中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

この年以来

  私はこの年(1969年)から水戸に移り住むことになりますが、これを機に私の生活は一変します。一言でいえばその後現在まで約40年間にわたり、ギターを中心とした生活が始まったわけです。つまり皆さんが知っているとおりの「中村俊三」にだんだんなってゆきます。

 この当時の水戸の街はあまり高い建物が少なく、駅舎もまだ2階建てで、高い建物というと泉町に二つほどデパートがあるくらいでした。また市街地も狭く、少しそれると田畑になっていて、現在のように市街地が広く分散していませんでした。しかしその分、繁華街が旧50号線沿いに水戸駅から大工町あたりまでに集中し、今に比べるとずっと人通りも多く、とても活気溢れた感じでした。バスの本数も多く、通勤する人や、買い物袋をかかえた人などでいつも満員でした。県庁や市役所なども市街地の中にあり、また郊外に大型店なども進出してなく、街がコンパクトにまとまっているだけ、現在よりもかえっていろいろ便利だったように思います。また偕楽園や千波湖もあまり整備されていなくて、素朴な味わいを残していました。


こんなにたくさん

 茨城大学にクラシック・ギター部があるということは、案内書などで事前に知っていました。それがこの大学を受験した理由の一つといえます。もし茨城大学に入学したらクラシック・ギター部に入るということは最初から決めていました。入学式(この時も過激派の学生が乱入してきましたが)を終えたその日にクラシック・ギター部の部室に入部申し込みに行ったと思います。相変わらずの汚く、狭い部室でしたが、その頃にはもう驚かなくなっていました。入部申し込み書の「ギター歴」の欄に6年(やや少なめに)と書いたと思いますが、部室にいた先輩たちはちょっと驚いていました。新入部員の大半ははギターに触るのが初めてだそうです。何か弾いてみてと言われて、少し怪しいところもある「アルハンブラの想い出」を弾くと、先輩たちから「すごいね、君、オレらより上手いじゃない」と若干入部祝いも込められた賛辞をもらいました。「アルハンブラの想い出」を自分以外の人が聴いているところで弾いたのは、この時が初めてです。

 正式な新入部員の練習は、まだしばらくないとのことでしたが、それまでの間、部室に行って先輩などから若干指導を受けたり、例の3号館で、上級生の合奏の練習を聴いたりしていました。ギターの合奏はその時初めて聴きましたが、20人くらいの人が同時に弾く音はギターの音とは思えないような響きがしました。しばらくして新入生の正式な練習が始まってびっくり、なんと新入部員が50人くらいいるのです。せいぜい10~20人くらいをイメージしていましたが、上級生も含めれば70人前後となります。それまで私の周囲にギターを弾く人人などほとんどいなかったので、ギターをやる人がこんなにもいるのかと驚きました。


アストゥリアス

 これまでギターに関してはなんの刺激も情報もないところでやってきたので、この茨城大学のクラシック・ギター部に入ったことで、それまで経験しなかったそれらの刺激や情報が一度にやってきて、入部した当初は一日一日が驚きの連続でした。毎日が興奮状態といってもよいかも知れません。新入部員の練習が始まった頃、練習場にOBで講師の荻津節男先生(その後いろいろお世話になる先生ですが)がいらっしゃって、何曲が聴かせていただきましたが、その中に「アストゥリアス」もあり、この曲は曲名だけ知っていたのですが、実際に聴いてみてとても感激した覚えがあります。

 さっそく楽譜を買ってきてすぐに始めました。私の小さな手ではなかなか音が出ないところもあり、ちゃんとは弾けないのですが、例のごとく覚えるだけは2、3日で覚えたと思います。なおこの楽譜は阿部保夫編で、「アルハンブラの想い出」や「モーツアルトの主題による変奏曲」、「スペイン舞曲第5番」などクラシック・ギターの超有名曲が入っていて、阿部氏自身が演奏したレコードもセットになっていました。このレコードにより、やっと私もギターの有名な曲を知ることができたのです。そのレコードを溝が擦り切れるくらい聴いたのは言うまでもありません。


マテキ?

 入部してすぐの頃、部室で先輩がテレビのギター教室のテーマ曲を弾いていました。でもその曲はなかなか終わらず、10分近くあったように感じ、私が聴いたことがあるのは最初の方だけでした。弾き終えた先輩に「その曲、ギター教室のテーマじゃないんですか」と聴くと「『マテキ』って言うんだ」と言っていました。その当時モーツアルトに「魔笛」というオペラがあることなど知りませんから、その後しばらく私の頭の中にはその曲のことをカタカナで「マテキ」という風にインプットされてしまいました。おかげで前述の楽譜とレコードを買った時もなぜ、「モーツアルトの主題による変奏曲」と「マテキ」が同じ曲なのかわかりませんでした。もちろんこの曲もすぐに練習始めましたが、「アストゥリアス」よりは難しく、こちらはなかなか弾けるようにはなりませんでした。今ででもこの曲をステージで弾く時は結構練習します。

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