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中村俊三 ブログ

中村ギター教室内のレッスン内容や、イベント、また、音楽の雑学などを書いていきます。

バッハ:平均律クラヴィア曲集 36


グレン・グールド (1962~1971年録音) 6



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音楽評論家によるランキングでは他を圧倒しての1位

 バッハの平均律の話よりも、グールドの話になってしまいましたが、もう少しグールドの話を続けましょう。 グールドのバッハの演奏は、バッハの音楽の本質をより明確に表現するものとして、専門家たちの評価がたいへん高いものです。 

 2000年頃音楽之友社から出版された  「20世紀の名曲名盤~究極の決定版100」 において、「イギリス組曲」、 「フランス組曲」、 「パルティータ」、 「インベンション」、 「平均律曲集」、 「ゴールドベルク変奏曲」 の6つのバッハの代表的な鍵盤音楽で、2位以下を圧倒して、すべて第1位となっています。




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2000年頃に出版された 「20世紀の名曲名盤~究極の決定版100」 による平均律曲集のランキング(複数の音楽評論家による)。     「イギリス組曲」、 「フランス組曲」、 「パルティータ」、 「インベンション」、 「ゴールドベルク変奏曲」 などでもグールドは他を圧倒しての1位となっている



 これは、ピアノのみではなく、チェンバロの演奏も含めたもので、 グールドの演奏は、バッハの鍵盤音楽において、まさに音楽評論家たちの圧倒的な支持を得ていると言えます。




一般の音楽ファンからも絶大な人気があった

 さらに、そうした音楽の専門家たちだけでなく、一般の音楽ファンからも絶大な人気がありました。 私自身は当時、特にグールドの演奏が好きだったわけではありませんが、グールドが好きな友人は多数いて、 「オレはグールド以外でバッハは聴かない」 などと言いきる友人もいたことは、以前話した通りです。

 こうした一般の音楽ファンたちは、雑誌などにより、そうした専門家たちの評価に影響された部分もあるかも知れませんが、でもやはり一般の音楽ファンを魅了する何かがグールドの演奏にあったのは確かでしょう。




どういう人たちがグールドのファンになったか、なぜファンの気持ちを掴んだのか

 では、グールドの演奏のどういったところがファンの心を掴んだのか、あるいはどういった人たちがグールドのファンになったのかを、改めて考えてみましょう。

 グールドの演奏で、最も特徴的、あるいは目立つ点と言えば、ほとんどの音をスタッカート気味に弾くことでしょう。 そして残響などを一切付けない録音で、それがいっそう強調されます。




元々のクラシック音楽ファンなどは違和感を感じたかも

 グールドの演奏は、ちょっと聴いただけでも他のピアニストの演奏と異なることがわかり、ショパンやシューマンなど、典型的なピアノ音楽に馴染んでいる音楽ファンだったら、グールドの演奏は音がポツポツと余韻もなく、まさに”砂を噛む”ような味気ない演奏に感じるのではないかと思います。




弾き方も、音質もなんとなくジャズぽい?

 でも、このグールドの「ポツ、ポツ」と言った感じのピアノの音は、どこかで聴いたことがあるような感じがします。 そうです、ジャズ・ピアノの音ですね。 確かに録音の仕方もジャズぽい感じがします。 クラシック音楽の録音はコンサート会場のような残響豊かなところで行いますが、ポピュラー系の音楽は吸音材に囲まれたスタジオで行います。

 戦前から戦後にかけて国内外でジャズが流行していました。 当時、教養ある成人男性であれば、ジャズをたしなむのは当然、あるいは一種のステータスとなっていたようなところもあります。 今現在に比べればジャズ人口は圧倒的に多かったと思います。




ジャズ・ピアニストがバッハを弾いていた

 そうした日頃ジャズ・ピアノに親しんだ耳からすると、グールドのピアノは全く違和感がなかったのかも知れません。 また当時ジャズ・プレーヤーがバッハを演奏することが、一つの流行ともなっていました。 そうした風潮にも助長されたかも知れません。




ピアノ教育に携わる人たちからは敬遠されていた

 しかし一方で、ピアノの教育に携わる人たちからはたいへん評判は良くなかったようです。  私が20~30代の頃、仕事の関係でピアノの先生たちと会食、あるいは宴会などを行うこともありました。 そうした場では音楽の話はほとんどないことは以前にも言いましたが、ごく稀にグールドの話が出ることがあっても、それはたいていは否定的なものでした。

 それはそうですね、グールドの演奏はその先生たちが教えていること、あるいは大学などで習ってきたことと、まさに真逆のことをしている訳ですから、グールドの演奏を肯定することは、自の仕事を否定することにもつながりかねません。




知り合いに女性が少ないせい?


 ところで、グールド好きな私の友人にははっきりとした特徴があります、それはそうした友人はすべて ”男性” であることです (ただ私の知り合いや友人に女性が少ないだけ?)。

 そしてそれらの友人たちのほとんどは幼少期にピアノなどは習ってなく、高校や大学などある程度成長してから音楽に興味を持つようになった人たちです。 前述のようにジャズや、当時流行し始めていたロックなどからクラシック音楽に興味を持つようになった人たちもいます。
 



この話、どこかでしたような

 これと同じような話、前にしたような記憶があります、そうです、バッハ・ファンの話です。 バッハ・ファンの多くは男性で、幼少期などにピアノを習っていなかった人に多いという話でしたね。 これがグールド・ファンと見事に一致しましたね!




再び方程式が成立する

 となれば、 バッハ=グールド という方程式は完璧に成り立ちますね。 なるほど!  ついでに バッハ=グールド≒男性 なんて式も成り立つのかな? 




結論としては

 と言ったところで、結論として、グールド・ファンは、主に男性で、それまでそれほどクラシック音楽に触れてこなかった人、特にジャズなどが好きな人、音楽大学などには行かなかった人、 ある程度大人になってから音楽に興味を持ち始めた人・・・・・・・・・   なんて感じでしょうか。 

   ・・・・・・・・いえ、いえ、もちろん女性のグールド・ファンもたくさんいると思います。  これはちょっとした傾向というか、まあ特に根拠のないことと言うか、 ええ、決して男女格差なんて、 ええ、ほんのジョークで、 ホントに。

  ・・・・・・・・こんな言い訳、前にしたような?


 
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