個鳴らされる曲と言えば、ベートーヴェンの「運命」がありますね。 運命の第1楽章はほとんどこの音型で出来ていると言ってもいいようです。

ベートーヴェンの運命も同じ音型だが、印象はだいぶ違う
この「 トン、トン、トン 」 、ベートヴェン的には 「ガ・ガ・ガ」 かも知れませんが、この同じ音を3回鳴らすと言う音型はベートーヴェン以外の作曲家も使っていて、決して特別な音型ではないのですが、ベートーヴェンはこの音型に特別なものを感じたのでしょう。 いわゆる ”目の付け所” というやつですね、天才というのは、そういったものを感じる嗅覚みたいなものを持っているのでしょう。

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